経営者インタビュー 岡島正恒氏(株式会社ステムリム 代表取締役社長) 後編|経営ノート

経営者インタビュー 岡島正恒氏(株式会社ステムリム 代表取締役社長) 後編|経営ノート

「社長に聞く!」経営者インタビュー 〜活躍する現役社長に、経営者としての半生をお聞きしました!

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、岡島正恒氏(株式会社ステムリム 代表取締役社長)です。今回は株式会社ステムリム 代表取締役社長の岡島正恒氏にお越しいただきました。岡島正恒社長は2019年3月に、株式会社ステムリムの社長に就任。就任前は証券マンとして上場に携わり、2004年には買収防衛サイドとしてライブドア事件を経験。再生医療の分野で世界で唯一の研究をする創薬ベンチャーである株式会社ステムリムの社長に就任後のお話しでは、上場に関する前代未聞の苦労を語っていただきました。ぜひ、経営者インタビューをご覧ください。

(2019年10月配信)


前回に続き、岡島正恒氏(株式会社ステムリム 代表取締役社長)の経営者インタビューをお届けします。(前編はこちら

新谷哲: 2019年3月に、株式会社ステムリムに移られていますが、これは引き抜かれたのでしょうか?

岡島正恒:私にメディシノバの案件を紹介してくださった方に誘われました。その方というのが株式会社ステムリムの前社長である冨田さんで、70歳というところもあって後継者を探していました。冨田さんから「後を継いで経営者になってくれないか」とお話をいただき、2週間検討して経営者になることを決意しました。それまでは副社長を12年半やっていましたが、社長と副社長では立場がだいぶ違います。また冨田さんから「副社長は十分やっただろう。やっぱり社長でやるべきじゃないか」と口説かれたことと、ステムリムは日本初のバイオベンチャーで、世界を獲れる技術を持っている魅力的な会社だったことが、決断のきっかけです。

新谷哲:なるほど。今流行りというか、当たり前になってきた「プロ経営者」という感じですね。

岡島正恒:まぁ、そういうことになるのでしょうか。

新谷哲:2019年8月にマザーズ上場を果たされましたが、上場の苦労はございましたか?

岡島正恒:今回の上場では、前代未聞のことが起こりました。上場の時には「目論見書」というものが投資家に配られます。この目論見書には通常の場合は、株価が書かれます。バイオという分野の株価は評価がばらつくので、「いくらからいくらの株価」というレンジが書いてあります。最初は1400億円~2200億円という大きな時価総額が書かれていたのですが、機関投資家を周った後に600億円から1000億円に下方修正されました。さらにブックビルディングで投資家に声を掛けたところ、下限の600億円で決定しました。もともと2000億円を超える想定から600億まで引きずり落されたことは、おそらく前代未聞のことです。日経の記事にも、「最初に書かれた目論見書の価格にかすりもしなかったことは16年ぶりだ」と書かれました。

新谷哲:その下方修正で、調達額はどのぐらい変わったのですか?

岡島正恒:もともと二百数十億円の調達額を予定していたのが、70億円台になったので、3分の1くらいになりました。

新谷哲:では、140億円ぐらいがなくなったのですね。

岡島正恒:そういう感じですね。

新谷哲:大変なご苦労があったのですね。もしよろしければ、株式会社ステムリムの事業内容をご紹介いただけないでしょうか?

岡島正恒:株式会社ステムリムは、再生誘導医薬の開発を目指している創薬ベンチャーです。世の中では再生医療、再生治療が数多く行われていますが、日本は進んだ国に入ります。再生医療新法のように再生医療を後押しするような制度があり、様々な再生医療というのが行われています。再生医療ではまず、人から細胞を取って、その細胞を培養して増やして、人に移植します。それに対し、ステムリムが目指している「再生誘導医薬」では、細胞には直接触りません。何をするかというと、身体の中でSOS信号となる物質を見つました。このSOS信号となる物質を化学合成して作り、それを静脈注射という形で点滴します。血液に乗ってSOS信号が骨髄に伝わると、骨髄の中に眠っている間葉系幹細胞というのが血液中にたたき出されます。あとは血流に乗って、自分の自己の再生能力に従って、損傷している部位に幹細胞が辿り着いて再生を行うというのが、再生誘導医薬のコンセプトです。我々もいろいろ調べましたけれども、このコンセプトの医薬品を開発している会社は世界でどこもないので、我々の会社がチャレンジしています。

新谷哲:詳しくないと分かりにくい部分もあるかもしれませんが、素晴らしいことをやっていらっしゃる会社だというのはよく分かりました。経営者インタビューをお読みの皆様も是非、ステムリム様の株も買っていただくと良いのではないかなと思います。ここからは全く違う質問をさせていただきます。事前に「好きなもの・好きなこと」をお聞きして、「ネバネバとした食べ物・スキー」とお答えいただきました。ネバネバ系、すごく健康的なものがお好きなのですか?

岡島正恒:特に納豆が大好きです。オムレツや味噌ラーメン、うどんなど、あらゆるものに納豆を入れて食べています。納豆オムレツは食べたことがありますか?

新谷哲:はい。

岡島正恒:納豆オムレツの実は発見者は僕じゃないかなと思っていまして、小学校の時に母親に「納豆でオムレツを作ってくれ」とリクエストをしたのです。当時はインターネットも何もないので検証のしようがないのですが、大人になったら納豆オムレツが世の中に存在していたので、僕自身は自分の考えをパクられたと思っています(笑)。

新谷哲:なるほど(笑)。やっぱり納豆をいっぱい食べられているから頭も良いかもしれませんね。座右の銘も事前にお聞きして「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。友ガンジー」とお答えいただきましたが、こちらを選ばれた理由をお教えいただけますか?

岡島正恒:私には2人息子がいて、いつも「ぐたぐた文句言う前にすぐやれ!」と息子たちに言っています。やはり、物事を先送りする人間ってものすごく多いです。例えば「英語勉強したいと思っています」って言う人がいると、私は「思っているならすぐ始めなよ」という考え方をしています。私も大和証券SMBC時代に英語を始めようと思い、当時はなかなか勉強している暇がなかったのですが、今は潰れてしまったNOVAに通いました。実は私、英語があまりできないことがコンプレックスでした。メディシノバという会社にチャレンジした理由の大きな1つが、アメリカの会社だったからです。アメリカの会社で役員をやるということは、全て英語で仕事をすることになります。「入ったら英語をやらざるを得ない」という状況に自分を追い込みました。

その頃に始めたのが、インターネットで先生を紹介してくれるサービスです。3000円とか5000円払うと3人分ぐらいのメールアドレスを買えて、直接コンタクトを取って、その先生と日にちを合わせて勝手に英語を習うというもの。合計で4人ぐらいの先生に習い、その1人の先生は私と同い年のイギリス人でした。彼は日本人と結婚して日本に住んでおりまして、今でも週に1時間、何とか時間を作っているので、12年~13年の付き合いになります。彼とはマンツーマンで英語を習っていると言うより、英語でディスカッションしていると言ったほうが良いのでしょうね。それ以外に、前の会社の時に中国で合弁会社を作りました。そしたら合弁会社の相手が「どうせ日本人に中国語は分からないだろう」と中国語で内緒話をしていました。これが悔しくて、中国語も同じように7年~8年間、週1時間以上マンツーマンで中国語も習いました。ステムリムに移ってから中国語はお休みしていますが「新たなことに常にチャレンジすること」これはガンジーの「永遠に生きるかのように学べ」がぴったり合うと思います。よく「大人になったら記憶力悪い」と言う人がいますが、私は言い訳だと思っています。記憶力が悪いのであれば、「若い人が10回で覚えられるところを100回やれば覚えられる」と考えています。常に新しいものにチャレンジしようという意味で、ガンジーの「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。友ガンジー」という言葉を選びました。

新谷哲:なるほど。記憶力がなくなるのは再生医療ではなくて努力で何とかしろ、ということですね。お答えいただきありがとうございます。次が最後のご質問です。全国の経営者様、これから起業する方に向けて、経営者として成功する秘訣をお教えください。

岡島正恒:経営者として成功する秘訣は「諦めが悪いこと」です。諦めずにとにかく知恵を絞って考え抜くということで、必ず何らかの道は開けると思います。

新谷哲:是非、経営者の皆様も諦めずに考え続けて下さい。岡島正恒社長、本日はありがとうございました。

岡島正恒:ありがとうございました。

 


 
編集後記(聞き手・新谷 哲 談)

岡島正恒社長は、プロ経営者らしいプロ経営者でした。やる気があり、グイグイいく感じもプロ経営者らしく優秀だと感じました。頭の良さと根性、この2つを兼ね備える方はと強いことが、岡島正恒社長を見てよく分かりました。全国の経営者様も、岡島正恒社長のように諦めずに突き進んで経営を続けて下さい。

 

[プロフィール]
岡島 正恒 氏
代表取締役 社長COO

1991年株式会社住友銀行(現株式会社三井住友銀行)入行。1996年住友キャピタル証券株式会社、1999年大和証券SMBC株式会社(現大和証券株式会社)にて従事。2006年メディシノバ・インク執行役副社長・東京事務所代表。2019年3月より当社代表取締役社長COOに就任。東京理科大学理工学部経営工学科卒。

 

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

今回は、岡島正恒氏(株式会社ステムリム 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

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