成功経営者インタビュー

一般社団法人日本適性力学協会 代表理事 宇敷珠美氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、宇敷珠美氏(一般社団法人日本適性力学協会 代表理事)です。(2018年6月 6日 2018年6月13日 配信)

今回は、日本各地でウェルスダイナミクス普及のために活動する、一般社団法人日本適性力学協会の代表、宇敷珠美氏にお越しいただきました。マサチューセッツ大学ボストン校政治学部卒業後、20代をアメリカにて過ごし、日本帰国後は、アメリカ大学大学院日本校、インターナショナルスクールのディレクターなどを経て2002年に起業されました。サクセスリソーシズ(アジア最大のイベント会社)グループ会社の日本支社代表を務め、日本の起業家たちに海外ビジネスセミナーを紹介。多くの優秀な人材を様々な海外セミナーに導いた先駆け的存在となっています。サスペンスドラマを癒しの時間と楽しみながらも、「仕事が大好き」と断言するパワフルな女性経営者のお話は、大変興味深いかと存じます。ぜひ、お聞きください!

新谷哲:今回の経営者インタビューは、一般社団法人日本適正力学協会代表理事の宇敷珠美様です。まずは経歴をご紹介します。マサチューセッツ州大学ボストン校政治学部卒業後、20代をアメリカにて過ごされます。日本帰国後は、アメリカ大学大学院日本校インターナショナルスクールのディレクターなどを経て、2002年に起業し、経営者となります。サクセスリソーシズ、アジア最大のイベント会社グループ会社の日本支社代表を務め、日本の起業家達に海外ビジネスセミナーを紹介。多くの優秀な人材を様々な海外セミナーに導いた、先駆け的存在となっていらっしゃいます。現在、日本各地でウェルスダイナミクス普及のための活動に務めている経営者です。宇敷珠美代表、本日はよろしくお願いいたします。

宇敷珠美:よろしくお願いします。

新谷哲:ご出身は東京とのことですが、小学校・中学校時代はどのようにお過ごしになりましたか?

宇敷珠美:大人しかったです。友達はいっぱいいましたが、アウトドア派ではなくて、完全インドア派でした。

新谷哲:では、お友達とも家の中で遊ばれたのですか?

宇敷珠美:絵を描いたり、何かゲームしたりという感じでした。

新谷哲:高校は、どのようにお過ごしになりましたか?

宇敷珠美:私は高校受験に失敗して、行きたくなかった高校に通い、大学はアメリカに行きました。3年間、耐えながら高校に通っていたことで、「アメリカの大学に行きたい」という気持ちが膨らんだと思います。

新谷哲:では高校時代は、勉強ばかりしていたのですか?

宇敷珠美:はい、勉強ばかり、と言う感じです。高校時代の経験から、「自分が所属する学校や会社が好きでないと、ろくなことにならない」と思います。今ならば「所属する場所を嫌がらず、好きになって、そこで価値あるものを自分に活用する方が良い」と思えますが、高校時代は思えていなかったです。

新谷哲:高校の途中で「アメリカに行くぞ」と決めていたのですか?

宇敷珠美:そうです。アメリカに行く選択肢は常にありました。

新谷哲:では、日本の大学には行かずに、そのままアメリカに留学したのですか?

宇敷珠美:そうです。

新谷哲:日本の大学とアメリカの大学の違い、はございますか?

宇敷珠美:日本の大学に行ってないので聞いた話になりますが、違いだらけです。アメリカは、大学の先生と生徒の距離が近く、フラットな感じがします。あとは、勉強しないと卒業できないことが違うと思います。

新谷哲:その大学に通われている時は「起業しよう、経営者になろう」などは思われたのですか?

宇敷珠美:大学生の間は思いませんでしたが、アメリカに10年以上いた影響で、アメリカンドリームや起業家精神は培われたと思います。でも小学校時代から、「何になりたいですか?」言われた時に「経営者」と言っていました。

新谷哲:内向的だったのに、「経営者」になりたかったのですか?

宇敷珠美:内向的でしたが、すごい自信があったのです。例えば、「年を取ったらどんなおばあちゃんになりたい?」と言われた時に「威張れているおばあちゃん」と答えました(笑)。今でも「威張れる立ち位置でいたい」と思っています。もしかしたら、経営者になった経緯の1つに「威張れる、偉そう」というイメージがあったからかもしれません(笑)。

新谷哲:今の宇敷珠美代表からは想像できず、大変びっくりしました(笑)。アメリカの大学卒業後は、そのままアメリカに残られますが、どのようにお過ごしになりましたか?

宇敷珠美:私は目標がないと駄目になっちゃう人なので、大学卒業後は常に目標を持っていました。その目標も、すごい企業に就職するのではなくて、「インドに行ってヨガを勉強したい」などです。そして目標が決まったら、「目標達成のためにバイトをする」という感じで、仕事をしていました。

新谷哲:アメリカでお仕事をなさっていた時は、どのようなスケジュールで動いていたのですか?

宇敷珠美:大学時代はバイトを掛け持ちして働いていました。卒業し、フルタイムで働けるようになっても、同じようにバイトを掛け持ちしました。目標が「お金を稼ぐ」だったので、稼げる職種を選び、ダブルシフトで働いていました。

新谷哲:宇敷珠美代表らしい一面が見えてきました。その後、日本に戻られていますが、帰国のきっかけは何でしょうか?

宇敷珠美:きっかけは、アメリカで子どもを産んだことです。アメリカのことは大好きでしたが「子どものためには、家族や親戚がいる環境の方が良いのかな?」とすごく悩みました。大きな決断でしたが、「子どものためには日本に戻った方がいい」と思い、帰国します。

新谷哲:日本に戻られてからはアメリカ大学大学院の日本校とか、インターナショナルスクールのディレクターをされていますが、就職活動をしたのですか?

宇敷珠美:いえ、就職活動はしていないです。私は「経営者になって何かビジネスを経営したい」と思っていました。ある起業家セミナーに参加し、そこで出会った女性の起業のお手伝いをしていて、彼女の会社で教育ビジネスの仕事をしました。アメリカ大学の日本校に関しては、その会社から出向している形です。

新谷哲:では「経営者になろう」と決め、起業志望の集団に近づき、縁ができたという感じですか?

宇敷珠美:そうですね。子どもがいるのでフルタイムで仕事をせず、本当に好きな仕事だけをやっていた感じです。私の場合は大学時代から、「常に好きなことしかやっていない」です。

新谷哲:羨ましい人生を送られていますね(笑)。その後、起業され経営者になっていますが、起業のきっかけはございますか?

宇敷珠美:きっかけは、「子どものための起業家教育のフランチャイズ」に出会ったことです。「そのフランチャイズをやりたい」と思ったことで、起業して経営者になることを決めました。

新谷哲:経営者になる際に「経営することが怖い」とは思われなかったのですか?

宇敷珠美:全然なかったです。むしろ「やりたい仕事・事業を経営できる」と、すごく嬉しかったです。

新谷哲:その事業の経営は、順調だったのですか?

宇敷珠美:全然駄目でした。今なら駄目だった理由が分かるのですが、内向的な人達というのは、地元ビジネスやローカルビジネスの経営が苦手なのです。「子どものための起業家教育のフランチャイズ」はまさにローカルビジネスで、スキルや適正が全くありませんでした。

新谷哲:その事業の経営が駄目だったということは、その後、違う事業の経営に移っていったのですか?

宇敷珠美:「子どものための起業家教育のフランチャイズ」の経営を始めて6ヶ月目の時、サクセスリソーシズという会社に出会いました。当時ですでにアジアNo.1の大きなイベント会社で、「新しいプロジェクトを日本向けにやってくれないか?」という話をいただきました。起業家教育のビジネスは「駄目だな」と思っていたので、それをきっかけにサクセスリソーシズのお仕事が中心になりました。

新谷哲: 6ヶ月目で「駄目だ」と思うところがプロの経営者ですね。サクセスリソーシズでは、「いろんな方を講師として日本に呼ぶ」という事業だったのですか?

宇敷珠美:基本的には、サクセスリソーシズがアジアで展開するいろんな経営セミナーをオンライン化して配信する事業の経営です。私はその部門の日本支社で、トップとして経営に携わっていました。

新谷哲:では、前に経営者インタビューでご出演いただいた、ラーニングエッジ社の清水社長と少し業種がかぶっていますね。

宇敷珠美:実は私の後任が、その清水社長だったのです(笑)。

新谷哲:そうなのですか(笑)。じゃあもうお親しい間柄でいらっしゃるのですね。

宇敷珠美:そうです。着任前から清水社長のことは「私より前に起業経営者になっていてすごいな」と思っていました。でもサクセスリソーシズの仕事に関しては、私のすぐ後に清水社長が着任されたという感じですね。

新谷哲:サクセスリソーシズの仕事の後、ウェルスダイナミクスと出会われていますが、どのようなきっかけでしたか?

宇敷珠美:サクセスリソーシズがたまたま、ジェイ・エイブラハムさんのイベントやることになり「私が行きたい!でもお金払うのは嫌だ」と思い、サクセスリソーシズの経営者に直接電話して交渉したら、「行って良いよ」となって、無理矢理に招待してもらったのです(笑)。その時に、ジェイ・エイブラハムさんのセミナーのスポンサーとして、ロジャー・ハミルトンの団体が入っていました。そのため、会場の中にロジャーのネットワークの起業家が多くいました。その時に香港の企業経営者と友達になり「ロジャーのネットワークのパーティーがあるから来ない?」と招待されました。パーティーにロジャーはいませんでしたが、ウェルスダイナミクスのメンバー達がいました。それがきっかけです。

新谷哲:パーティーに参加したのは、ロジャー・ハミルトン氏と会いたいとか、接触したいと思われたからですか?

宇敷珠美:そうです。残念ながらパーディーでは会えませんでしたが、著者の方や起業経営者の方々が多く参加していたことに、びっくりしました。多分、ロジャーがそういう方々を中心にネットワークを作っていたからなのですが、でも日本で聞いたことはありませんでした。そこで参加していた企業経営者たちに聞いたら、「日本にはネットワークがない」と言うので、「これはもう、私がやるしかないな」ということで手を挙げて、ネットワークを作るためにロジャーに会ったという感じです。

新谷哲:オーストラリアに会いに行った時に、ロジャー・ハミルトン氏はネットワークを日本に作ることに対し、どのような反応をしたのですか?

宇敷珠美:ロジャーは基本的にオープンな人で、ネットワークに関してはすぐに「いいよ」と返事をしてくれました。その時にオーストラリア在住の方がパートナーになり、その人と私と2人が、日本のカントリーマネジャーとして動き始めました。

新谷哲:スタートの時にご苦労されたことはございますか?

宇敷珠美:もうプロファイルの話とかしてもいいですか?

新谷哲:大丈夫ですよ。

宇敷珠美:ロジャーが提唱しているウェルスダイナミクスには、「起業家としてのタイプが8つ」あります。私は「内向的なロード」、パートナーが「スター」だったのです。スターの人は、「前に出て脚光も浴びる」役です。それは私が本当にやりたくない役でした。良い感じで経営の分業ができて、やりやすかった思い出があります。

新谷哲:では順調に、ウェルスダイナミクスは拡大していったのですね?

宇敷珠美:ウェルスダイナミクスというコンテンツ自体が良かったことと、コンテンツを気に入ってくれた方の中に立ち上げが得意な人達がいました。その人達が、著名な方々に紹介してくれたので、スタートアップもスムーズでした。

新谷哲:ウェルスダイナミクスをご存知ないリスナーの方もいらっしゃいますので、簡単にウェルスダイナミクスについてご説明いただけますか?

宇敷珠美:ウェルスダイナミクスは、富の力学です。「どうやって富を得られるか」にフォーカスし、それが真四角をベースにした表で8タイプに分かれています。それぞれのタイプは「コーナー」と「辺」の真ん中にポジショニングされています。そして上側の人は「直感的、アイディアが出てくるタイプ」、下側の人達は「タイミングを見ているタイプ」という感じです。タイミングを見る人は、「アイディアは出なくても、市場という分野を理解している」という強みがあるので、そこで富を得ていく感じです。また右側の人達は「対人が得意なタイプ」、左側の人達は「対数字とかシステムとか仕組みが得意なタイプ」という感じで、8つのタイプに分かれています。

新谷哲:その8つのタイプに分かれると、仕事の組み合わせがやりやすい、という理論ですよね?

宇敷珠美:そうです。私が「内向側で数字とか仕組みとか理論が得意」なのに対して、パートナーは「直感とかストーリーとか対人に対するアピールが得意」でした。その2人が組むことによって、パートナーは「人を引き寄せて、ビジョンを語る」、私は「その人達を仕組みに組み込んでいく」という組み合わせになるので、すごく相性が良かったのです。

新谷哲:ここから違う質問をさせていただきますが、好きなもの・好きなことをお聞きしたら、「サスペンス」とお答えいただきました。こちらを選ばれた理由はございますか?

宇敷珠美:私は基本、テレビっ子で、リラックスするために見ています。日本のサスペンスは、だいたいストーリーの行く道が決まっています。だから安心してぼーっと見られます。

新谷哲:宇敷珠美社長の新しい面を見た感じがします。もう1つ座右の銘をお聞きしたところ、「自業自得」。「自分の行いは間違いなく自分に返ってくる。あなたの行いはあなたを裏切らないのですよ。だからあなたは自分の行いを信じて頑張れば必ず道は開けます。」とお答えいただきました。これを選ばれた理由は何かございますか?

宇敷珠美:「世の中そんなに甘くないよ」というところです。やることはやらなくちゃ駄目。でも反対に、やることをやれば結果は返ってきます。動き方も「効率の良くない動き方をすれば、効率の良くない結果が出てくる」当たり前の話なのですが、直面したがらない人が多いです。私はその事実に、真正面から歩いているつもりなので、座右の銘に選びました。

新谷哲:お話を聞いていて、ロードの経営者らしいと思いました。最後のご質問になります。全国の経営者、これから起業する方に向けて、経営者として成功する秘訣・方法をお教え下さい。

宇敷珠美:経営者として成功する秘訣・方法は「動く時に、動かなくてはいけない。動く時には、確信を持って動く」です。例えば私は、六本木にシェアオフィスというかコワーキングスペースをオープンしました。大きな決断が必要な、大きな買い物でした。その時に、もしも確信のレベルが低かったら、コワーキングスペースをオープンしていなかったです。確信は、事業経営が成功するかの確信でも良いですし、自分の強みに対する確信でも良いのですが、確信があるかないかで結果が変わります。

確信を裏付けるものは、「ウェルスダイナミクス」や、「アドバイザー・メンター」かもしれません。確信の裏付けを持っている経営者は、「自分の目的・目標に到達することは確実だ」と思います。

新谷哲:深く、重く、素晴らしいお話です。私もちょっと反省をしながら、確信を持って事業経営をしたいと思います。宇敷珠美代表、本日はどうもありがとうございました。

宇敷珠美:ありがとうございました。

編集後記

今回の経営者インタビュー、ウェルスダイナミクスの宇敷珠美代表でした。お話しで出たウェルスダイナミクスは本当に面白くて、私も少しはまっています。本当に「あぁ、そうか。自分っていうのはこういう人間なんだ」というのが分かった感じがします。ちなみに私が自分の行動を分析した結果「メカニックだ」と思いました。宇敷珠美代表は企業経営者らしい経営者でいらっしゃるし、確信を持って突き進んでいると感じました。宇敷珠美代表と同じように、私も確信を持って経営をしたいと思います。

宇敷 珠美 氏
一般社団法人日本適性力学協会 代表理事

マサチューセッツ大学ボストン校政治学部卒業後、20代をアメリカにて過ごす。日本帰国後は、アメリカ大学大学院日本校、インターナショナルスクールのディレクターなどを経て2002年に起業。サクセスリソーシズ(アジア最大のイベント会社)グループ会社の日本支社代表を務め、日本の起業家たちに海外ビジネスセミナーを紹介、多くの優秀な人材を様々な海外セミナーに導いた先駆け的存在となる。現在、パッションである起業家の支援をしながら日本各地でウェルスダイナミクス普及のための活動に務めている。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、宇敷珠美氏(一般社団法人日本適性力学協会 代表理事)の経営者インタビューを取り上げました。

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