Q:取引先の支払いサイトが長く入金が遅い場合の対処法とは?

本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。

本日は、『社長の孤独力』1章6項「取引先の支払いサイトが長く、入金が遅い」を解説いたします。

本書には「支払いサイトの長い受注は断るべし!」と書いてありますが、業界ごとに支払いサイトは違います。一番多いのは、月末締めの翌月末支払いだと思いますが、例えば建設業界は、着工時・中間時・完了時の3分割での支払いや、完了時に一括で支払うことが慣例となっております。一方で、飲食店や小売店の場合、お客さんから先にお金をもらい、支払いが1カ月後という通常とは逆のキャッシュフローになります。

昔、私が相談を受けた建築資材卸の経営者様には、「支払いサイトが長くて会社が潰れてしまうのなら売るのをやめるべき」とお話ししたことがありました。支払いサイトが長い先に売るのをやめたところ、売る前よりも利益が出る結果となりました。これは、支払いサイトが良くなり、キャッシュフローが良くなった結果です。逆にキャッシュフローが悪くなると、倒産の危機に陥ります。

経営者様のお話をお聞きすると、「50万円足りなくて倒産しました」という企業がゴロゴロあります。このたった50万円が足りないというのは、まさに支払いサイトや、在庫の回転率、資金回収などキャッシュフローに関わることです。そのため、支払いサイトが長い取引は断った方がいいです。

断るためには、「支払いサイトはここまでは許すけど、これ以上は許さない」という社内ルールを定めて下さい。例えば弊社の場合、前受金として事前に代金を支払っていただいて、それから分割して売上計上することもしております。キャッシュフローを改善するためには、ルールを作ることが良いでしょう。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編!「取引先の支払いサイトが長く、入金が遅い」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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