本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。
相談内容:「社員が自分で考えて行動するための、人材教育方法をお教え下さい」
- ご相談者:M様
- 業種:美容品総合商社
弊社は理容・美容・エステティック・ネイル商品の総合商社です。
商域は国内全域で器具、材料、化粧品の卸販売を行っております。取引先の減少などにより、直近3期連続で業績が右肩下がりで、将来の経営に不安があります。よって事業構造の見直しや新たな事業の模索をし始めたところです。
2016年には美容に関する教育関連事業にも乗り出しましたが、軌道に乗るまではまだまだ数年は掛かります。会社を立て直すには、業績の回復と同時に社員が主体的に動き、柔軟な発想と行動で新しいことへのチャレンジをしてほしいのです。
しかし何とも会社全体の雰囲気が暗く、言われることしかやらない社員ばかりで、社員の目が輝いていないのです。経営理念や方針を理解し、自ら考え主体的に動く集団にしなければならないと考えていますが、どのような人材教育をすればそれができるでしょうか?ぜひその方法をお教え下さい。
また、経営理念や方針を社員に浸透させる方法も、ご教授いただければと思います。よろしくお願いいたします。
ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)
これは大変失礼ながらですが、社長であるM様の責任でしょう。
どのような経営理念を掲げ、人材育成を行っても、社長自身が変わらないと、社員は変わりません。
弊社はFacebookを活用して、いろんな仕掛けをしています。オンライン経営者交流会という、1万人以上のFacebookグループの運営もしています。しかし、私はFacebookをやろうという時に悩みました。正直、私個人としてはFacebook好きじゃない。
でも、Facebookで「毎日投稿する」「友達5000人作る」というのを決め、先頭に立ってやり、自分でノウハウをまとめました。全社員やれと言ったのは、その後です。私が動かなかったら社員達は動かず、1万人のFacebookグループも出来ませんでした。
ですので、経営理念や人材育成を考えるよりもまず、社長であるM様が明るく元気にチャレンジすることが先です。社長自らが動くことが最初の一歩です。社長が動けば、社員もだんだんと動きます。
もちろん経営理念の浸透は重要です。チャレンジする社員になってほしいなら、経営理念の中にチャレンジを入れるべきです。WizBizでは経営理念浸透のため、毎日朝礼で、社員に経営理念を読ませ、経営理念に沿った体験を語らせ、上司が「その考えは間違っている。この経営理念は意味はこうだ」と、コメントすることを続けています。経営理念にチャレンジが入っていれば、経営理念を浸透させれば自然とチャレンジする社員になります。
ですので、御社の経営理念にチャレンジを入れるべきです。経営理念にチャレンジが入っていないのに「チャレンジを社員に求める」とは、違う意味で問題だと思います。
M様の会社は、問題が多くありそうですが、まずは社長というのは自己責任で動くべきです。私は昔、「槍が降ろうが、戦争が起ころうが、会社が潰れたらそれは社長の責任」と教えられています。まずM様が変わられることを望みます。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング「社員が主体的に動くようになる人材教育方法とは?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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