経営者インタビュー 湯野川孝彦氏(株式会社すららネット 代表取締役社長) Vol.3

経営者インタビュー 湯野川孝彦氏(株式会社すららネット 代表取締役社長) Vol.3

「社長に聞く!」経営者インタビュー 〜活躍する現役社長に、経営者としての半生をお聞きしました!

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、湯野川孝彦氏(株式会社すららネット 代表取締役社長)です。今回は、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を」という理念を掲げる、株式会社すららネット代表取締役社長の湯野川孝彦氏にお越しいただきました。湯野川孝彦社長は大阪大学基礎工学部を卒業し、東証一部上場の新規事業担当役員時代にeラーニング教材「すらら」の事業を企画・開発。2010年、すらら事業をMBOにより買収し、経営者となりました。低学力の生徒でも「わかる」「できる」「使える」という業界内でユニークなポジションをとり、急速に広まっています。2017年12月に上場を果たし、急成長する企業経営者の湯野川孝彦社長の経営者インタビューを、どうぞお聞きください。

(2018年1月配信)



前回に続き、湯野川孝彦氏(株式会社すららネット 代表取締役社長)の経営者インタビューをお届けします。(Vol.2はこちら

新谷哲:その後「すらら」という事業で起業し経営者となりますが、経緯をお教えいただけますか?

湯野川孝彦:元々は、教育畑とは関係ない仕事をしていました。初めて教育事業と接点を持ったのは、2004年です。個別指導塾のフランチャイズをベンチャー・リンクとして支援したことがありました。ベンチャー・リンクは真面目なところもあって、「フランチャイズ業態を売る以上は自分達でも経営しないと本当に良いことは分からない」といって、教育のフランチャイズに1つ加盟して、東京の大島で経営しました。ベンチャー・リンクの経営者から「新しいことをやる時は湯野川孝彦くん、君がやりなさい」と言われ、教育事業の経営が始まります。

個別指導塾の経営で、生徒募集はものすごく上手くいきました。生徒数は1年半で、当時は全国400校ぐらいあったうちの2位か3位になり、「生徒募集マーケティングは分かった」となりますが、あまり上手くいかない部分もありました。それは生徒の成績を上げるということです。特に学力の低い生徒はほとんど上がらなくて、これで果たして社会的に価値があると言えるのかということを結構悩みました。原因を考えてみると、個別指導塾の業態というのは、学生・アルバイトさんが教えるので、学習サービスの安定化というのが非常に難しいのです。いっそのこと「理想のeラーニングを作れば問題が解決できるのではないか」と当時のトップに企画を持っていったら「やってみなはれ」と予算をいただきeラーニング「すらら」を作った、という経緯です。

新谷哲:その後、「すらら」と一緒に独立し経営者となりますが、不安点はなかったのですか?

湯野川孝彦:ベンチャー・リンクが2012年に民事再生で潰れる前、「このままだと『すらら』はなくってしまうから外に出そう」と思いました。また赤字事業で会社に迷惑をかけていた、という意味合いもあります。

新谷哲:赤字事業を外に持っていく部分に、不安はあったのですか?

湯野川孝彦:僕の個人資産では全然支えきれなかったので、資金調達しないといけませんでした。独立して経営者になる前から色々なベンチャーキャピタルを周って、「どこか資金提供をしてくれるところがないか」と探しましたが、軒並み門前払いを食らいます。唯一、グロービスキャピタルパートナーズさんだけが関心を示し、ご縁ができました。結果独立し経営者となった後の2010年11月に資金調達ができて、何とか首の皮一枚繋がります。このときに資金調達ができなければもう今の「すららネット」はなかったです。

新谷哲:独立して、7年で上場していますが、上場までの経営は順調でしたか?

湯野川孝彦:概ね上手くいき、毎年1億円ずつ伸びてきます。新規事業の千本ノックをその前にやっていましたので、ある程度イメージした通りに近い形で経営できたという側面はあるのと思います。

新谷哲:すららネットは、どのような事業で経営しているかご説明いただけますか?

湯野川孝彦:子ども向けの強化学習のeラーニングというデジタル教材を提供している会社です。子ども向けというのは、小学生から高校生まで。教科は英語・数学・国語の現在3教科。ビジネスモデルとしては「BtoBtoC」と言うのでしょうか、学習塾や学校を通じて、子どもたちに教材を提供しているのが、うちの商売です。

新谷哲:小中高ということは、私立の学校とかにも入っているのですか?

湯野川孝彦: 125校ぐらいお客様がいますが、ほとんどが私立学校になりますね。

新谷哲:塾は何教室ぐらいですか?

湯野川孝彦:今は550ぐらいです。

新谷哲:すららネットは最初から、「7年後に上場を目指す」と考えていたのですか?

湯野川孝彦:そうですね。先程言った通り、最初にVC(グロービスキャピタルパートナーズ)さんから出資を得ています。VCから資金調達をするとイグジットはやっぱり上場なので、「上場できるか分からないけど、上場目指します」という感じです。

新谷哲:なるほど。素晴らしいですね。

湯野川孝彦:初年度の大赤字のときから上場を目指していましたので、当初から会社のガバナンスとか規定とかルールは上場を意識して作っていました。最初に適当に作っていたら、上場準備を始める時には相当苦労していたと思います。

Vol.4へ続く

 

[プロフィール]湯野川 孝彦 氏
株式会社すららネット 代表取締役社長

大阪大学基礎工学部を卒業。東証一部上場の新規事業担当役員時代にeラーニング教材「すらら」の事業を企画・開発。2010年、すらら事業を MBOにより買収し独立。「すらら」は、全ての子どもたちが「わかる」「できる」「使える」というユニークなコンセプトで急速に広まり、今では690の塾、150の学校、58,000のユーザーに活用されるまでに成長。幅広い層への学習支援活動にも力を入れ、教育システムの整っていない世界の子どもたちにも質の良い教育を与えることを視野に、スリランカ、インドネシア、インドでも事業を展開中。

 

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

今回は、湯野川孝彦氏(株式会社すららネット 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

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