Q:新しい商品を開発する場合の流れと方法は?

本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。

本日は、『社長の孤独力』4章4項「新しい商品を開発したい」を解説いたします。

前回もお話していますが、iPhoneを世に送り出したスティーブ・ジョブズは、開発者たちが試作品を持ってくるたびに「違う、こんなんじゃない」と言って、試作品を水槽の中にポチャンと入れました。また講演で獺祭の桜井会長にご登壇いただいたときは「ワインのように軽く飲めるおいしい日本酒を作ろう」と決めて必死に開発したというお話をしていただきました。

私は「成功する商品とは何か?」を考えていく上で一番重要なことは、経営者の感性だと考えています。お客様のアンケートを取って、「こういう商品があったら買うよ」という意見で作った商品は、既存の商品に似るため当たりません。しかしiPhoneのように世の中にない商品を出すと「これはすごい商品だ!」という驚きがあり、消費者は買ってくれます。この驚きは顕在ニーズではなく、潜在ニーズの部分になります。潜在ニーズは実際に見たことがないから、アンケートには出てきません。このアンケートには出てこない潜在ニーズを刺激する驚きが、新商品開発の一番の肝になります。

その意味で行くと、経営者様ご自身が「この商品は世の中にない。こんな商品があったら絶対に消費者は買う」と考える商品を作った方が、当たる確率は高くなります。アンケートではなく経営者様ご自身の感覚で、「自分だったらこんな商品が出てきたら絶対に驚く」と考える商品を開発してください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編!「新しい商品を開発したい」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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