成功経営者インタビュー

株式会社 Be Unique 代表取締役 渡部由紀子氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、渡部由紀子氏(株式会社 Be Unique 代表取締役)です。(2017年5月 3日 2017年5月10日  配信)

株式会社 Be Uniqueの経営者、渡部由紀子氏は、大学卒業後、バンコクで日本語教師として勤務。帰国後に(株)リクルートでの営業職を経て、2012年に株式会社 Be Uniqueを立ち上げました。グローバル化を目指す日本企業の発展に貢献する、現在の事業に行きつくまでのストーリーとは? 女性経営者の成功までの道のりを、ぜひお聞きください!

新谷哲:今回の経営者インタビューは、私の大好きな経営者のお一人、渡部由紀子氏です。まずはご経歴を、ご紹介致します。1973年生まれ。大学卒業後、日本語教師の道を選択。バンコクで1年間、日本語教師を務められた後、ご帰国されてリクルートに入社。営業職を務めながら、週末にはボランティアで、日本語を教えていらっしゃいました。2000年に有志とともに、飯田橋日本語学院を設立。2008年は個人事業として引き継ぎ、同校代表。2012年4月、Be Uniqueとして法人化、代表取締役となりました。現在、人材の紹介事業 Cotoワークも開始され、日本語学校の草分け的存在。「サバイバル日本語テキスト NIHONGO FUN & EAZY」という本も出されている経営者です。では、最初のご質問です。ご出身は東京ですか?

渡部由紀子:生まれたのは東京で、8歳の時に埼玉県に引っ越しています。

新谷哲:小学校、中学校時代は、どんな幼少期をお過ごしになられました?

渡部由紀子:小学校の時は転校もしたりして、まじめな優等生キャラでいたのではないかと思います。中学校は、校内暴力とか、怖い先生もたくさんいて、反抗期を激しくやっていた覚えがあります。

新谷哲:あまり想像がつかないのですが(笑)、高校、大学も東京、埼玉でいらっしゃいますか?

渡部由紀子:そうですね。はい。

新谷哲:その頃はどのような学生でしたか?

渡部由紀子:高校時代はラグビー部のマネージャーをやったりして、高校生らしく過ごしました。大学は女子大で、テニス部に入りましたが、まじめにやっていなかったです。後は、中国に短期留学をしたことが結構大きかったですね。

新谷哲:中国へ短期留学をされたときは、どんな思い出がございますか?

渡部由紀子:全国の大学生が20人くらい、寄り集まって行くような留学だったんですけど、非常に優秀な方が多くて、「世の中にはこんな頭いい人がいっぱいいるのか」と、すごくビックリしました。

新谷哲:その頃の思い出が、そのまま日本語学校に繋がっていくのでしょうね。

渡部由紀子:そうですね。日本語学校、日本語教師っていう仕事をしたのが、大学の後半でした。ですが、高校の後半がバブル期だったので、テレビでジャパンバッシングとか、日本の旗が燃やされるのを見たり、リベラルな考え方の先生から色々影響を受けました。そこから「世界の方にもっと日本について知ってもらいたいな」と、考えていました。

色々考えた結果、日本を知ってもらうには、自分自身がひとりの日本人として、世界中の人となるべくたくさん会って、交流を深めていくというのが一番いい方法なんじゃないか、と大学の後半にたどり着きました。その段階で、日本語教師という仕事を知ったので、「あ、これだ」ということで日本語講師をやろうと思い、タイに行ったというのが最初のキャリアになります。

新谷哲:ご就職されるタイで、日本語教師として就職をする、ということですが、なぜタイを選ばれたのですか?

渡部由紀子:えっと、ぶっちゃけ、タイで求人があったから(笑)。

新谷哲:なるほど(笑)。

渡部由紀子:直前にベトナムに行く予定があって色々準備していたのですが、キャンセルになって、就職課の方に「じゃあ、こっちのタイにいく?」と言われて、「じゃあ、そうします」みたいな感じです。

新谷哲:渡部由紀子社長らしい、来たものを全部受け入れるみたいな感じですね。タイに行った後、日本に戻られて、リクルートに就職されていますが、これは何か理由がございますか?

渡部由紀子:最初タイに行った段階では、このまま海外で日本語教師を続けたいなと思っていました。ですがタイで1年して、企業の役員クラスの方を教える時に、「このまま先生だけを続けていくというのはどうなのかな」と、自分自身の未熟さを感じることが多くなりました。

なので、若い時に経験をしておくべきことはしておきたいと思い、一度帰国。まず「最低3年は社会経験をしよう」「やるんだったらちょっと厳しい仕事をしたいな」ということで、たまたまリクルートで声を頂きましたので、入社を致しました。

新谷哲:日本語教師からリクルートにいって、また戻ってくる。こういう歴史でしたか。

渡部由紀子:はい。

新谷哲:リクルートでの思い出は何かございますか?

渡部由紀子:夜9時くらいになっても全然社内の風景が変わらないことに、すごくビックリしました。「本当に9時なのかな、時計が壊れたのかな」と思うくらいみんな普通に仕事をしていたのが、印象に残りました。すごく面白かったことは、一人一人がとがっていること。リーダークラスとマネジャークラスのやりとりとかも、聞いていてすごく勉強になることもありました。リクルートの3年間がなければ、今の自分はないと思うくらい、本当に勉強になりましたね。お世話になったマネージャーさん達もみんな素晴らしくて、非常に鍛えてもらったと感じています。

新谷哲:営業成績もよろしかったということをお聞きしているのですが。

渡部由紀子:そうですね。結構よかったと思います。元上司に聞かれていたらいやですね(笑)。

新谷哲:いやいや、元上司さんの方々が大変喜んでらっしゃると思いますよ(笑)。3年間リクルートにお勤めになった後、日本語学校を立ち上げていますが、3年でスパっとやめられたのですか?

渡部由紀子:はい。3年でスパっとやめました。

新谷哲:それは、3年と決めていたからですか?

渡部由紀子:3年はやろうってまず決めていたのと、当時ボランティアを一緒にやっていた方が、「渡部さん一緒に学校やらない?」と声をかけられたのが、そのタイミングだったんで、本当に迷いなくやめたという感じです。

新谷哲:リクルートの元上司の方々は、反対されたんじゃないですか?

渡部由紀子:結構、イヤなタイミングで辞めてしまったなと思っています。当時の直属の上司も今リクルートにはいないのですが、ご迷惑をかけてしまったと今でも反省しております。

新谷哲:そのまま日本語学校を立ち上げられて、共同経営のような感じですね。

渡部由紀子:はい。

新谷哲:苦労されたことはございますか?

渡部由紀子:経営の知見がある人が誰もいないまま、なんとなく、ボランティアの人たちで始めたので、もうめちゃめちゃでした。最初の3年くらいは、私を誘った方が給与などを負担してくださって、初めて経営が成り立っていたような感じがします。

それで、ホームページから、ある程度集客できるようになりました。その頃からご紹介も増えて、レッスン数がドンドン増えてきたので…やはり、最初の3年くらいが大変でしたね。

新谷哲:大変だったというのは、やはり「経営の知見がない」という部分が一番大変だったのですか?

渡部由紀子:そうですね…。まあ、当時は大変とも思ってないのですが(笑)。

新谷哲:なるほど。

渡部由紀子:皆、20代後半くらいで、割とどうにかなるくらいの感じで始めてしまったところがありますね。

新谷哲:その後、2012年に法人化されていますが、何かきっかけがございましたか?

渡部由紀子:2011年の東北の大震災で、私たちも非常に大きい打撃をうけまして、クラス数が半分くらいに落ち込みました。それまではボランティアの延長みたいな形で、利益確保をしていなかったので、続けていくのが困難な状態になりました。けれどこの時に、スタッフや日本に残ることを決めた学習者(生徒)の方が、本当に、サポートして下さいまして、私達はそれに応えるためにも、事業を大きくしていこうという気持ちになりました。

私自身も本当に不勉強で経営をやってきてしまったことについて、すごく反省をしましたし、それからコンサルティングを受けたり、自分自身も色々勉強しました。2012年はまだまだダメージがあった時期ではありましたが、「これから3年間で、事業を大きく3倍にしよう」という決意で、法人化しました。

新谷哲:会社の経営はいかがでいらっしゃいますか?

渡部由紀子:おかげさまで、今の経営状況は順調です。

新谷哲:御社は今、日本語学校と、人材紹介事業をやってらっしゃると思うのですが、どんな日本語学校を経営されていますか?

渡部由紀子:日本語学校の主流は、ビザを出して留学生の方を日本に呼んで、教育するというタイプの学校です。しかし、私共はビザの発行をせず、既に日本に何らかのビザで滞在している方向けに、日本語を教えています。特徴としては、学習者の7割くらいが欧米の方、年齢層も20代から40代くらいの、お仕事の経験のある方が多いというものです。

学習者の皆さんは「日本で働きたい、日本でもう少しキャリアアップしたい」という気持ちの方が多いので、いつかは皆さんが日本で就職を得る手助けになる様な事業をしたいなと、実はずっと思っておりました。それで、日本語学校での学習者の方をメインに、仕事を斡旋していくような事業を始めました。

新谷哲:欧米の方々が日本で働きたいので、その方々を様々な企業さんにご紹介していく、という事業ということですね?

渡部由紀子:はい。

新谷哲:欧米の方で日本好きは多いのですか?

渡部由紀子:日本が好きな方は多いです。理由は色々とありますが、生活しやすさ、便利さ、他の国では成しえない平和な環境というのが、彼らの中でも話題になっています。なので、世界の他の場所でも仕事はできるけどやっぱり日本で仕事したいという方も、たくさんおります。

新谷哲:ちょっと違う質問させていただければと思うのですが、好きなことが「ビジネスアイデアを妄想すること」だそうですが、どんな想像をなさるのですか?

渡部由紀子:「これとこれを繋げて、こんな風にしたら面白い」みたいな感じです。今朝も電車の中で凄いアイデアを思いついてニヤニヤ笑っていました(笑)。

新谷哲:それは、週に1回ぐらいの頻度ですか?

渡部由紀子:一人の時は、ずっとしています。

新谷哲:毎日というか、毎分とか、そんな感じですか?

渡部由紀子:そうですね。

新谷哲:仕事大好きですね(笑)。

渡部由紀子:仕事大好きです(笑)。

新谷哲:経営者らしいという感じで、凄いですね。そのビジネスアイデアで実現したことも結構あるのですか?

渡部由紀子:あまり無いですね(笑)。

新谷哲:そうですか。渡部由紀子社長らしいお話ですね(笑)。もう一つ、座右の銘が「結果が目的」ですが、これは、どのような意味でしょうか?

渡部由紀子:例えば、「行きたいイベントがあって、でも熱を出していけなかった」なんていうことありますよね。それは「結局行きたくなかった」という風に思うんです。「結果が目的」っていうのは、「自分が何かをして出た結果は、自分は心のどこかでそれを望んでいた」という意味です。

新谷哲:それは大変深いお話ですね。渡部由紀子社長らしい、女性経営者らしい、座右の銘だと思います。最後のご質問なのですが、起業する方向け、経営者向けに、成功の秘訣をお教え下さい。

渡部由紀子:それぞれのフェーズによって違うのではないかと思いますが、最初0から1を作る時に集中する事が大事かなと思います。特に女性は、目に入ってくると色々やりたくなってしまうのです。けれど、できるだけそぎ落として核の部分に、エネルギーを集中することが、物事を実現する近道なんじゃないかと考えています。

新谷哲:選択と集中ですね。成功している経営者にはそういう部分が表れるのだ、と大変勉強になります。本当にありがとうございます。私も是非、渡部由紀子社長のように成功したいと思いますので、ご指導下さい。皆様も是非、渡部由紀子社長のように素晴らしい経営者を目指して下さい。

渡部由紀子:ありがとうございました。

編集後記

渡部由紀子氏のお話を聞き、本当に起業家精神にあふれ、そして、経営者ならではの「突き進む力」を大変感じております。タイに、そしてリクルートに入り、そして起業されて成功されているのを見て、恐らく、女性、男性、かかわらず、経営者は思い立ったら行動する力がすべてなのではないか、と強く感じた次第です。皆様方も、行動力は真似していただきたいと思います。「結果は目的」とおっしゃってらっしゃいましたが、「経営者は行動あるのみ」、「経営者は結果あるのみ」ではないかと感じております。是非、ご一緒に成長して参りましょう。

渡部由紀子
株式会社 Be Unique 代表取締役

大学卒業後、バンコクで日本語教師として勤務。帰国後は(株)リクルートでの営業職をしながら、週末にボランティアで日本語を教える。そのグループの仲間と 2000 年に現在の Coto Language Academy の前身となる Iidabasi Lanuage School を設立。2012 年に株式会社 Be Unique として法人化。現在代表を務める。2016 年より日本で働きたい海外にバッググラウンドをもつ人材と、グローバル化を目指す日本企業の発展に貢献すべく人材事業 Coto Work を始める。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、渡部由紀子氏(株式会社 Be Unique 代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。

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