本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、澳本伊吹氏(株式会社NATUREFITNESS 代表取締役社長)です。(2025年1月29日 2025年2月5日 配信)
今回は、株式会社NATURE FITNESSの澳本伊吹氏にお越し頂きました。専門学校時代に筋トレに目覚め、筋トレYouTuberとして活動。卒業後は理学療法士との二足のわらじで活動する中で「病気になった人の治療ではなく、病気にならない人を増そう」と考え、フィットネス事業を開始したエピソードから、経営のヒントが得られます。ぜひ、インタビューをお聞きください。
新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社NATUREFITNESSの澳本伊吹社長です。まずは経歴をご紹介します。小学校2年生から中学校卒業まで不登校の時期を過ごされますが、一方で極真空手の全日本大会代表として活躍。その後、理学療法士を志し資格を取得。理学療法士として活動するかたわらYouTuberとしても発信を続け、さらに「POCKET FITNESS」と呼ばれる新しいスタイルのジム・NATUREFITNESSを設立。現在は全国に10店舗以上を展開するフランチャイズ本部の代表を務めています。本日はよろしくお願いいたします。
澳本伊吹:よろしくお願いします。
新谷哲:最初のご質問です。ご出身はどちらですか?
澳本伊吹:高知県の四万十市です。人口は3万人ほどの町で、そこが地元です。
新谷哲:小学校時代は不登校と伺っていますが、理由があれば教えていただけますか?
澳本伊吹:小学校2年生のとき、集団行動が合わないと自分で感じたのがきっかけです。夏休みが終わっても宿題をまったくやっていなかったので、学校に行ったら怒られると思い、2学期の始業式から学校に行かなくなりました。そのままズルズルと不登校が続き、中学3年生まで学校には通っていませんでしたね。
新谷哲:小学校の間は、家で過ごすことが多かったのですか?
澳本伊吹:そうですね。ただ当時から漁師になりたいという夢がありまして、「将来は漁師になるんだから」と毎日朝から晩まで釣りをしていました。それに加えて、当時から続けていた空手の練習が夕方にあったので、昼間は釣り、夕方は空手、という生活をずっと送っていましたね。
新谷哲:ご両親は心配されなかったのでしょうか?
澳本伊吹:最初の頃は、親に髪の毛を掴まれて引きずられるようにして学校に連れて行かれたこともありました。でも僕が断固として行かなかったので、やがて「もういい」と言われて。その代わり、「空手だけは続けなさい」と言われて、途中からは何も言われなくなりました。空手さえやっていれば大丈夫、というスタンスで許してもらっていましたね。
新谷哲:中学時代も釣りと空手ばかりだったのですか?
澳本伊吹:中学時代もほとんど釣りと空手でした。ただ、引きこもっていたわけではなくて、夕方には学校に行って友達と遊んでいました。授業は一切受けていませんでしたけど(笑)。
新谷哲:なるほど。でも高校には進学されたわけですね?
澳本伊吹:はい。中学の間ほとんど学校に行っていなかったので、当然受験には落ちました。ただ、先生に「山奥の生徒数不足の高校なら受かるかもしれない」と勧められて、再募集を受けます。当時20人ほど受験者がいて、合格したのは2人。そのうちの1人が僕でした。合格の理由は、空手の実績と、受験者の中で唯一コミュニケーションが取れたから、ということでしたね(笑)。
新谷哲:高校時代はちゃんと通学されたのですか?
澳本伊吹:人数が本当に少なかったので、高校1年のときは先生が毎朝車で迎えに来てくれていました。それでも授業中はほとんど寝ていて、評定は2や0に近い状態でした。単位を落としながらも、なんとか高校2年には進級できた感じです。
新谷哲:その後は、高知のリハビリテーション専門学校に進学されますが、選ばれたきっかけはございますか?
澳本伊吹:これは明確なきっかけがありました。高校1年までは勉強もまったくせず、学校も先生に連れて行ってもらうだけという生活でしたが、高校2年に上がったときに「将来の夢を探す」という総合の授業がありました。その授業で、ふと「自分は将来漁師になるのかな?」と考えたんですね。釣りが大好きだったんですが、「これを仕事にしたら、釣りが嫌いになってしまうかもしれない。そしたら人生の楽しみがなくなってしまうな」と思いました。そこで、「空手をやってるし、体やスポーツに関わる仕事に就こう」とパソコンで調べたところ、出てきた職業が理学療法士でした。その瞬間に「今から勉強を頑張れば、病院で働けるかもしれない」と思って、本格的に勉強を始めます。そこから成績も一気に上がり、最終的には推薦で高知リハビリテーション学院に入学しました。実は学院長に直談判して、面接だけで入学を許可してもらったんです。
新谷哲:専門学校はどのようにお過ごしでしたか?
澳本伊吹:高知市内に通っていましたが、海がなく釣りもできず、何か新しい趣味を始めたいと思いました。空手も辞めていたので体を動かそうと思い、筋トレをスタートします。まずはYouTubeで情報収集をしたのですが、当時の日本にはYouTuberがほとんどおらず「今から自分の筋トレの様子を投稿すればフォロワーが増える」と思い、1年かけて筋トレの動画を撮りため、専門学校2年生の時にYouTubeに投稿しました。それが見事にバズり、登録者が1万人以上増えたんです。そこからは、専門学校に通いながらフィットネスYouTuberとして活動を開始。今では有名なイギリスのサプリメントメーカー「マイプロテイン」とスポンサー契約を結んだり、自分でアパレルブランドを販売したりと、学生ながら個人事業主としてビジネスをスタートさせたのが専門学校時代の大きな経験ですね。
新谷哲:そこまでいくと、YouTuberとしてかなり稼がれたのではないですか?
澳本伊吹:かなり稼ぎました(笑)。今の役員報酬くらいは稼いでいました。当時はアフィリエイトがまだ珍しく、僕はマイプロテインやiHerbというサプリメントショップのアフィリエイトをしていました。YouTube経由で僕の紹介だけで月500万円〜600万円ほど売り上げ、そこから10%ほどを手数料としていただいていました。毎月それくらいの収益が入ってくる日々でしたね。
新谷哲:その後はフランチャイズ本部の社長になられましたが、YouTuberとして生きていこうとは考えなかったのですか?
澳本伊吹:早い段階で見切りをつけました。専門学校を卒業する頃には、すでに多くのプレイヤーが参入してきていましたし、アフィリエイトは「他社のふんどしで相撲を取るようなもの」なんですよね。メーカーがアフィリエイトをやめてしまえば、一気に売り上げが落ちるリスクがあると感じていました。なので早いうちから「YouTubeやスポンサー収益だけでは安定しない」と考え、自分でブランドを立ち上げてアパレルを販売するなど、収益のポートフォリオを組み始めたんです。
新谷哲:ということは、アパレルブランドも立ち上げられたのですか?
澳本伊吹:はい。「NATUREFITNESS」というオリジナルブランドを立ち上げ、中国で生産したアパレルを輸入し、自分のECサイトで販売していました。すべて1人でやっていました。
新谷哲:それは、専門学校卒業後に始めたのですか?
澳本伊吹:いえ、在学中からスタートして、卒業後も続けていました。
新谷哲:卒業後は脳外科の病院で理学療法士になられたそうですが、アパレルやYouTuberの道に進まず病院に就職されたのには、何か理由があったのでしょうか?
澳本伊吹:当時はすでに夢が変わっていて「理学療法士として最強になる」ことが目標でした。YouTuberの収益やアパレルはあくまでサブで、本業は理学療法士という意識です。就職する時点では完全に「理学療法士としてプロになる」という視点で、脳外科の病院を選びましたね。
新谷哲:理学療法士として働いていた時の思い出はありますか?
澳本伊吹:ありますが、実は10ヶ月で退職しました。入社して2~3ヶ月ほどで「自分には病院という組織が合わない」と感じていました。さらに、脳外科という職場柄、重度の麻痺や長期の意識障害を抱える患者さんが多く、治療しても病気になる前の状態には戻れない、という現実を目の当たりにします。そんな中で、自分の給料から社会保険料が引かれ、そのお金が「治せない患者さんのための医療費」に充てられているという現実を知り、強い違和感を覚えました。そのとき「自分はフィットネスをやっているし、病気になった人を治すよりも、病気にならない人を増やすほうが社会貢献になるのではないか」と思い至り、理学療法士を辞めて起業する決意をしました。
新谷哲:創業に対して怖さや不安はありましたか?
澳本伊吹:一切なかったですね。
新谷哲:ご両親は、YouTuberや理学療法士を経てアパレルメーカーを立ち上げたり、さらにフィットネスクラブを運営したりすることについて、何かおっしゃらなかったのですか?
澳本伊吹:僕が理学療法士を辞めるとき、一応親には伝えますが「ああ、やっぱりね」という反応でした(笑)。もともと続けないだろうと思われていたようです。その頃から親からも一目置かれていたというか、「どうせ自分でやるんでしょ」という感じだったので、違和感なく起業に至ったという流れですね。
新谷哲:ある意味では、澳本社長が小さい頃からご両親を“教育”してきたような感じでしょうか?
澳本伊吹:いやいや、むしろ親の方が2枚も3枚も上手で、僕をスクスクと育ててくれたんだと思います(笑)。

新谷哲:それでは「NATURE FITNESS」と「POCKET FITNESS」の事業内容をお教えいただけますか?
澳本伊吹:株式会社NATURE FITNESSは、現在創業7期目を迎えています。事業は大きく2つありまして、1つ目はフランチャイズ本部としての事業です。メインブランドである「POCKET FITNESS」は、現在国内で10店舗を展開しており、フランチャイズ本部として運営しています。もう1つは、フィットネスジムで使用するトレーニング機器を中国から輸入し、パッケージとしてフランチャイズ加盟店にセット販売している事業です。主にこの2つが当社の主力事業となっています。
新谷哲:将来的には、NATURE FITNESSさんをどのくらいの規模まで成長させたいという目標がありますか?
澳本伊吹:現在7期目ですが、これから30年かけて時価総額2兆円の企業を目指しています。
新谷哲:ここからは全く違う質問をいたします。事前に好きなもの、好きなことをお聞きして「焼肉や寿司、貝など漁師町の食べ物。釣りではシーバス、ヒラメ、青物、ブラックバス、最近はゴルフ」とお答えいただきましたが、やはり小学生の頃から釣りをやっていたことが影響しているのでしょうか?
澳本伊吹:大好きですね。釣りを始めたのはブラックバスからです。当時、地元の中筋川で60.5センチの、かなり大きなブラックバスを釣ったのがきっかけです。海釣りも春夏秋冬、それぞれのシーズンで釣り方を変えて楽しんでいました。メインはシーバス釣りで、地元では“ヒラスズキ”と呼ばれる魚を狙うのが大好きです。
新谷哲:最近も釣りをされていますか?
澳本伊吹:高知を離れて東京に出てきているので、もう1年以上釣りはできていません。その代わりに新しい趣味としてゴルフにハマりました。フランチャイズ加盟店の方々と一緒に回る機会があり、そこからどんどんのめり込みます。今は毎晩室内ゴルフの練習場に通っていて、つい先日もラウンドに行ってきたところです。
新谷哲:なるほど、体を動かすのがお好きなタイプのんですね。座右の銘お聞きして「Nonconformist」と「根性」という2つを挙げていただきました。それぞれ、どのような意味で選ばれたのかお教えください。
澳本伊吹:まず「Nonconformist」というのは、直訳すると“体制に従わない人”という意味です。強い言い方をすれば“非国民”のような印象にもなりますが(笑)、僕は「多数派の意見が本当に正しいのか?」という視点を常に持っていて、少数派の立場に回ることも多いです。その結果、多対一の意見対立になることもありますが、そこで自分の意見を貫き通せる人間でありたいという思いから、この言葉を大切にしています。「根性」は、親からよく言われてきた言葉ですし、事業をやっていても痛感するのは“最後は根性”ということですね。会社を経営していると毎月のように困難が降りかかりますが、そのたびに「やるのか、やらないのか」という二択を迫られる。そのときに「やる」と選べるのは根性があるから。だから、この言葉はとても好きです。
新谷哲:次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。
澳本伊吹:「反省すること」だと思っています。自分は子どもの頃から1人で好きなことばかりやってきたので、社会に出てから当たり前のことが当たり前でない、という壁に何度もぶつかりました。それが会社の数字や組織に悪影響を与えたこともあります。その原因は自分の能力不足。だからこそ、自分を客観視し、しっかり反省して学ぶ。その繰り返しで成長できると信じています。まだまだ成功しているとは思っていませんが、成功の秘訣を1つ挙げるとすれば、やはり「反省して学ぶこと」ですね。
新谷哲:私も反省して学び続けたいと思います!澳本伊吹社長、本日は貴重なお話をありがとうございました。
澳本伊吹:ありがとうございました。
編集後記
今回は、株式会社NATUREFITNESSの澳本伊吹社長でした。YouTuberや理学療法士、アパレル事業、そしてフィットネス事業など多岐にわたる経験を経て、現在はフランチャイズ事業で全国に挑戦する30歳の若き経営者です。座右の銘「Nonconformist」「根性」、そして「反省して学ぶ」という言葉には、経営者としての覚悟と信念が込められていました。リスナーの皆さんも、澳本社長のように自由な発想を持ち、困難に立ち向かう根性を持って経営や挑戦に臨んでいただければと思います!
澳本伊吹氏
株式会社NATUREFITNESS 代表取締役社長
小学校2年生から不登校児。中学3年生までは学校には行っていないが当時習っていた極真空手だけは真面目に取り組み、全日本jr代表として活躍。高校生になり、将来の仕事について本気で考え理学療法士を目指す。その後、高知リハビリテーション専門学校へ入学し卒業。専門学校時代には筋トレに目覚め、筋トレYoutuberとして活動。有名サプリメントメーカー(Myprotein)や(HALEO)などがスポンサーにつく。専門学校を卒業後、脳外科の病院にて理学療法士と、Youtuberの二足の草鞋で活動。その際に、重篤な患者をリハビリする中で「病気になった人を治療するのではなく、病気にならない人々を増やそう」と考え、退職し、地元の高知県四万十市で24時間フィットネスジムを開業。この時、自己資金ではジム開業ができないことから、フィットネスマシンの生産工場へ直接貿易などを実施し、その経験から株式会社NATUREFITNESSを設立。ジム運営とマシンの貿易業を開始。その後、既存のフィットネスジムの運営スタイルに限界を感じ、OMO型の24時間フィットネスジム(POCKET FITNESS)ブランドを開始。現在、国内10店舗FC店舗を出店しており、JR西日本グループなどとの業務提携も行なっている。
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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、澳本伊吹氏(株式会社NATUREFITNESS 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。
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