成功経営者インタビュー

経営者インタビュー 久野和禎氏(コノウェイ株式会社 代表取締役社長)

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、久野和禎氏(コノウェイ株式会社 代表取締役社長)です。

今回はコノウェイ株式会社の代表取締役社長、プロコーチの久野和禎氏にお越しいただきました。東京大学をご卒業後、2社の起業、そして大企業での役員も経ながら、現在は認知科学を用いたコーチングを軸とした会社経営をされています。脳と心を上手に使い、自分の限界を越えて先に進んでいく方法とは? 久野和禎氏の経営者インタビューをお聞きいただければ、何かヒントを得られるのではないでしょうか!

新谷哲:今回の経営者インタビューは、久野和禎氏です。まずは経歴をご紹介します。久野和禎氏は東京大学経済学部をご卒業後、2社の起業をなされていらっしゃいます。その後、そちらを辞められて大企業にお勤めになり、その後もう一度起業し、今ご活躍をされています。そして、本もご出版されています。本日は久野和禎氏です。よろしくお願いいたします。久野和禎:よろしくお願いいたします。

新谷哲:まずは最初のご質問なのですが、東大出身、すごいですね!何か東大に入られた理由はあるのですか?

久野和禎:子どもの頃から父親の転勤の関係で、1歳~6歳までアメリカにいまして。日本に帰ってきて、また、中学高校とイギリスに行ったのです。高校はイギリスの日本の学校に行きました。学校を探すにあたって、あまり学校の数を知らなかったもので、知っているところを受けました。

新谷哲:私と頭の構造が違うのか、すごい話です。知っているのが東大だけだったので、東大にそのまま受かってしまうというのがすごい。勉強は難しいと感じられなかったのですか?

久野和禎:浪人をしたので、一生懸命勉強はしました。英語は少し得意だったので、その英語を活かしました。とはいえ、あんまり良い浪人生ではなかったので、運が良かったのかなと思っています。

新谷哲:謙虚でいらっしゃいますね。WizBizでも必読書にしている「人を動かす」という本がございまして、その頃カーネギーの「人を動かす」に出会われたということを著書に書かれていますが、感銘を受けられたのですか?

久野和禎:高校1年生の時に父親の本棚に置いてあったのです。何となく惹かれて手に取ってみたら、ものすごく面白くて徹夜してひと晩で読んでしまいました。高校1年生の時にイギリスの学校にいて、寮生活だったのですが、夏休みに帰ってきて家にいるとあまりすることがなく、それを2回3回と読んでいるうちにこれは人と仲良くなるためにはとっても良い本だと思ったのです。ただその本を学校に持って行って、机の中に置いておいたら、2学期に友達から「お前は人を操るのか」なんて言われたりして「いやいや、そういうことじゃないんだけど」みたいな感じで、やはりその年頃としてはだいぶ早かったのかなという気はします。

新谷哲:私が出会ったのは社会人になってからなので、それも会社で勧められてということだったので、やっぱりちょっと早いのかなと思います。

久野和禎:たまたまですね。

新谷哲:その後、大学を卒業後、2社ほど起業されています。東大を出られたのですから官僚になろうとは思わなかったのですか?

久野和禎:父親からは「官僚になると有利だぞ」と言われていました。なぜかというと父親は電機メーカーだったので、どうしても当時の通産省にいろいろ言われて、「やっぱり官僚になったほうがいいかな」なんて話はしてくれたのですが、実は大学時代はずっとロックバンドをやっていまして、ロックミュージシャンになりたいというのが夢だったのです。結局、卒業するまでロックバンドを辞めずに就職活動もしなかったので、そのまま卒業してロックバンドを続けたという感じです。

新谷哲:では、ロックバンドが理由で起業されているみたいな感じなのですね?

久野和禎:自分はボーカリストで歌を教えていたのですけども、大学生の時から「教えない?」と言われて教えていたので、そのまま卒業をした後も何か仕事しないといけないなということで、じゃあということで生徒さんと一緒に独立する流れになり。結果的にそれをスクールとして、最初の起業というか、授業としてやる形になったのです。なので、ある意味、流れで起業した、というところはあります。

新谷哲:今の久野和禎氏のお姿からは、ロックボーカリストというのは想像がつかないのですけれども、今でも歌ったりするのですか?

久野和禎:歌いますが、遊び程度です。当時は長髪だったりもしました。

新谷哲:長髪ですか!? 大変びっくりなお話です。その後、2社をお閉めになられて、会社勤めをされています。辞めて普通の企業に勤めようと思った理由は何かあったのですか?

久野和禎:20代で大学出てから我流で全部やりました。本を読んだり、セミナーで勉強をしたり、たくさんのことをしたのですが、やっぱり社会の仕組みというか、企業社会というのを勉強しないといけないなと思ったのです。しかも帰国子女で日本の感覚からずれているところがあるので、これはどこかに入らせていただいて、学び直さないといけないということで、30歳の時に就職しました。

新谷哲:経営者をやってから勤められるという、普通の方はあんまり経験しないことだと思いますが、経営者とサラリーマンとの違いは何かお感じになりましたか?

久野和禎:会社勤め、サラリーマンは、毎月安定したお給料をいただけるという安心感はありましたね。ただ、頑張った分が頑張った分以上にならない。上限があるというところに関しては、フラストレーションは当然感じます。ただやはり自分が経営をしていて、相当地べたを這いつくばってやったこともたくさんあるので、その内容をもって会社勤めをすると非常に問題なくスムーズに結果が出るので、逆にいうと結果が出ることが面白くて、これもなかなか面白いなという体験ではありました。

新谷哲:苫米地英人氏と出会われたのは、その会社勤めの時ですか?
(苫米地英人は、日本の認知科学者。認知科学を取り入れた独自のコーチングを展開。著書に「隠れた能力をどこまでも引き出す 苫米地式コーチング」などがある)

久野和禎:そうですね。苫米地先生と出会ったのは、今から10年ぐらい前ですかね。

新谷哲:運命的な出会いということだったのですか?

久野和禎:コーチングの授業をやっておりますが、15年ぐらい前、つまり自分が会社をやっている頃からすでに出会ってはいたのです。しかし本格的にやっていくということが何かピンとこなかった。10年前にもう一度、苫米地先生と出会った時には、これは何かすごいなと思って、それで是非もう少し深めていこうと感じたというのがあります。

新谷哲:その後独立されて、今ご活躍中でいらっしゃるのですね。ちょっと別の質問なのですが、コーチングを……ちょっと失礼な言い方かもしれませんが、ご商売にされているということで、「コーチングとは何?」と聞かれると、どのようにお答えになりますか?

久野和禎:私達が考えているのは、脳と心の上手な使い方を習得して、パフォーマンスであったり人間関係であったり、幸せを高めていくというものですね。

新谷哲:何か大変深いところのお話なので、ちょっと私にはわかりにくい部分もあるのですが、脳と幸せというのはどういうイメージでしょうか?

久野和禎:心ってどこにあるかというと、大体胸を押さえるのですけども、よく考えるとそこには心臓とか肺しかない訳で何もないです。でもなぜか心が胸にある感じがするのですが。よく考えると、心というのは脳からきているということがわかってくる訳です。それもはっきりとわかってきて、科学的にやっぱり脳で考えていることが心を作っているのだよねと。そうすると心を理解するためには脳を理解するということで、脳がどのように機能しているかということをきちんと解明していくことができると、幸せに繋がるということです。

新谷哲:私も是非勉強したいなと思いましたが、このコーチングをご商売にしようと思われた理由は何かあるのですか?

久野和禎:子どもの頃から人にものを教えるのが得意で、好きだったのです。20代に起業した最初の会社というのはボーカルスクールで、実際に10年間教えました。それは歌を教えるのですが、歌を通して人間の生活そのものに関わっていくところもあり、かなり情が深く入り込んで教えたりする場面もありました。あとは自分のビジネスという意味でいうと、MBAも取らせていただいたりして、経営のところを王道でやってきているので、根本から会社とか組織に働きかけるとすると、企業の上層部と会話をするということが非常に効果があるなと思ったのです。

それもさかのぼると家族が体調を崩して、治すために脳の勉強をし始めたという経緯があったりして、それで脳について理解していくと、その体調不良は緩和していく。それだったらこれ普通に元気な人にやったらどうなるかなと思って、元気な部下達にコーチングをしました。そうしたら非常に私の部署だけ成績が上がるのです。これは普通の人がやったらすごい効果があると理解して、やっているうちに、会社の幹部とかやっている時もクライアントさんに依頼をされる。やっているうちにこれは本当に本業にしたほうがいいと思うタイミングがありまして、踏み切りました。

新谷哲:今お聞きしますと、久野さんに私も教えてもらったほうがいいのではないかと思います。

久野和禎:ありがとうございます。

新谷哲:違う質問もさせていただきます。お好きなことをお聞きしましたら、「ひらめき、お手伝い」というお答えをいただきましたが、珍しいお答えですね。

久野和禎:そうですよね。

新谷哲:なぜお手伝い好きなのですか?

久野和禎:もちろん趣味みたいなことはあるのですが、人助けがもともと根っから好きでして、それが自然に自分にとっては毎日の生活なのです。なので、結局は人のお手伝いをして喜んでくれると自分が嬉しいので、自分に馴染んでしまっている。もうそれ以上言いようがないのですが、でも喜びを感じるタイプだと思います。

新谷哲:なるほど。では久野和禎氏に何でもご相談すればいいのですね。(笑)

久野和禎:是非相談いただけると…。性格的にそうみたいです。

新谷哲:さらに東大ご出身でひらめき好きって、東大出身だと論理好きなのかなとふと思いました。

久野和禎:なるほど。

新谷哲:ひらめき好きというのは、どこからきていらっしゃるのですか?

久野和禎:自分がひらめくのも大好きだし、あと周りの方が何かひらめいて、「あっ、分かった」という時の顔を見たり、一緒に場を共有するのが楽しいです。コーチングというのはマンツーマンで座って話をしているのですけど、そういう時にアハ体験ではないですが、「あっ」というのがあったりすると非常に驚く、喜びを感じる。それを共有できるというのも非常に醍醐味の1つですね。

新谷哲:では、今のコーチングのお仕事にもひらめきが繋がっていらっしゃるということですね。

久野和禎:そうなのです。

新谷哲:大変面白いですね。さらに久野和禎氏の座右の銘は、「自分以外の人の目線で考える」だそうですが、これは子どもの頃からそのようなお考えだったのですか?

久野和禎:そういうところがありました。私、1歳~6歳までアメリカにいまして、当時1970年代。当然、日本人なんて誰もいなくて、結構それなりに苦労をしました。それは何かというと、「何だお前は?何人だ?」みたいな感じでいじめられたりもしました。でも向こう側にも理由があるのだろうというのも考えることによって、それを乗り越えてきたというのがあります。6歳以降、日本に帰って来てからも、ちょっと頭の中がアメリカ人っぽいから何でもかんでも言ってしまったりするので、結構苦労をしました。友達だけではなくて先生からも、「ちょっと困った子」みたいな感じの扱いを受けて、どうしてかなと思ったりして、なるべく相手の立場で考えるというのが習慣化したというのはあると思います。

新谷哲:先ほどお話に出ました、カーネギーの「人を動かす」も影響されて、こんな座右の銘になっていらっしゃるのかなと勝手に思いました。

久野和禎:そうですね。15歳で読んだのですが、それ以降はカーネギー著書は、非常に大切な必読書。そんな中で常に相手の立場でものを考えるとか、勝ちすぎないとか、そういうことを教えてくれたので、非常に私としては読んで救われたところがあったのです。

新谷哲:次の質問ですが、久野和禎氏の本に書かれていたのですが、政治家を目指されたこともあったのですね。

久野和禎:そうですね。

新谷哲:それはいつぐらいに目指されたのですか?

久野和禎:完全にやめた訳ではないのですが、子どもの頃からずっと、物心ついた時から政治家が向いているかなと思って生きてきました。

新谷哲:それはどういうところが政治家に向いているなと思われたのですか?

久野和禎:自分の解釈なのですけども、広く人の役に立ちたい、人助けが好きとか、そういったことを総合すると自然とテレビに出てくるじゃないですか。それを見て思いました。

新谷哲:では小池さんの次は久野さんが都知事ですかね?(笑)

久野和禎:いや、皆さんが推していただければ。(笑)

新谷哲:楽しみにしております。最後の質問ですが、経営者向け、社長様向けのインタビューなものですから、全国の経営者様、社長様、もしくはこれから起業する方に起業の成功の秘訣をお教えいただけると嬉しいです。

久野和禎:起業をする時にはもちろん準備はしっかり必要なのですが、私はコーチングとか脳とかの関わりで見てきた時に、自分のやることに100%の確信が持てた段階でスタートすると確実に成功するなと思っています。100%というと、ちょっと実は行きすぎで98%ぐらいですね。その残りは2%は何かというと、天変地異が起きたり、リーマンショックみたいなことが起きたりするということの時はしょうがないけれど、そうじゃない限り自分の力でやれる限りは全部上手くいかせられるというところまで持っていくと、その中身に対して非常にパワーがついて結果が出ると思っています。私の本の中で書かせていただいているのですが、自分を信じる力という、高め方というのもちゃんとあるので。そういったものを高めることによって、安心して思い切って飛び込んでやっていけるというのが実感としてあります。

新谷哲:なるほど。自分を信じる。ちょっと私がちゃんと自分を信じないといけないなと今反省をいたしました。ありがとうございます。では最後に先日、本をご出版されたということで、私も読ませていただいて大変感銘を受けたのですが、そちらのご紹介をお願いします。

久野和禎:ありがとうございます。2016年、昨年の末にPHP研究所から「GOLDVISION」というタイトルの本を発売させていただきました。「GOLDVISION」というのはGOLD、文字通り黄金のVISIONという言葉と、あとはGOLDという英語ですね。後ろにEDを付けると既にゴールされたというようなニュアンスです。実際にはGOLDという言葉はないのですが、そういったニュアンスの言葉を造って、造語としてタイトルにしております。この本の中では、どうやったら私達が自分の限界を超えて先に進んでいけるかということをさまざまな事例を交えてお話しております。

新谷哲:経営者の皆様、お買い求めいただいてぜひ勉強していただければと思っています。またWizBizでは久野和禎氏講師の経営セミナーを毎月行っております。タイトルは「目標達成に欠かせない、たった3つの大切なこと!」ということで、2017年3月22日に開催予定でございます。リスナーの皆様も是非ご参加くださいませ。本日はお忙しい中ありがとうございました。皆様も参考にしていただければと存じます。

久野和禎:ありがとうございました。

編集後記

久野和禎氏の経営者インタビューをさせていただき、久野和禎氏の大変聡明なところに大変感銘を受けました。東大を出られて、学生の時からロックボーカリスト。2社を起業、その後大企業に勤められ、また起業される。普通の人では考えられないようないろんな人生を歩まれ、そして楽しみながら大変素晴らしい経営をなさっている、素晴らしい経営者様で、かつ大変面白い経営者様ということで、私も大変インタビューをさせていただき嬉しく思っております。皆様も是非参考になさってください。

久野 和禎 氏
コノウェイ株式会社 代表取締役社長/プロコーチ
一般社団法人コグニティブコーチング協会 副代表

1974年生まれ。東京大学経済学部卒。筑波大学MBA(International Business専攻)。
幼少期をサンフランシスコ(アメリカ)、中学高校生時代をロンドン(イギリス)で過ごす。
大学卒業後に起業、2社を並行して経営した後に人材系企業を経て、複数の外資系大企業で多様なマネジメントポジションを担う(タイコエレクトロニクス(米)にてファイナンス及びマーケティングマネージャー、フィリップス(蘭)にて経営企画、組織変革推進、営業企画、ロジスティクスの各分野の部門責任者及び新規事業立ち上げ、さらにビューローベリタス(仏)にて営業部長を担当)。その後、ProFuture(旧HRプロ)の常務取締役 兼 COOを経て、2015年12月にコーチングを軸としてコンサルティングを加えたサービスを提供する総合経営支援企業、コノウェイ株式会社を創業、代表取締役社長に就任。
認知科学を基礎とした最先端の「コグニティブコーチング(TM)」を習得し、自社ブランドの「CEOコーチング(R)」及び「ゴールドビジョン(R)メソッド」の普及を図っている。
また、コグニティブ・コーポレート・コーチングの発起人であり、苫米地英人氏の右腕としてプログラムの開発及び普及活動に尽力している。
大企業役員、中小企業経営者からサラリーマン、OLまで幅広い対象のクライアント層に対してコーチングを行っており、グループ、マンツーマンで1000人以上に対してのコーチング実績を有する。企業に対しては、個々の強みを生かしながら組織にハイパフォーマンスカルチャーを醸成・定着させることを得意としている。
テンプル大学にて認知心理学(コーチング)の講義を担当。
2016年12月には著書 『ゴールドビジョン』をPHP研究所より出版。

※本インタビューへの出演をご希望の方はこちらよりご応募ください。

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、コノウェイ株式会社の代表取締役社長、久野和禎氏の経営者インタビューを取り上げました。

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