本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。
相談内容:「税理士のミスにより損害を受けた際、どのように対応すればよいですか?」
- ご相談者:E様
新谷さんはじめまして。長年付き合いのあった顧問税理士が引退をされたので、知人に紹介して頂いた税理士を顧問に付けました。しかし、その税理士が税節対策の説明もなしに申告を行ったことにより、数百万円の損害が出てしまいました。この件が発覚した後、責任の所在を問うと「おっしゃるようにも出来たが、申請の仕方に問題はない」と非を認めません。ご紹介頂いた方の顔もあるので大事にはしたくないのですが、非を認めず開き直る態度が許せません。税理士のミスにより損害を受けた際、どのように対応すればよいかアドバイスを頂けますと幸いです。よろしくお願いいたします。
ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)
これは難しい問題ですね。以前、お客様の相続税対策が適切に行われていなかったことに気づき、私が代わりに税理士へ説明したところ「そうですね」で終わらされてしまったことがありました。実際には「相続税対策をやってくれと言わなかった社長が悪い」という認識が普通の税理士の感覚です。経営上の責任については経営者が負うべきものであって、税理士のミスとはいえませんので、E様の顧問税理士のように士業の方々は率先してお詫びをすることはほぼありません。そのため最終的には、諦めてしまうという方も多いでしょう。
しかし、責任の範囲は契約の内容によりまちまちです。このご相談だけでは、損害が発生した内容や顧問弁護士とどのような契約書を結んでいるかなどの詳細が分かりかねますので細かいアドバイスはできませんが、状況によってはE様に有利に働くこともあります。まずは、話し合いで解決することが出来ればよいのですが、スムーズにいかない場合は各地方に設けられている税理士会が調停機関の役割も有しているので問合せをしてみるとよいでしょう。ちなみに、私が別件で相談した時は「他の税理士でも同じことになる」と一掃されてしまったことがあります…。税理士会に相談をした上で、線引きが難しいようであれば、裁判を起こすという手もあります。基本的に、税理士には説明助言義務があるので、全てではありませんが内容によっては節税提案義務を怠ったということが認められた判決も多くあります。税理士は損害に備え、賠償責任保険に加入していることが多いので、どうしても許せないようでしたらとことん戦ってみるのもありでしょう。
とは言え、私の個人的な意見としては、損害金額の程度にもよりますが、スパッと諦め今後同様のことが起こらないよう、税金の勉強をして行くことが重要だと感じます。経営上の責任は社長自身にあるということを自覚し、全てを税理士の責任にするのではなく「むしろ税理士をコントロールしていくのだ!」という姿勢で取り組んで頂ければと存じます。弊社では、節税セミナーなども数多く開催しておりますので、ご興味があればご参加ください。
ご希望がございましたら無料でオンライン経営相談も行っていますので、ぜひお声がけください。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「税理士のミスにより損害を受けた際の対応について」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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