成功経営者インタビュー

経営者インタビュー アースウェル株式会社 代表取締役 大久保柾幸氏

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、大久保柾幸氏(アースウェル株式会社 代表取締役)です。(2019年7月10日 2019年7月17日  配信)

今回はアースウェル株式会社代表取締役の大久保柾幸社長にお越しいただきました。金融業界の営業職を経て、31歳の時にアースウェルを設立。独立前にソフトバンクの孫正義社長にお会いしたいと、2ヶ月の間に20回以上本社に突撃するなど、行動力のある経営者です。経営者インタビューでは、いかにして孫正義と面談をしたか、なぜ環境衛生事業の経営を決断したかなど、お話しいただきました。ぜひ、経営者インタビューをご覧ください。

新谷哲:本日の経営者インタビューは、アースウェル株式会社の大久保柾幸社長です。まずはご経歴をご紹介します。1966年生まれ。金融業界の営業職を経て、31歳の時に有限会社アースウェルを設立。IPMを応用した厨房の衛生改善システムを独自に構築し、数多くの飲食店、病院、保育園などの害虫対策、衛生管理などを手掛けられております。本日はよろしくお願いいたします。

大久保柾幸:よろしくお願いします。

新谷哲:最初の質問です。福岡県ご出身ということですが、小学校・中学校時代はどのようにお過ごしになりましたか?

大久保柾幸:田んぼを通りながら学校に行き、夏には蛍が出るような田舎で育ちました。

新谷哲:では、田舎の中で野原を駆け巡るようにお過ごしになったのですか?

大久保柾幸:そうです。夏休みにはラジオ体操が始まる1時間以上前に家を出て、山の中を周ってクワガタとかカブトムシをたくさん採り、野球帽の中に入れてラジオ体操をしていました。

新谷哲:経営者インタビューをお読みの経営者様の中には、「クワガタやカブトムシってたくさん採れるの?買うものじゃないの?」と疑問に思う方がいらっしゃると思いますが、そんなに採れたのですか?

大久保柾幸:クワガタやカブトムシが集まる木を見つけて、誰よりも早く行って先に採っていたので、たくさん採れました。

新谷哲:それを売ったらかなり儲かると思うのですが、売らなかったのですか?

大久保柾幸:実は、母親が勝手にペットショップに売っていました(笑)。天然物だから元気が良く長生きするので「次の入荷はまだか?」と催促されていたと、後で知りました。

新谷哲:お母様は商売上手だったのですね(笑)。高校時代は、どのようにお過ごしになりましたか?

大久保柾幸:福岡市の高校に進学しましたが、勉強もしない、何もしない、遊びもしないで、なんかボーっとしていました。

新谷哲:ボーっとしていたというと、帰宅部ということですか?

大久保柾幸:帰宅部です。中学校まではいろいろと一生懸命に頑張っていたのですが、高校に入ってなんか抜けちゃいました。進学校だったのですが、勉強はほとんどしていないです。

新谷哲:勉強していないということですが、大学に行かれたのですか?

大久保柾幸:大学には全部落ち、最終的には短大に行きました。

新谷哲:短大時代はどのようにお過ごしになりましたか?

大久保柾幸:短大時代も遊びほうけました。夕方の5時ぐらいだと安い値段でビールが飲み放題のお店に行って、友達と飲んだりしました。

新谷哲:短大卒業後、金融業界にご就職されますが、何か理由はございますか?

大久保柾幸:短大卒業では学歴で勝負できないので、実力をつけるしかないと思いました。「実力をつけるためにどうしたら良いのか?」とゼミの先生に相談して、「営業力をつけたら良い。生命保険か、証券会社か、商品先物取引なら、営業力が身に付く」とアドバイスをもらいました。この中で一番難しそうな商品先物取引を選び、金融業に飛び込みました。

新谷哲:私が先物取引の会社に持つイメージは、「電話機にガムテープでぐるぐる巻いてずっと電話している」というものですが、そんな感じだったのですか?

大久保柾幸:今だとパワハラとか言われて大問題になると思いますが、本当にそんな感じです。今のテレアポは分業型になっていたりしますが、当時は自分で電話してアポイント取って営業してという、最初から最後まで自分で行うスタイルでした。取れる人はすぐにアポが取れるのですが、僕は一日中電話してもアポが取れませんでした。上司・先輩からは「電話を1本でも多くかけろ」と言われ、受話器を離さないようにガムテープで巻かれたりしました。

新谷哲:私は先物取引のイメージそのままで違和感を感じていませんが、若い方は今のエピソードをお読みになり衝撃を受けていると思います。先物取引の企業には何年ぐらいいらしたのですか?

大久保柾幸:2年です。

新谷哲:2年というと、同期の中では長くお勤めになった方なのではないですか?

大久保柾幸:そうですね。同期は全部で20人ぐらいだったと思いますが、僕が辞める時は5人か6人くらいしか残っていないです。

新谷哲:その後は、建材会社にお勤めになりますが、建材会社を選んだ理由はございますか?

大久保柾幸:はい。僕は30歳で起業して経営者になると決めていました。建材会社を選んだ理由は、商社だからです。経営者になる前に色々と経験したいと考えており、「商社は色々な業種と関わり、大きな金額を動かすダイナミックな企業だ。これは生涯で1回は経験したい」と思い入社しました。勤めたのは3年ぐらいですね。

新谷哲:商社をお辞めになった後は、警備会社に転職されていますが、こちらを選んだ理由はございますか?

大久保柾幸:入社した警備会社は、義理の父親が定年後に買い取った会社で「この会社を最終的にはお前にあげるので、とにかく来い」と誘われていました。商社の仕事が面白かったので行きたくはなかったのですが、警備会社が大変な状況で見放すのも忍びなく入社しました。

新谷哲:ちょっと金融業時代のお話に戻らせていただきます。20代前半に経営者になることを決めていたとおっしゃいましたが、なぜ起業して経営者になろうと思われたのですか?

大久保柾幸:ソフトバンクの孫正義社長に、個人面談をする機会を得たことがきっかけです。

新谷哲:なぜ、孫正義社長と面談したいと思われたのですか?

大久保柾幸:社会人になった時に「実力をつけて戦うしかない。だったら福岡じゃなくて、東京かニューヨークかロンドンで働くのが良い」と考えました。最初に就職した先物取引会社は東京に営業所があったので、志願して東京に配属してもらいました。東京で営業をすれば、「ビジネスの第一線で活躍する経営者に多く会える。経営者達と関わりながら仕事が出来る」と思ったのですが、経営者に会えない状態が続きました。ある年末に上司から「来年の抱負考えてこい」と言われたので、「今年は経営者と関わりながら仕事をする」と発表したら上司から個室に呼び出しを受けました。「お前何言っている。経営者が世の中を何も分かっていない小僧を相手してくれる訳がない」と怒られました。この時に「辞めたほうが良いですか?」と話しました。すると支店長に話が上がりチャンスを頂きました。そこから経営者とお会いできるようになったのですが、たまたま孫正義社長の存在を知りました。当時の孫正義社長は29歳か30歳くらいの時で、僕と同じ福岡出身でした。経営者としてお手本にしたい、ぜひ会いたい、と思い、アポイント取りにチャレンジします。

新谷哲:孫正義社長へのアポは、スムーズ入ったのですか?

大久保柾幸:簡単にはいきませんでした。まず本人に届かないのです。電話しても話せない。直接行ってもアポがないと会えませんと言われる。アポを取るための電話をしても繋いでくれない。そんな八方塞がりです。

新谷哲:何回くらい、直接会いに行かれたのですか?

大久保柾幸:週に1、2回行くのを2カ月ぐらい続けていたので、20回ぐらいです。1カ月ぐらいで「無理かな?」と諦めかけたのですが、ヤバいところまで続けようと思いました。

新谷哲:アポが取れ、面談できたきっかけは何だったのでしょうか?

大久保柾幸:手紙を送り、返事がきたのでアポが取れました。帰りに立ち寄った本屋で「手紙は受付を通過してターゲットに届く」という本を見つけたのです。この本を参考にして手紙を送ってから2週間か3週間ぐらいで返事がきました。手紙には秘書の方のお名前と電話番号があり、ここに電話して時間調整をしてくださいという内容でした。

新谷哲:孫正義社長は日本マクドナルドの藤田田元社長に飛び込みで会いに行っている方なので、飛び込みなどが好きなのかもしれないですね。30歳で経営者となられますが、最初からアースウェルを起業したのですか?

大久保柾幸:そうです。株式会社でなく、有限会社アースウェルとしてスタートしました。

新谷哲:事業内容は、現在の株式会社アースウェルと同じですか?

大久保柾幸:そうです。

新谷哲:なぜ、厨房の衛生改善システムの事業を経営しようと考えたのですか?

大久保柾幸:起業して経営者になるまでの間に、色々な仕事を経験しましたが、どの事業で起業するかは考えていませんでした。その時のことをとにかく一生懸命に仕事をしていたので、事業について考える余裕がなかったのです。アースウェルを起業する30歳で「やばい。このままだと起業できない」と思いました。当時は6歳と2歳の子がいましたが、次に進めないと思ったので、会社を辞めました。奥さんと一緒に1カ月の生活費を一緒に計算して、最低限の生活費を稼げるフリーター職は確保してから辞めました。事業内容は、図書館に毎日通い、8カ月間で23個の事業企画書を作ります。そのなかの1つが、厨房の衛生改善システムの事業でした。

新谷哲:もしよろしければ、アースウェルが現在経営する事業内容についてお話しいただけますか?

大久保柾幸:現在は3つの事業を経営しています。1つは、起業当初からやっている厨房の衛生管理。もう1つが、障害者の方を支援と訪問介護という医療福祉の分野。もう1つは、保育園です。医療福祉と保育園の事業は地元密着の仕事です。衛生管理の仕事は「ゴキブリ退治に殺虫剤は使うな!」という本を出版したことがきっかけで、全国からお問い合わせをいただいています。ただ福岡だけでやっていたので、他の地域の対応できていません。そこで2年前から衛生管理のフランチャイズを構築しています。衛生管理の事業を一緒に広げる仲間を増やしたいと思っているので、興味がある方はぜひお声がけください。

新谷哲:ここからは違う質問をいたします。「好きなもの・好きなこと」で事前にお聞きしましたら、「古代遺跡や自然の神秘、神社・仏閣・遺跡巡り」とお答えいただきました。大変失礼な言い方になりますが、大久保柾幸社長は見た目がお若いのに、なぜ年寄りじみたものがお好きなのですか?

大久保柾幸:単純に「すごい」と思います。今の技術や知識なら簡単にできると思うのですが、ずっと昔の人達が何百年、何千年と残るようなものを作り、今も残っていることが「すごい」と思います。

新谷哲:次に座右の銘をお聞きして、「良樹細根」「ご縁に感謝」とお答えいただきました。この「良樹細根」とはどのような意味ですか?

大久保柾幸:枝ぶりの良い立派な樹は、それと同じぐらい地面の中に細かい根っこがしっかり張り巡らされて、地面をしっかり掴んでいる。根っこが腐っているとその木は支えられない。これは人も同じで、見えないところをきちんとできない人は、見てくれも良くないという意味です。本当に「その通りだ」と思うので、座右の銘にしています。

新谷哲:では次が最後のご質問です。全国の社長・経営者、これから起業する方に向けて経営者として成功する秘訣をお教え下さい。

大久保柾幸:経営者として成功する秘訣は、大きく3つあります。1つ目は「とにかく粘り強く続ける」こと。自分が思ったものを実現させるためには、諦めずに続けることが重要です。2つ目は、「ご縁を大切にする」ことです。経営をしていると、いろんな方が支えてくれます。支えて下さる方に対する「ありがとう」の気持ちを常に持っていないと、成功しないと考えています。3つ目は、座右の銘でもある「良樹細根」。人が見ていないところこそしっかり力を入れることが、良い仕事に繋がります。また見えないところを感じてくれる方は、応援してくれたり、支えてくれたりすることが多いです。見えない部分とご縁を大切にし、諦めずに続けることが、経営者として成功するためには大切だと思っています。

新谷哲:大久保柾幸社長、本日はどうもありがとうございました。

大久保柾幸:ありがとうございました。

編集後記

大久保柾幸社長は見た目の若さと違い、古い話が多くて思わず笑ってしまいました(笑)。座右の銘や成功する秘訣でおっしゃった「良樹細根」はその通りです。見えないところで努力をすることが、経営者として成功する秘訣だと思います。私はまだまだ努力不足なので反省をしています。経営者インタビューをお読みの経営者様もぜひ、見えないところで一所懸命努力をし、経営者として成功してください。

大久保柾幸氏
アースウェル株式会社 代表取締役

1966年生まれ。金融業界の営業職を経て、31歳の時に有限会社アースウェルを設立。IPMを応用した厨房の衛生改善システムを独自に構築し、数多くの飲食店、病院、保育園などの害虫対策、衛生管理などを手掛ける。著書に「ゴキブリ退治に殺虫剤は使うな!」がある。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、大久保柾幸氏(アースウェル株式会社 代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。

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