最新の新規事業の事情とは?事業創出のヒントを紹介

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容:「今後取り組む新規事業についてヒントをいただけないでしょうか?」

  • ご相談者:M様
  • 地  域:東京都
  • 業  種:Web制作
  • 年  商:3億円
  • 従 業 員:20名

Web制作の会社を運営しています。創業して20年弱です。現状を打破したいと考え、WizBizさんからもらう新規事業(フランチャイズビジネス)の情報もチェックさせていただいています。新規事業に取り組む条件として、「本業とは全く違う業種」で、「コロナを含め景気の波を受けにくい事業」を探しています。個人的には介護事業、幼児教育などを考えています。いずれも、国や自治体から補助が見込めるので、事業が安定しているのではと考えました。ただ、知り合いの経営者に話をしたところ、介護ビジネスの話を「今ごろ参入しても遅いでしょ」と笑われました。幼児教育の話をすれば「少子化なのに幼児教育に未来はあるの?」という感じで、どうも私の感覚がずれているのでは・・と心配になっています。今後取り組む新規事業についてヒントをいただけないでしょうか。よろしくお願い致します。

ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)

今後取り組む新規事業を探すときには、人口動態・生産年齢人口などの人口構成比を参考にすることが一番重要です。ピーター・ドラッカーは「決められた未来もある」と言っています。決められた未来とは、日本でいうと人口減少・少子高齢化ですね。人口は約1億3千万人から1億人に減少します。そして高齢者の割合は、この30 年間で30%から40%へと増加します。一方で子供は減っていくので、15歳以上65歳未満の生産活動の中心にいる生産年齢人口が減少します。要は、人手不足の時代が来るということです。

現在は、コロナ禍なので(2021年7月21日配信)例外もございますが、以上のような背景から、人材ビジネスがこの30年間は儲かると言われています。さらに、人手不足を補うため、国はさまざまな対策をされています。まず、高齢でも働くことができるよう、定年制は廃止の方向へ、女性の社会進出は更に推し進められていくと考えられます。さらに、障害を持った方、そのお子様をお持ちの方でも働くことができるよう、厚生労働省は障害のある就学児童向け学童サービス「放課後等デイサービス」や就業支援に対し、から助成金をもらえる制度を策定しました。これらの分野のフランチャイズは花盛りで、とても儲かっているようです。また、AI、ロボットの活用も加速していくでしょう。このように、人口構成比などを参考にすることで、「この分野がいけるのでは!」と新規事業についてのヒントが浮かんできます。

ここからは、M様がお考えの、介護事業、幼児教育にあてはめていきます。現在、死亡者数は年間100万人ですが、今後は年間200万人を超えると言われています。死亡者数が増加していくということは、これから更に高齢者は増えていきます。そのため、「既に介護ビジネスは飽和状態で遅めの参入だ」と感じるかもしれませんが、マーケットがあるので「ライバルたちに勝つ方法」を見つけることさえできれば、成功の可能性は大いにあると言えるのでご安心ください。

そして、幼児教育もこれから更に増えていくと言われています。現在の日本では、少子化・貧困家庭の増加が進んでいて、7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われています。しかし、ここには二極化がみられ、子供にお金をとてもかける家庭や、おじいちゃん・おばあちゃんがお孫さんの教育資金を出すケースが増えています。7人中6人の裕福層を狙えばよいのですから、大変面白い分野ですね。幼児教育は、0歳~始められるものもあり、漢字や体育や英語などを2歳から教えられるそうです。私の時代からすると信じられないことですが、それほど幼児教育の市場は華やかなのです。ただし、介護ビジネス同様、幼児教育もライバルの多い分野です。弊社がお手伝いをしている、やる気スイッチで有名なスクールIE様や、トライのような家庭教師、小学生・中学生向けの塾までさまざまな企業が幼児教育に参入しています。

このように、マーケットが拡大傾向にありライバルの多い、介護ビジネスや幼児教育で勝っていくのは容易ではありません。そのため、新規参入でノウハウが無いようであれば「フランチャイズに加盟する」ことがおすすめです。勝っている介護ビジネス、勝っている幼児教育のフランチャイズに加盟をすれば、ノウハウが提供されるので、後発でも成功できる確率が高いでしょう。ここで重要なのが「このフランチャイズは本当に勝っているのか?」ということです。ある、フランチャイズ加盟店の方は「No.1チェーンのNo.1になれば、絶対儲かる」とおっしゃっていました。勝ち組にうまく乗っかれるよう選定をしていくと良いですね。

どのビジネスを始めるにせよ、人口構成を読み解いていくことで面白い発見がございます。ぜひ、M様も参考に新規事業へチャレンジをしていかれてはいかがでしょうか?ご希望がございましたらご相談に乗らせていただきますので、ぜひお声がけください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「最新の新規事業の事情とは?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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