経営者インタビュー 松井忠三氏(株式会社良品計画 名誉顧問) Vol.2|経営ノート

経営者インタビュー 松井忠三氏(株式会社良品計画 名誉顧問) Vol.2|経営ノート

「社長に聞く!」経営者インタビュー 〜活躍する現役社長に、経営者としての半生をお聞きしました!

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、松井忠三氏(株式会社良品計画 名誉顧問)です。「無印良品」を展開する良品計画の名誉顧問である松井忠三氏にお越しいただきました。松井忠三氏は、一時38億円の赤字を抱えるまでに低迷していた2001年に社長に就任。そこから業務を見える化する企業改革を断行することで、わずか1年で業績をV字回復させた功績は、多くのメディアなどでも取り上げられています。

(2017年6月配信)



前回に続き、松井忠三氏(株式会社良品計画 名誉顧問)の経営者インタビューをお届けします。(Vol.1はこちら

新谷哲:良品計画に出向されてからは、まさにトントン拍子で出世したのですか?

松井忠三:当時、西友は1兆円を超える売り上げで、良品計画は245億円だったので、1/40です。通常、西友の課長が良品計画に行けば、最低でも部長クラスになるのです。でも小さな会社だったので、部長になるには実績をあげなきゃいけない。私は1年で部長になったので、実績は出たと思います。その翌年に、実は取締役にしてくれたのです。だから良品計画に行ってからは、もの凄いスピード出世をしましたね。

新谷哲:経歴を見てみると、1、2年でどんどん上がっていく感じで、凄いです。それはやはり、実績を出されたからですか?

松井忠三:西友という会社は、ご機嫌伺いをして、ステップアップをしていく人達が非常に多かったのです。僕はそれと正反対だったので、実績を残すように頑張ったと思います。

新谷哲:課長として良品計画へ入った時、どんな役割を担ったのですか?

松井忠三:総務人事部長です。

新谷哲:部長になられてからも、人事関係の仕事だったのですか?

松井忠三:はい、そうですね。部長も総務人事でそのままやりました。

新谷哲:その後、常務、専務と上がられるわけですが、そうなってくると範囲が広がりますか? 

松井忠三:常務になる前の、営業本部長という仕事が、範囲が一番広がりました。社員も8割くらいここにいました。

新谷哲:部長になられて以降、いろんな分野を経験されるのですね?

松井忠三:そうです。それまではほとんど人事一筋できたのですが、そこから先は色んな分野を、山のようにやりましたね。

新谷哲:部長になられたのがおいくつの時ですか?

松井忠三:43歳です。

新谷哲:では44歳以降くらいから、色んな分野をやり始めたのですね。

松井忠三:44歳が取締役になった歳で、ようやく取締役になったと思ったら営業本部長の異動でした。「厳しいな、これでそろそろ終わりかな」というくらい激しく動いた。

新谷哲:でも、営業本部長としても成果は出されたので、専務となったわけですよね?

松井忠三:営業本部長の頃は、私の実力というよりは、業績が右肩上がりでしたからね。毎年3割くらいの増収、増益を続けていました。私も予算を落とすということは全く無くやってきたのです。

新谷哲:素晴らしいです。その後、良品計画の代表取締役社長に2002年になってらっしゃるわけですが、社長に就任されるきっかけは何だったのですか?

松井忠三:良品計画は2000年に、初めて減益という経験をするのですね。ですから2000年2月末の株価って17,350円だったのですが、1/6の1,750円まで落ちてしまうのです。そんなこともあって、私の前の社長が辞めることになって、それで私が急遽社長になる、というのがきっかけですかね。なんか青天の霹靂みたいに、突然、辞令が降りてきたものですから、正直にいうと一番重い荷物がきた、というのが当時の率直な感想ですね。

新谷哲:では、抵抗というか、嫌だと、断るとかそういうことはあったのですか?

松井忠三:それは断れませんでした。言われた以上は、受けざるを得ない。それはしょうがないので、ハイという返事はしました。それから1週間後が記者会見でしたか、記者会見で気の利いたことは全く言えなかったですね。

新谷哲:その後、いわゆる今の無印良品の基礎、礎を築かれますが、どんなご苦労がありましたか?

松井忠三:色々なことがありました。セゾングループがなくなる前で、その原資がファミリーマートと無印計画の株だったのです。成長性をあげなきゃいけませんから、通常の年の10倍くらいの出店をする。これが見事に失敗をして、すごい赤字を叩き出しました。こいつをとにかくリストラしなきゃいけない。人員の整理をやらざるを得ない。まあこんなところに追い込まれますね。在庫も山のようにありました。原価で38億円の在庫を燃やして処分しました。あるいは、品質が非常に悪かったので、品質でものすごいクレームがくる。したがって品質も直さなきゃいけない。出血をどんどん止める、というのが当時1年でやった内容です。

新谷哲:凄く大変だったんじゃないかと思います。社長に就任された1年目なんてのは、ほとんど家に帰れないとかそんな感じだったのですか?

松井忠三:半年間休みなしでやろうと思っていたので、本当に半年間休みなしでやりましたね。

新谷哲:逆にそれくらいやらないと、改革できなかったのですか?

松井忠三:やっても上手くいくかどうか分からないですね。なので、1年間くらいは、先が見えない日々が続くわけです。ですから、やっていることが復活に結びつくかどうか分からない。結論から言うと、リストラで会社が立ち直ることもない、と気付くのです。ですから他の手を2年目以降は少しずつ打っていきました。

Vol.3へ続く

 

[プロフィール]松井 忠三 氏
株式会社松井オフィス 代表取締役社長
株式会社良品計画 名誉顧問
ほか社外取締役多数

西友時代は主に人事畑を歩み、各種制度の構築、幹部社員の意識改革研修等を担当する。良品計画に移ってからは、人事・営業・物流・インターネットビジネスを担当。 2001年、急激な業績不振の責任を取って退任した前社長のあとを受け、急きょ社長に就任。38億円の赤字を経て大掛かりな経営改革を断行。一時は撤退したアジアにも再出店。 創業以来11年続いた海外の赤字も2002年には黒字に転換させ、現在25の国と地域に300店舗を展開する礎を築く。

 

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

今回は、松井忠三氏(株式会社良品計画 名誉顧問)の経営者インタビューを取り上げました。

新谷 哲 著「社長の孤独力」特別抜粋版 無料プレゼント

CTA-IMAGE 経営ノートをご覧くださっている皆様に、日本経済新聞出版社から2019年6月に発刊された「社長の孤独力」(WizBiz社長・新谷哲著)の特別抜粋版(29ページ)を無料プレゼントしています。お申込みフォームに必要事項をご記入ください。