成功経営者インタビュー

経営者インタビュー 株式会社Globridge 代表取締役 大塚誠氏

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、大塚誠氏(株式会社Globridge 代表取締役)です。(2019年2月20日 2019年2月27日 配信)

今回は、飲食店のプロデュースと運営を行う、株式会社Globridgeの大塚誠社長にお越しいただきました。学校内でバイクが走るのが当たり前の荒廃した中学校に通い、高校時代は不登校。大学ではアルバイトと麻雀に明け暮れたという学生時代を過ごしながら、現在では国内72店舗、海外(2か国)4店舗の飲食店経営をされています。大塚誠社長の人生を大きく変えた経験や出会いについて、そして飲食店店舗展開にて成功を収めた秘策も、経営者インタビューでお話いただきました。座右の銘である「挑戦無くして成長なし」体現されたような経営者インタビューをぜひお聞きください!

新谷哲:今回の経営者インタビュー、株式会社Globridgeの大塚誠社長です。まずはご経歴をご紹介します。大手コンサルティング会社にて数々の大手チェーンの立ち上げサポート後、飲食企業を起業し経営者となります。5年間で直営85店舗・フランチャイズ30店舗以上を立ち上げた実績をお持ちです。その後、大衆居酒屋チェーン路線から一転、全店業態変更を決意。ネットマーケットも活用し、3年で新たな65業態を作り上げた、素晴らしい飲食業の経営者です。大塚誠社長、よろしくお願いいたします。

大塚誠:よろしくお願いします。

新谷哲:最初のご質問です。ご出身は千葉県ということですが、小学校・中学校時代どのようにお過ごしになりましたか?

大塚誠:千葉県の荒れた学校に通っていました。「スクールウォーズ」というドラマや、「ビーバップハイスクール」というマンガに出てくる、荒廃した学校のイメージがしっくりくる学校で、他校からは恐れられていました。先輩にやばい人が多くて、学校の廊下をバイクが日常的に走っていましたし、日常的に頭から血を流している人が歩いている、そんな学校です。

新谷哲:大塚誠社長の雰囲気も、もしかするとヤンキーっぽさもあるかもしれませんね。高校も千葉県に通われたとお聞きしましたが、どのようにお過ごしになりましたか?

大塚誠:「スクールウォーズ」というドラマの影響が強く「ラグビーやりたい」と思い公立を受けましたが、落ちました。行くところがなくなって私立の新設校に行くことになるのですが、後に頭の良い学校になっていく学校でした。入ってみたらお利口さんしかおらず、同じ中学校の人は誰もいないので、学校で浮いちゃうんです。友達もできず不登校になって、荒れていきました。家にもほとんど帰らずに友達の家に泊まり、バイク・車関係のバイトをし、そこで出会った人と夜走り回ったりした高校時代で、やんちゃでした。

新谷哲:では、中学の時以上にやんちゃだったのですね。卒業後は、大学にいかれたのですか?

大塚誠:高校3年で「親に迷惑かけすぎている」と反省し、大学に行くことにしました。全く勉強していなかったので、山勘が使えるマークシート式の試験がある大学に絞りました。一浪しましたが、2年目で亜細亜大学に受かりまして、大学に無事に行きました。

新谷哲:前職のベンチャー・リンクで、大塚誠社長とご一緒だったときは頭が良いイメージを持っていたので、驚いています。亜細亜大学ではどのようにお過ごしになりましたか?

大塚誠:授業は全部代返で、部活にも入らず、酒と麻雀をしていた大学時代でした。

新谷哲:中学時代からここまでのお話が、ずっとそんな感じでピックリしています(笑)大学卒業後は、どのような会社に就職されたのですか?

大塚誠:プレキャスト製品を販売する、建設業の会社です。プレキャスト製品とは、工事現場で使用するために予め固めたコンクリートのことで、その営業をやっていました。

新谷哲:その会社を選ばれた理由はございますか?

大塚誠:大学4年までずっと麻雀とバイトしかせず、就活もリクルートスーツを買っただけで、1回もしていなかったのです。ある時友達の家に行くと、僕と同じく1回も着ていないリクルートスーツがあり、「就活をしないのは親に悪い、やっぱりやろう」と思いました。2月に最後の合同説明会に参加し、その中で一番給料高いところに行ったら、そこに決まりました。

新谷哲:その会社には、何年ほどいたのですか?

大塚誠:4年ちょっとです。

新谷哲:退職された後は、私も前職で所属していたベンチャー・リンクに入られますが、ベンチャー・リンクに転職しようと思われた理由はございますか?

大塚誠:就職して2年ぐらい経った時に、「自分は凡人だ」と気付きました。これまでの人生を振り返っても、履歴書に書ける勲章や経歴が1つもないのです。タイムカードを押す前にはもう居酒屋に入って、皆と酒飲んで会社の愚痴ばかり言っていました。その姿は、小さいころに思った「こんな人生だけは送りたくない」という姿そのもので「人生を変えよう」と決意します。でも当時は、人生を変える方法が分からなかったので、手に職を付けるため、学校に通い出し2年かけて宅建を取ります。不動産業の会社を受けて、面接が良かったのか、部長待遇で内定が取れました。でも「この会社に入っても何も変わらないのではないか?」と悩みます。どんな人生にしたいかを考え「経営とかを語れるようになりたい。なら、経営コンサルタントだ」と不動産会社を蹴って、ベンチャー・リンクに入社しました。

新谷哲:ベンチャー・リンクに入られてから、人生は変わりましたか?

大塚誠:驚異的に変わりました。それまでの僕は「親が金を持っていなかったから、いい学校に入れてくれなかったから、頭の出来が悪いから」と、自分の所為じゃない、と考えていました。でもベンチャー・リンクの経営者に憧れて入社して、驚きました。経営者の小林会長と同じレベルの人が何人もいて「この会社は何だ!この会社にいる人たちのようになりたい」と思いました。ベンチャー・リンクでの労働は過酷でしたが、モチベーションはずっと高かったです。

新谷哲:過酷な労働とおっしゃいましたが、お仕事は辛かったですか?

大塚誠:辛いことは一切ないです。すっと楽しかったです。

新谷哲:私とは違っていて、びっくりな話です(笑)。ベンチャー・リンクで経営について学んだことはございますか?

大塚誠:もう全部です(笑)。経営者としての僕は、99.9%がベンチャー・リンクでできていますが、一番は物事の捉え方を学べたことだと思います。

新谷哲:ベンチャー・リンクは何年ぐらいいらっしゃったのですか?

大塚誠:13年弱ですね。

新谷哲:その後、起業して経営者となられますが、きっかけはございますか?

大塚誠:当時、ベンチャー・リンクの中で20個~30個ほどの事業がありました。その中に、赤字を垂れ流している焼肉屋の事業がありました。プロジェクトを組んで半年ほどで業績を回復させ、そのタイミングで事業売却をすることになります。売却も無事に決まったのですが、僕を含めて部門にいた30人の誰もが、「その会社にいきたくない」と言いました。でもベンチャー・リンクでやる仕事がないので、全員でベンチャー・リンクを辞めることになりました。そのうちの5人が僕と一緒にやりたいと言うので、「仕方ない、経営者になるか」という感じで起業して経営者になりました。

新谷哲:最初から、飲食業で起業して経営者となったのですか?

大塚誠:そうです。最初から飲食業です。

新谷哲:飲食業を選ばれた理由は、お得意だからでしょうか?

大塚誠:計画的に起業していないので、違います。退職するまでに時間があったので、一緒に起業する5人とのファミレスで会議していました。その時にたまたま知り合いから「物件あるから見てよ」と声を掛けられました。見に行ったら、他の方の内見が重なっていて、その人が「ここに決めます」みたいな雰囲気出しているから、「僕がやります」とその場で契約しました。

新谷哲:では物件契約してから、何の業態を経営するか考えたのですか?

大塚誠:その通りです。結果として、もつ鍋屋の事業を経営する会社として起業しました。

新谷哲:もつ鍋屋の事業を経営すると決めた理由はございますか?

大塚誠:焼肉屋の事業を担当していたので、肉の知識とルートがあったので「経営するなら肉系だ」思っていたことと、もつ鍋ブームがきていたので、自然と決まりました。

新谷哲:その後、もつ鍋屋を5年間で85店舗にされますが、85店舗にまで増えた理由は何でしょうか?

大塚誠:経営戦略が良かったからです。

新谷哲:どのような経営戦略を取られたのですか?

大塚誠:シンプルに言うと、3つの行動をしました。1つは、外にいるお客さんをお店に引っ張り込むこと。お店の外にいるお客さんのうち、店があることに気付くのは1000人に1人くらいの割合です。当時は業績が悪かったのですが、このお店に気付いていない999人を引き入れることができたら、問題が解決すると思いました。具体的には、看板で人の流れを堰き止めました。出口を1つだけ作り、そこに僕のお店の看板が置いてあるのです。これで、1000人中1000人が気付くようになり、繁盛店になりました。

2つ目は「変に強みのない、とんがらない店を作ったこと」です。居酒屋ってグループで行くことが多いので、1人でご飯食べる時と違う意思決定をします。自分の主張ばかりしていると店が決まらないで、「ここで良いんじゃない?」という店が選ばれます。なので、もつ鍋もメニューの中に加わるけど、他のメニューもある普通の店にしました。

3つ目は、「お客さんが欲しいサービスを全て揃えた」ことです。お客さんが「ピザが食べたい」と言えば「ピザありますよ」と言ってピザを宅配で取り、「寿司が食べたい」と言えば寿司を宅配で取り、「朝まで呑みたい」と言えば朝まで営業する、という形でニーズに応えました。そうしたら、外にいる1000人のお客さんを全てお店に入れられるようになり、1店舗利益、1日300万円ぐらい出しました。

新谷哲:本当にすごく、素晴らしい戦略です。経営者インタビューをご覧の飲食業経営者の皆様が衝撃を受けていると思います。ここから全く違う質問をいたします。好きなもの・好きなことで「フットサル・家族・仕事」とお答えいただきました。ベンチャー・リンク出身の経営者の中では珍しいと思うのですが、家族がお好きなのですか?

大塚誠:家族が大好きです。

新谷哲:大変失礼な話ですが、「24時間365日働いている人がどうして家族好きなんだろう?」と、大塚誠社長らしくない感じがします(笑)。

大塚誠:そんなことないですよ!無茶苦茶家族好きです。

新谷哲:家族が好きな理由は、何かございますか?

大塚誠:理由は、家族を愛しているからです。

新谷哲:ちょっと衝撃的な理由です(笑)。

大塚誠:本当ですか?家族を愛してるって、普通の理由ですよ。

新谷哲:ちょっとすみません、インタビューアーの私に問題がありますね(笑)。次の質問に移ります。座右の銘で「挑戦無くして成長なし」とお答えいただきました。こちらを選ばれた理由はございますか?

大塚誠:僕は知的なキャラではないので、ベンチャー・リンクの頃から、「皆さんに頭の良いことをやっていただき、僕は違う部分で役割を果たさなければいけない」と思っていました。その中に結果とか実績を出す理屈があります。実はこの理屈の部分は、一般的な経営コンサルティング会社の実働部隊は持っていません。ベンチャー・リンクで学んだ理屈を実働部隊で使いやすくしたら、という発想と僕の生き様やポリシーを加えたものが「挑戦無くして成長なし」です。

新谷哲:素晴らしいお言葉でございます。次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向けて、経営者として成功する秘訣・方法をお教え下さい。

大塚誠:経営者として成功する秘訣・方法は「時間を使うこと」だと思います。例えば、ソフトバンクの孫正義会長と僕でも、生まれた時の差はないと思いますが、現時点では経営者として大きな差があります。その理由は、運とか環境ではなく、今に至る時間の使い方の問題です。ベンチャー・リンクの時に「努力は時間で測る」と言われましたが、本当にその通りだと思っています。成功経営者になりたければ、他の人より時間を使う必要があります。しかし勘違いしてはいけないのは、ただ時間を使っているだけでは意味がないことです。成功する経営者と失敗する経営者の差は、時間の使い方だと思います。

新谷哲:大変重いお言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。大塚誠社長、本日はありがとうございました。

大塚誠:ありがとうございました。

編集後記

大塚誠社長が大変面白くて、珍しく笑ってしまいましした。時間をとにかく使うこと、おっしゃる普通でない部分を持つ、経営者らしい経営者です。5年間で85店舗展開した戦略の話は、飲食店の経営者にとっては衝撃的な話で、勉強になられたと思います。皆様も大塚誠社長のような成功経営者になってください。

大塚誠氏
株式会社Globridge 代表取締役

栃木県出身。亜細亜大学卒業後、建設資材の会社に就職し、2年間勤務。より高みをめざし、株式会社ベンチャー・リンクに転職。はじめて仕事の意義と意味を見出す。12年、勤め、独立。2008年9月18日、6年で世界一になることを目標に株式会社Globridgeを設立する。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、大塚誠氏(株式会社Globridge 代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。

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