成功経営者インタビュー

株式会社ガイアックス 代表執行役社長 上田祐司氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、上田祐司氏(株式会社ガイアックス代表執行役社長)です。(2017年4月 5日 2017年4月12日 配信)

30歳で会社を上場させた、株式会社ガイアックス代表執行役社長の上田祐司氏。実は、インタビュアーをつとめる新谷哲とは、前職で上司部下の関係でした。新谷曰く、「当時から部下の中でもNo.1に優秀だった」とのこと。前職時代の「起業したら上場するのが当たり前」という教えに忠実に上場を実現させたストーリーは、多くの経営者様に聞いていただきたい内容となっております!

 

新谷哲:今回の経営者インタビューは、上場企業、株式会社ガイアックスの上田祐司氏です。実は私の後輩なんです。私の元部下で、後輩の中でもNo.1に優秀な経営者です。まずは経歴をご紹介いたします。1974年大阪府に生まれ、1999年同志社大学の経済学部をご卒業。ご卒業後は起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。1年半後24歳で起業。30歳で上場を果たし、ガイアックスでは人と人とを繋げるミッションの実現のため、これまでのソーシャルメディア事業に加え、シェアリングエコノミー事業の拡大や関与する企業への投資を強化している経営者です。今日はよろしくお願いいたします。

上田祐司:よろしくお願いします。

新谷哲:では最初のご質問ですが、ご出身は大阪とのこと。小中高も大阪ですか?

上田祐司:小学校は大阪の茨木市なのですが、中学からは同志社中学校に行っておりました。

新谷哲:やっぱり頭もよかったのですね。

上田祐司:小6の時はすごく頭が良かったのですが、中高大は自動的に上がるものですから、学力のピークは小6だと思います(笑)。

新谷哲:今が一番ピークなのではないかと思いますが、小学校、中学校、幼少期どんなお子さんでしたか?

上田祐司:小学校の頃からプログラミングはしていまして、結構パソコンには親しかったのですが、中学校の時にちょっと残念ながら麻雀というものに出合ってしまい。そこからプログラミングは一切やっていない感じです。

新谷哲:何かもったいないような人生ですね(笑)。高校も同志社ですが、高校時代というのは、どんな思い出がございますか?

上田祐司:昔からすごく働きたかったので、高校1年生の春からアルバイトを始めました。

新谷哲:どんなアルバイトをされていたのですか?

上田祐司:最初はすごくスタンダードにマクドナルドです。

新谷哲:その時にフランチャイズを学ばれたのですか?

上田祐司:まだ高校1年生だったので、職場に行くとやっぱり仕事ができる人が初心者の方に教えるというのがあって、それはすごく感動した覚えはあります。仕事さえできれば別に年齢関係なく、リーダーになっていけるということに。

新谷哲:その後同志社大学にそのままお進みになっていますが、同志社の外に出ようというのは考えなかったのですか?

上田祐司:残念ながらそんな学力ではなくて、スレスレでした。

新谷哲:同志社大学で学ばれたのは、経済学部ですよね?

上田祐司:学部的にはそうですね。ただ大学1年生の時の4月1日、2日ぐらい泊まり込みまして、4年間の履修計画を立てました。その段階でノートや、過去問、代返をしてくれる人を手配して、万全の体制で大学生活を迎えたという感じです(笑)。

新谷哲:大学にはほとんど行かないような計画でしたか?

上田祐司: 1年生の時に多くて月6回。もう2年生からはほとんど行っていないです。

新谷哲:よく卒業できましたね。

上田祐司:恐らく4年間で卒業した中では、最少出席日数だと思います。

新谷哲:でも計画立てられて出席しないようにする意思は、なかなか素晴らしいですね。

上田祐司:よく先生がテスト前に「お前らテスト前に焦るなよ」と言っていたのですけど、僕も、おっしゃる通りだ、今さらバタバタ過去問集めるな、と思いました。

新谷哲:では大学時代は何をされていたのですか?

上田祐司:アルバイトや、もう少し進んで商売ごっこみたいなことをたくさんやりました。

新谷哲:どんなご商売をされていらしたのですか?

上田祐司:1つはアルバイト。初めマクドナルドからスタートして、高校の時でも10個15個のバイトはしていたのですが、大資本に搾取されている感じがありまして。これちょっと自分でやったほうが儲かるのではないかなと思って、ハンバーガーの屋台を大学生の時にやったことがあります。

新谷哲:儲かったのですか?

上田祐司:正直一発儲けてやろうと思って始めたのですが、蓋を開けてみたら、時給換算するとそこまで変わらなかったです。でも自分で鉄板買ってきて、パンと肉買ってきて、お客さんにパンと肉焼いて渡すと、お客さんが目の前で「おいしいおいしい」って食べてくれるのです。「おいしいおいしい」と食べてくれるのを見ると、何かもうちょっと工夫しようかなと思って、肉の焼き方を調べてみたり、トライアンドエラーしたり、あの時の勉強はすごい楽しかったです。

新谷哲:その頃から起業家・経営者の片鱗を見せていた形ですね。

上田祐司:起業というほどではないです。しかし自分で工夫してお客さんに喜んでもらうことが楽しいものなのだというのは、その時感じて、将来何かそういったような関係にいけたらいいなと思いました。

新谷哲:それ以外にもご商売はやられたのですか?

上田祐司:あとは英会話教材の販売です。これもリストは自分で買わなきゃならないし、電話代も自分で払って、それで営業して成果が上がると売り上げの2割をもらえるみたいな形です。

新谷哲:大学生というよりは普通の社会人ですね。

上田祐司:私の隣にいた1個上の大学生の方は年収1000万円以上稼いでいて、あの人は多分、大学卒業せずにあの道に入っていったのだろうなと思います。

新谷哲:上田社長は英語教材の販売のほうでやろうとは思わなかったのですか?

上田祐司:いろんなアルバイトをしていましたので、そのうちの1個として社会経験としてやっていたという感じです。

新谷哲:それはもう起業を目指しているから、今のうちにいろんなことチャレンジしておこうみたいな感じですか?

上田祐司:明確に起業という訳ではないのですが、いろいろな商売を見ていくというのは本当に楽しいなと感じてはいました。

新谷哲:本当に起業家・経営者の片鱗が見られて、私と違って大変ご優秀でいらっしゃったと感じです。

上田祐司:いえいえ、とんでもございません。

新谷哲:その後、私と一緒のベンチャー・リンクにご入社されているのですが、なぜベンチャー・リンクを選ばれたのですか?

上田祐司:いろいろやっていく中で、やっぱり自分でアイディアを出して、いろんなことを決められる立場がいいなと思い、それでセーフティーなのは起業することだなと思ったのですが、大学4年生で卒業してすぐ起業というのもなかなかハードルが高くて。ベンチャー・リンクが当時、「独立する人しか雇わない」というようなことを言っていて、これまさに僕のための会社ではないかと思って、受けた次第です。

新谷哲:ベンチャー・リンクはその後1年半ぐらいしかいなかったのですが、何かベンチャー・リンク時代の思い出というのはございますか?

上田祐司:もう仕事が楽しくて楽しくて、本当朝から晩まで働いていましたし、新谷さんにいろいろご指導いただいたという思い出ばかりです。

新谷哲:ほとんど指導もしていなく、入った時から大変優秀な上田社長でしたが、1年半でもう辞めちゃうということは、あんまり勉強にならなかったのではないかなと思いますが、いかがでしたか?

上田祐司:10年ぐらいはいようかなと思っていたのですが、同期で一番優秀だった山根さんという女性がおりまして。これも新谷さんに一緒に指導を受けた仲間なのですけど。彼女があまりにも優秀すぎて。

1年半経った頃に一緒にご飯行って、お好み焼き食べながら「将来何か一緒にしようよ」なんて言ったら「そうよね」ってその日は終わったのです。でも翌日会社行ってメールを開けたら、山根さんから「私辞表を出したけど、上田くん出した?」みたいなメールがきていて。これ何か僕が誘ったことになっていて、やっぱり仕事できる人はこういう人なのかと思いながら、本当は僕、別に辞めるつもりはなかったのです。けど、そうなっちゃったものですから、もう泣きながら「今書いているところ」と返事をして退職することになりました

新谷哲:その山根さんはベンチャー・リンク時代、大変優秀で、私が研修指導した時に、山根さんが1位、上田くんが2位だったという思い出があります。その山根さんがガイアックスの元副社長でいらっしゃるのですよね。

上田祐司:そうですね。

新谷哲:ご一緒に起業されたという訳ですか?

上田祐司:そうですね。

新谷哲:当時、起業の時は何人かの仲間と創業されたとお聞きしました。何人のメンバーで起業されたのですか?

上田祐司:起業した瞬間は、関西のほうの後輩1人、京大生の理系のプログラミングができる人間を連れて3人で起業したのです。半年か1年ぐらいで十数人集めて。だいたい学生が多かったのですが、そういったメンバーが創業メンバーとなって、本当にそのうちの3分の1ぐらいは18年経った今でもまだ残ってくれています。

新谷哲:創業の時の苦労話をお聞きしていると、キャベツを皆で分け合ってそれでもめた話を、私はよく聞いています。

上田祐司:そこまでもめてはいないですが(笑)。皆で2LDKの家に泊まっていまして、それこそ毎日4時とかぐらいまで仕事をして、ちょっと寝てまた全員が起きて働く。共同生活でご飯も全て提供する。ご飯はだいたい半分ぐらいは僕が作っていたのですけど、朝ご飯が本当に十数円、昼が贅沢にいって50円、夜は頑張って150円、できれば100円ぐらいでコントロールしていたというのが当時ですね。

新谷哲:1日200円ということですよね。

上田祐司:そうですね。

新谷哲:それを、数人で分け合っていたという感じですか?

上田祐司:毎日、「いただきます」の時に、今日使った食材、例えば「キャベツとハムを使ったよね。100円を半分だから50円、これを8人で割っているから1人7円だよね」と、そうやって積み上げながら1日1日の食事の金額を計算していた覚えがあります。

新谷哲:なるほど。素晴らしい起業経験ですね。

上田祐司:当時のメンバーは皆こぞって、「そうめんとたらこパスタは嫌だ」と言いますね。

新谷哲:そればかり出されていたのですね。

上田祐司:一番コスパが良かったものですから(笑)。

新谷哲:今の若い方はそういうので起業する方なんていないのではないですか?(笑)

上田祐司:そうかもしれないですね。ただそんな辛かったかと言われると、別に辛くはないですけどね。

新谷哲:そうですか!

上田祐司:もうお腹いっぱいご飯食べていましたから。

新谷哲:本当にお腹いっぱいに食べていたのですか?

上田祐司:別にそうめんを3束出すのも4束出すのもそんなに変わらないので(笑)。

新谷哲:すごいお話ですね。その後、上場されていらっしゃいますけど、もともと上場を目指されていたのですか?

上田祐司:ベンチャー・リンクで非常に社会人としての基礎を叩きこまれ、起業をしたら上場するのが当たり前だという教えを叩きこまれていたものですから、起業した時から上場するものだと思っておりました。

新谷哲:30歳で上場というのは、当時の最年少上場経営者ではないですか?

上田祐司:上場企業の経営者の中で、一番若かった時期はあったのかなとは思います。

新谷哲:上場するまでの苦労とかは何かございましたか。

上田祐司:上場するまでにたくさんのお金を集めたのですが、途中でベンチャーキャピタルさんが「これ早く上場しなければ会社売り払うぞ」みたいなそんな話もありまして、そこはちょっと苦労したかもしれないです。

新谷哲:それはどうにか回避できたのですか?

上田祐司:巡り巡って譲渡先を見つけてきたり、そのうちの一部はベンチャー・リンクさんにお願いして、買い取ってもらいました。

3年目ぐらいに言われたので、ベンチャーキャピタルさんも厳しいなと思ったのですが、確かにお金を集める時に「2年で上場しますから」と言っていたなと思い出して。約束を破っているのは私でした。

新谷哲:今のお話を聞いていると、上田社長は苦労話をお話しいただけるかなと思っていたら、いつも楽しい感じで、あんまり苦労を感じないタイプですか?

上田祐司:大体は楽しい思い出になってしまっています。

新谷哲:羨ましい限りです。上場後もう10年経っていますが、上場後の苦労というのは何かあるのですか?

上田祐司:やはりインターネット業界変化が激しいものですから、作ってきたビジネスモデルが本当数年経つと崩壊する。そのような中で次々と新しい業態を作っていかなければならないというのは大変ではありました。

新谷哲: M&Aも結構されていていますが、何社ぐらい買われましたか?

上田祐司:買った会社もしくは事業部で数えますと、10は超えている気はします。

新谷哲:今も残っているのは10のうちどれぐらいですか?

上田祐司:組み込んでいきますので、結構残っています。

新谷哲:そうですか。ご優秀でいらっしゃいますね。

上田祐司:いえいえ、小っちゃくなったやつもありますけれども。キャッシュフローがある限りは無理して撤退はしませんので。

新谷哲:M&Aは皆さん苦労されて失敗している方は多いと思います。

上田祐司:もちろん失敗もあります。非常に安全性の高い投資先という判断をして、台湾の会社に40%ぐらい、確か1億5000万円ぐらい突っ込んだのです。というのも、台湾の中で当時与党の財閥の一番の息子さんがされているインターネットゲームの会社だったのですが、我々が出資してから1年後ぐらいに財閥の代表的な人が犯罪だらけだったということが見つかり、その方も海外に逃げてしまいました。台湾の中でももう大スキャンダルだったのですが、それに巻き込まれて、大損をかきました。

新谷哲:そういうこともあるのですね。

上田祐司:もういっぱいありますね。

新谷哲:今の御社の業務領域というのは、どういう分野を中心に業務をやっているのですか?

上田祐司:人と人を繋げるということをミッションに事業をやっております。インターネットを活用して人と人を繋げるということで、ど真ん中でのソーシャルメディアをビジネスとしてやっております。最近のソーシャルメディアというのは、本当にオンラインで完結する口コミサイト等を指す訳ですが、リアルの世界でも人と人を繋げる、一般的にはシェアリングエコノミーと呼ばれているものに注力をしております。

新谷哲:上田社長は、シェアリングエコノミーでもこういう分野は伸びていくのはないか、とお考えですか。

上田祐司:世界的に見てやはり大きなサイズになっているのは、民泊のジャンル、ライドシェアのジャンルです。ただシェアリングエコノミーの波はそれ以外のところにも着々とやっていきますので、食べ物のジャンルですとか、はたまた普通に持っているものをシェアしていくようなジャンル、本当に数多くのジャンルに広がっていくのではないかなと思っています。

新谷哲: AirbnbやUber、Uber Eatsやそういう分野がもっと広がるということですね。

上田祐司:日本だけでも恐らくシェアリングエコノミーをやっている会社って、もう200社とか300社ぐらいあると思います。

新谷哲:そんなにいますか。

上田祐司:本当に数多くのジャンルでビジネスが立ち上がりつつあります。

新谷哲:そうですか!先日永田町の御社のビルに参らせていただいたのですが大変素晴らしいビルで、買った狙いというのは何かございますか?

上田祐司:会社としましては、プラットフォームビジネスをやっています。プラットフォームビジネスだけやっていても実情は掴めませんので、実際に物を貸す立場。シェアリングエコノミーではホストと呼ばれる立場を体験してみたいなということで、ビルを1棟借りしました。7フロアあるのですが、ガイアックスが入居しているのは1フロアだけで、残りの6フロアはシェアに回しております。

新谷哲:なるほど。

上田祐司:実際にイベントで使っていただいたり、会議室で使っていただいたり、販売スペースもありますから販売スペースをお借りいただいたり、駐車場スペースをお借りいただいたり。実際に働くスペースとして入居していただいているという形でたくさんの会社に入っていただいております。

新谷哲:行かせていただいた時も大変広くて、200名とか300名とか入るのではないかなという部屋もあり、うちのイベントでも使わせていただけるのではないかと弊社の取締役と言っていました。

上田祐司:オープニングパーティーのときは、結果的には1700名の方に来ていただきました。

新谷哲:すごいですね。

上田祐司:すごい大盛況をいただきました。

新谷哲:やはり、お若い方が多かったですね。

上田祐司:そうですね。

新谷哲:ガイアックス様にはお若い方が集まってくるような雰囲気といいますか、そういうところがありますか?

上田祐司:やっぱりシェアリングエコノミーですとか、ソーシャルメディアというのは本当に人と人を繋げるというジャンルですから、若い方に興味を持っていただくことが多いです。またシェアリングエコノミーは社会課題を解決するという観点も非常に強く、そこに興味のある方も多く入社いただいている状況です。

新谷哲:ちょっとご質問を変えまして、上田社長の個人的なお話に移りたいと思うのです。好きなもの、好きなことで「カフェでのコーヒー、トライアスロン」と。ちょっと不思議な回答ですね。特にカフェでのコーヒーというのが珍しい回答だなと思ったのですけが、どんなところが好きですか?

上田祐司: 1人でゆっくりできるタイミングというのはあんまりなく、そういう時間ってすごく大切だなと思っています。週末は可能な限り、土曜か日曜かどっちか本当2、3時間ぐらいはカフェでコーヒーを飲みながらゆっくりするということを今大切にしています。

新谷哲:お一人ですか?

上田祐司:そうですね。

新谷哲:その時はビジネスのことを考えてしまったりはされるのですか?

上田祐司:もちろん仕事する時もありますが、例えば本を読んだりとか、何か考え事したりですとか、いろいろ先週あったことを整理したりとか、そういうような時間にしています。

新谷哲:優秀な経営者の一端を見せていただいた感じなのですが、トライアスロンも結構やっているのですか?

上田祐司:今月も1個のレースに申し込んでいます。

新谷哲:どのくらいの頻度でやっているのですか?

上田祐司:年に2、3度のレースに出るぐらいです。

新谷哲:経営者ってマラソンとかジョギングとかトライアスロンとかやる方多いと思うのですが、典型的な上場している優秀な経営者、という感じがします。仲間も多いのですよね?

上田祐司:もともとは前職でありますベンチャー・リンクで、当時小林社長から「ビジネスマンはしっかり運動しろ」「健康管理せよ」とおっしゃられるのをそのまま守りまして、週に1回スポーツクラブに行って走ったり泳いだりをしていました。そんな中で知り合いの経営者に会った時に、有名な経営者が何人も集まって、トライアスロンのチームを作っていました。私自身はずっと週1ぐらいで泳いだり走ったりしていましたので、あと自転車だけで、トライアスロンできるのではないかということ感じ、ご紹介してもらいジョインした流れです。

新谷哲:確かに小林忠嗣氏は「デブとたばこを吸う人間はコンサルタントになれない」と私に言っていました。

新谷哲:上田祐司氏の座右の銘ですが、「効率は愛」。大変珍しいのですが、どういう意味でしょうか?

上田祐司:これはもともと船井幸雄さんの本に出ていたメッセージです。それもドーンと出ていた訳ではなく、どこかの文脈の中にぽろっと出てきだけなのですが、それを見た時に確かにそうだなというのを強く思い自分の中で座右の銘にしております。優しい人って世の中いると思うのですが、結局、非効率なことをしています。巡り巡ってどこかにひずみだったり、どこかに迷惑だったり、本当はもっとハッピーになる方法があるのに、それを実現できていなかったりするのですよ。一方で効率的にやっていくというのは、巡り巡って皆にとってハッピーなことを導きだしていることが多く。効率を追求することが世の中に対する愛情表現ということに繋がるのだな、と考えていつも活動をしております。

新谷哲:私どももベンチャー・リンク時代に「DIPSは愛だ」と言われて勉強したので、まさにベンチャー・リンクの血がそのまま通っているのではと思ってびっくりしました。

上田祐司:いえいえ、もう本当に同じ概念だと思います。

新谷哲:最後に質問なのです。この番組は経営者向け、全国の社長様がお聞きになったり、または起業する方がお聞きになったりするものですから、起業家もしくは経営者としての成功の秘訣、上場はどうやったら上場できるのか、成功できるのかなど、経営者へのアドバイスをいただけないでしょうか。

上田祐司:まず自分視点で成功したいと思うのは、非常に危険な考え方だと思います。やっぱり自分の存在が認められるのは自分の意思ではなく、周りから必要とされるかどうか。例えば机の上に消しゴムがあったとして、この消しゴムが存続できるかどうかは消しゴムの意思によらず、周りの人が鉛筆使っていて消しゴムが必要だったら存続できるし、そうでなければ捨てられる。

それが社会でも一緒かなと思います。社会に大きなインパクトを与えるためには、より社会を見て、社会に必要とされている大きな出来事を提供しにいかなければならないと思います。一方で事業を立ち上げた瞬間って、皆さん総じてそうだと思うのですが、そんなリソースは何もないと思うのです。私がベンチャー・リンクの時に一番学んだのは、たくさんの人を一気に、同時に巻き込むことです。

1つだけだと実は巻き込むことは不可能。お金も、人も、販路も、仕入れ先も、マスコミも巻き込みながら、同時にやればついてくるのです。それでも成功確率はどう頑張っても2割か3割だと思うのです。が、同時に巻き込むことによって普通成功しない新規事業とか新しい企業を2、3割ぐらいの成功確率まで引き上げられるのではないかなと考えています。

新谷哲:深いお話でいらっしゃいます。先程の「効率は愛」というものに通ずるものがあります。お聞きになっている起業を目指される方、経営者方も大変勉強になったのではないかと思います。本当にありがとうございます。

上田祐司:とんでもございません。

新谷哲:私自身が成功者になれるかはまだまだ未熟者ですので、後輩の上田社長には教えていただきながら成功していきたいなと思います。

上田祐司:いえいえ、とんでもございません。

新谷哲:最後に、永田町のシェアオフィスをご紹介していただければと思います。

上田祐司:永田町のシェアオフィス、本当にたくさんのフロアを貸し出しておるのですが、起業家の方に本当にフィットした形でご用意しております。起業して社員が10人の時にそのオフィスが満席になったとします。ここからが結構悩ましくて。15人のところに移るのか、20人のところに移るのか、30人のところに移るのかと悩む。物件を探すとなるといろいろ条件が重なるものですから、副社長クラスが行って探さないと話がまとまらないのです。

無事引っ越しが決まったとしても、敷金礼金を入れて内装をしてレイアウトを作ってとやって、しかも引っ越しが終わったら元のオフィスの原状復帰がある。そうなると非常にコストがかかる。しかも大きくなったり小さくなったりしますと、1年ぐらいでまた次の引っ越し先を探さなければならないので、コストが大変なのですよ。永田町のオフィスではフリーの1人席、2人用の席、3人用の席、さらに40人ぐらいまでたくさんの部屋を取り揃えております。ですから10人の企業が15人になったら、15人の席に翌月から移動をしていただけます。

業界用語ですがASP的な料金を払えば移動できますし、住所変更も必要がございませんので、ベンチャー企業向けのオフィスかなと思っています。興味のある方がいれば、是非ご入居していただければ嬉しいなと思います。

新谷哲:ありがとうございます。リスナーの皆様方も永田町のオフィスをご見学いただいて、移ってみようかなという方は移られたらいいのではないかなと思います。本日はお忙しい中お聞きいただきまして、誠にありがとうございました。是非皆様のご参考にしていただければと存じます。上田社長、今日はどうもありがとうございました。

上田祐司:ありがとうございました。

編集後記

上田社長のお話を聞きまして、大変感銘を受けました。私の後輩とは思えない大変優秀な経営者で、私の元部下や後輩を合わせても多分No.1なのではないかなと感じております。特に楽しんでソーシャルメディアというのをやっていらっしゃり、そして今からはシェアリングエコノミーを支援するということで、上田社長の社員の方々ともお話しても、大変明るく前向きですごく一生懸命仕事をして、楽しい雰囲気が伝わってきます。これからも伸びていく企業なのだろうなと感じました。是非皆様もガイアックス様みたいな企業を目指されてみてはいかがかなと思っております。

上田 祐司 氏(株式会社ガイアックス代表執行役社長)

1974年大阪府茨木市生まれ。同志社大学経済学部卒業後、起業を志し、独立支援の業務を特徴とした株式会社ベンチャー・リンクに入社。1年半後、独立を決め退社。オンラインコミュニティの企画・開発・運営を手がけるガイアックスを24歳で起業し、30歳で上場を果たす。また、創業以来300名以上のインターンシップ生を受け入れ、大学においてベンチャー企業論等の講師も務める。2004年「LEADERS of the NEXT GENERATION」に選出された。

※本インタビューへの出演をご希望の方はこちらよりご応募ください。

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、上田祐司氏(株式会社ガイアックス代表執行役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

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