Q:社長の夢と社員の夢を一致させるには何が必要?

本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。

本日は、『社長の孤独力』10章4項「社長の夢と社員の夢を一致させたい」を解説いたします。

ソフトバンクの孫正義氏は、創業当時アルバイト2人を雇い、ミカン箱の上で「豆腐屋のように1兆(丁)、2兆(丁)と売上を数えるビジネスをやる会社を作る」と言ったそうです。すると「あの社長は頭がおかしい」とアルバイトは逃げ出してしまったそうです。その後、孫正義氏は米国へ渡ったあと日本に戻ってきて本当に1兆、2兆と売上を数える会社を作り上げました。

私は、社長の夢と社員の夢が一致するのは難しく、ほとんどありえないと思っています。それでも社長の夢と社員の夢を一致させたい場合、会社ビジョンの方向性を一致させることに焦点を当てることで、可能性が高まります。そのためには経営理念をきちんと作成することが重要です。

弊社では、「WizBizスピリッツ」という7章28項目に亘る経営理念があります。その中にWizBizや私の目標である「1,000年継続させる会社にする」や「経営者向け総合スーパーを創る」などの方向性を入れています。また、社長の私を退任させる権利を社員に与えていて、全員が「経営者であり創業者である」と記し自覚を持たせています。それを昼礼(朝礼)の時に、社員が1項を読みコメントをします。それに対して私がコメントを返すということを毎日やっています。毎回読んでいると、「WizBizはこういう会社になっていくのだ」と自分たちなりに頭の中で描き、目標に向かって動き始めます。その結果、社長である私と社員の方向性が一致してくるのです。それでも、社長の夢と社員の夢にズレがあるということがあります。弊社では、副業として自分の会社を経営していたり、小説家を目指していたりする社員がいます。もしかしたらうちが副業かもしれませんが(笑)1人ひとりの夢は違います。個人の夢を応援しながらもビジョンの方向性を一致させることが大切です。

このように、経営理念がない会社はぜひ作っていただくと良いと思います。必要があれば見直をし、浸透させていく仕組みを作ることで、ベクトルの向きを一致させていかれてはいかがでしょうか?

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

※新谷哲に経営相談をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。初回のみ無料で承ります。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編!「社長の夢と社員の夢を一致させたい」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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