本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、髙田俊弘氏(株式会社Origin 代表取締役)です。(2020年3月18日 2020年3月25日 配信)
大学を卒業後、プロのバンドマンを目指して3年間活動。その後、大学時代にとった薬剤師の資格を活かすためにドラッグストアや病院を経験し、独立。薬局を開業する予定が、トラブルがあり開業できずに半年間無収入に。しかし諦めずに経営を続け、薬局を8店舗、高齢者住宅を1店舗、放課後等デイサービスを15店舗経営する企業に成長させた髙田俊弘社長のエピソードをぜひお読みください。
新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社Originの代表取締役、髙田俊弘社長です。まずはご経歴をご紹介します。茨城県つくば市生まれ、つくば市育ち。高校卒業後、昭和薬科大学に入学。バンドでプロを目指し活動するも挫折し、株式会社マツモトキヨシに入社。退職後にホスピタル坂東にお勤めになり、その後、株式会社Originを設立します。本日はどうぞよろしくお願いします。
髙田俊弘:よろしくお願いします。
新谷哲:最初のご質問です。ご出身は茨城県つくば市ですが、小学校・中学校時代はどのようにお過ごしになられましたか?
髙田俊弘:小学校の頃は、毎日ソフトボールとサッカーをやっていました。
新谷哲:ソフトボール部か何かに所属していたのですか?
髙田俊弘:地域のソフトボールの会に所属し、毎日練習に勤しんでいました。
新谷哲:では、運動神経は良かったのですか?
髙田俊弘:全然良くなくて、一番駄目なキャッチャーになりました。しかしキャッチャーはすごく頭を使う仕事でした。あとバットが目の前で振られるので、すごく怖かったという思い出しかありません。
新谷哲:やっぱり髙田俊弘社長は頭脳聡明ですね。頭も最初から良かったのだと思います。
髙田俊弘:いえ、そんな(笑)。
新谷哲:その後、高校は常総学園に入られますが、高校時代はどのようにお過ごしになられましたか?
髙田俊弘:中学の時はずっとテニスをやっていましたが、高校は推薦で入学したので勉強しないといけない状況になりました。そのため高校時代は、授業をたくさん受けていました。
新谷哲:では、結構勉強していたという感じですか?
髙田俊弘:はい、勉強をさせられる学校でしたので。その合間に、軽音楽部でバンドをしていました。
新谷哲:高校卒業後、昭和薬科大学に進学されていますが、薬剤師を目指して選ばれたのですか?
髙田俊弘:先程の高校のバンドの話になるのですが、「どこか大学に行ってバンド活動したい」と思っていました。受験をして受かった大学が何校かあったので、「将来的に潰しがきくように資格があったほうがいい」という理由で薬学部を選びました。
新谷哲:薬学部を目指していなく薬学部に受かったのですから、相当に頭が良かったのですね。
髙田俊弘:いえいえ(笑)。
新谷哲:では「薬剤師にはなるけど、本当はバンドのプロを目指してみたい」という感じですか?
髙田俊弘:そうです。
新谷哲:なるほど。では大学時代はほとんどバンド活動をしていたのですか?
髙田俊弘:そうです。
新谷哲:大学卒業後も、バンド活動をされていたようですが、何年ぐらいされていたのですか?
髙田俊弘:3年ほど真剣にやろうと思っていました。
新谷哲:どんなバンドをされていましたか?
髙田俊弘:ロックバンドです。
新谷哲:ロックバンドですか、なるほど。では最初の3年間は、取得した薬剤師の資格は使用しなかったのですね。
髙田俊弘:使用しませんでした。
新谷哲:大変面白い人生なのですが、プロのバンドを諦めた理由は何かあるのですか?
髙田俊弘:3年間という期限を決めていたからです。3年以上経つと、私は20代後半になってしまい、資格の勉強もできなくなってしまいます。資格の知識も欲しいので、期限を決めて精一杯やりました。
新谷哲:プロのバンドを諦めた後、ドラックストアのマツモトキヨシに入社をされますが、これは3年間ブランクを取り戻すためですか?
髙田俊弘:理由はすごく簡単で、実家から一番近かったからです。バンドを諦めてから実家に戻ったので、近いマツモトキヨシを選びました。
新谷哲:私がよく知っている髙田俊弘社長とは違う一面が見れて、大変面白いです。マツモトキヨシを退職後、医療法人の病院に転職していますが、転職の理由をお教えいただけますか?
髙田俊弘:マツモトキヨシはすごく楽しかったのですが、夏などは品出しがすごく大変でした。1日にTシャツ2回取り換えるくらいの状態だったので、「30歳を過ぎたら体力的に無理だな」と思いました。次の仕事を探していたら、ちょうど病院の薬剤師さんの空きがあったことと「薬剤師の知識を収集しないとまずい」という思いで、病院を選びました。
新谷哲:なるほど。病院は何年ぐらいお勤めになられたのですか?
髙田俊弘:7年ほどです。
新谷哲:結構長いですね。その後、独立して経営者となられますが、お辞めになるきっかけをお教えいただけますか?
髙田俊弘:病院では、事務長兼薬局長という役職でした。病院の仕事は毎日11時~12時過ぎに終わり、土日に自分のメインの仕事の服薬指導を行うものです。楽しかったのですが、「これ以上は体力的に無理」と思い、薬剤師としてできることを探して独立することにしました。
新谷哲:最初は、どのような事業を経営したのですか?
髙田俊弘:調剤薬局のM&Aをして独立しようと案件を探し、八戸で開業をしようと思いました。ただM&Aの話が土壇場で話がなくなってしまい、「どうしよう?」と悩むようなスタートとなりました。
新谷哲:八戸で調剤薬局を開こうとして、頓挫したのですね。では、最初はどちらで開業をされたのですか?
髙田俊弘:つくば市で調剤薬局をやる会社を興しました。しかし最初の1店舗目が頓挫してしまい、半年間無収入で仕事を探していました。
新谷哲:では会社を設立して経営者になったものの、失業状態という感じだったのですね。
髙田俊弘:はい、そうです。
新谷哲:では、最初に調剤薬局を開いた場所はどちらになったのですか?
髙田俊弘:茨城県桜川市にちょうどいい物件があり、そこで調剤薬局を開きました。
新谷哲:最初の事業は調剤薬局で、開業時に苦労をしたけどなんとか事業がスタートした、という感じですね。その後、調剤薬局をどんどん広げられていますが、今は何店舗ぐらいありますか?
髙田俊弘:今は8店舗ございます。
新谷哲:調剤薬局以外にも放課後等デイサービスなど、いろんな事業を経営されていますが、株式会社Originの事業内容をお教えいただけますか?
髙田俊弘:調剤薬局と高齢者住宅の事業、あと、放課後等デイサービスという、障害を持った方に対するサポートをする事業の経営をしています。
新谷哲:高齢者住宅や放課後等デイサービスは、それぞれ何店舗の経営をしているのですか?
髙田俊弘:高齢者住宅が1ヶ所、放課後等デイサービスは今年の4月で15店舗になります。
新谷哲:高齢者サービスと障害者サービスに進出しようと思われた理由はございますか?
髙田俊弘:高齢者サービスは病院の仕事に遡るのですが、病院で働いていた時に自分が精神科の病棟の服薬指導をやっていました。障害を持つ方のケアを色々とする中、「他に何かできることはないか」と考えていました。本当はそちらのビジネスがしたかったのですが、自分は薬剤師で薬局をやるしかなくて、薬剤師を始めます。しかし「薬局1店舗だけの経営だと経営者として色々な方から認められない。認められるには事業規模を大きくするしかない」という思いがあり、できる限りスピーディーに事業を拡大いたしました。
新谷哲:高齢者住宅や放課後等デイサービスは、薬剤師の系統からは離れているイメージがありますが、その分野に進出する怖さはございましたか?
髙田俊弘:ありました。ありましたが、自分の努力で何とかできると思い進出しました。
新谷哲:高齢者住宅も放課後等デイサービスもM&Aで買ってスタートしたのですか?
髙田俊弘:高齢者住宅は、土地と建物を買ってという形です。放課後等デイサービスはM&Aです。
新谷哲:髙田俊弘社長としては、株式会社Originをどのようにしたいかという将来像はおもちですか?
髙田俊弘:M&Aを続けて事業を拡大することも大事ですが、関わっているスタッフをもうちょっと幸せにしたいと考え、フランチャイズに進出しようと思っております。
新谷哲:お答えいただきありがとうございます。ここからは違う質問をいたします。事前に「好きなもの・好きなこと」をお聞きしたところ、いっぱい書いていただきました。その中で私は「お仕事好き」と、何度も書かれている「夢」に注目しました。こちらを選ばれた理由はなんでしょうか?
髙田俊弘:私はプロのバンドマンを目指して挫折をした経験から「何か形に残るものを作りたい」という思いを持っています。ビジネスは自分の努力が収入に変わっていくものですので「自分がやってきた成果が見れる」という満足感があるので選びました。
新谷哲:他にも「好きな仲間達と夢を語ることが好きなこと」とお答えいただいていますね。次の質問をいたします。事前に座右の銘をお聞きし「今それをやらないことに何か意味があるのですか?今日をやり直せるとしたら何をやり直しますか?」というちょっと深い言葉をお答えいただきました。こちらを選ばれた理由は何かございますか?
髙田俊弘:ビジネスは、自分のやったこと結果が全て結果として反映されます。1日、1週間、1ヶ月サボると、2ヶ月~3ヶ月後に収入という形で反映されます。自分の努力の結果は数ヶ月先でしか拾えないので、先が見えない不安感を強く覚えます。ただ、「今動けば、2ヶ月後はこうなる」と読むことはできます。動かない身体を必死に動かそうと思い「今それをやらないことに何か意味があるのですか?今日をやり直せるとしたら何をやり直しますか?」を座右の銘に選びました。
新谷哲:素晴らしい座右の銘ですね。次が最後の質問になります。全国の経営者、これから起業する方に向けて、経営者として成功する秘訣をお教え下さい。
髙田俊弘:もう「行動することあるのみ」です。
新谷哲:髙田俊弘社長らしいお言葉でした。深いお言葉をありがとうございます。
髙田俊弘:ありがとうございました。
編集後記
株式会社Originの髙田俊弘社長でした。私も大変仲良くさせていただいています。言葉少なで大変物静かですが、明るい方です。あんまり喋られませんでしたが、結構波乱万丈な人生を歩んでおられます。経営者として成功する秘訣である「行動あるのみ」を実行し、事業を広げている大変優秀な経営者です。私自身も「行動あるのみ」を実践してきたいと思います。
髙田俊弘氏(株式会社Origin 代表取締役)
大学を卒業後、プロのバンドマンを目指して3年間活動。その後、大学時代にとった薬剤師の資格を活かすためにドラックストアや病院を経験し、独立。薬局を開業する予定が、トラブルがあり開業できずに半年間無収入になる。しかし諦めずに経営を続け、薬局を8店舗、高齢者住宅を1店舗、放課後等デイサービスを15店舗経営する企業に成長する。
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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、髙田俊弘氏(株式会社Origin 代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。
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