Q:法改正によって仕事がなくなってしまった時の対処法は?

本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。

本日は、『社長の孤独力』8章4項「法改正によって仕事がなくなってしまった」を解説いたします。

よくご存じの方も多いかと思いますが、法律は必ず国会で決まり、そこから6か月後に施行されるという手順になっています。これは日本国の場合であって、国によって、3か月、6か月、9か月、12か月と微妙に違います。中国などでは、決まった瞬間から施行する場合もあります。また、ほとんど無い事例ですが、遡ってでも法律を適合させるという国もあります。日本国の場合は決まってから6か月後に施行され、遡及(遡ってその法律を適用させる)する事はありません。よって、法律だけは予測ができるというわけですね。6か月間の猶予があるので、「法改正によって仕事が無くなってしまった」というのは情報収集不足なので、経営者としては問題です。私は、経営とは「情報が命」だと考えています。情報が入ったら至急その対策を打ち準備をする事が大切です。

6か月もあれば、大抵のことは対策を打てます。場合によっては6か月より前から「こういう風に国会で変えようとしているよ」と日経新聞等に掲載されます。この内容は2020年7月に収録していますが、例えば「取締役会の議事録の印鑑を無しに」ということが日経新聞で出ています。実際にはそこから何年かは、かかると思われますが、この情報を得ていると、「印鑑は今後どうなるのだろう?」と情報を追いかけることができ、「東京証券取引所の印鑑はメールベースでいい」となる可能性もあるな、などと考えられます。

このように、情報をきちんと掴んでいくことが重要です。例えば介護では、国からいただけるお金がだんだん下がっていますが、それも充分予測できます。「下がった状態できちんと収益が保てるようにする為にはどうすればいいか?」という対策も打てます。やはり「情報が命」で、情報収集をしていただく事が大切です。皆さん是非、しっかり情報収集をなさってください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編!「優秀な社員がなかなか入ってこない」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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