内部統制をする具体的な方法とは?

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容:「内部統制はどのような企業を参考にすればよいでしょうか?」

  • ご相談者:F様
  • 業種:ソフトウェア開発
  • 地域:東京都
  • 売上高:5億円

はじめまして、Fと申します。5年前に起業をして、売上も何とか安定するようになってきました。事業を続けてくる中で様々な苦労があり、一時は倒産も覚悟したときもありました。そのため、どんなことがあっても潰れない会社を作りたいと思い、上場を本気で考えるようになりました。

そして、いろいろな情報を集めようと思い、上場した社長の苦労話や、上場に必要なものを調べる中で、単に業績を伸ばすだけでなく、内部統制が絶対に必要だということが分かりました。しかし、内部統制をする具体的な方法が、イメージできておりません。やはり、同じ業種ということで、上場したソフトウェア開発会社の体制を参考にするのが良いのでしょうか?

ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)

Fさんがおっしゃる通り、上場をするためにはガバナンス・内部統制はとても重要です。内部統制とは、就業規則や社内規程などを文章化し、全社員が確認でき、ルール、業務フロー通り実行出来ているようにする、またそのチェック体制を整えていくことを指します。簡単に言うと「正しいことが出来ているか?」ということです。上場をする上では、内部統制が取れているかの判断基準として、エビデンスが必要になってきます。内部監査が入り「実際に行われた結果が残っているか?」や「ちゃんとルール・フロー通り行われているか?」などのチェックをします。

以前、ある銀行にお金を振り込もうとしたら、業務フロー通りにできていないことがあったようで「振り込みをしないでください」と言われたことがあります。「売上が上がるのだからいいじゃない」と思いますが、ルールに反して利益を出してしまうと、金融庁から叱られてしまうそうです。それくらい内部統制を徹底することは難しいのです。

内部統制の具体的な方法がイメージ出来ていないのならおっしゃる通り、上場した同じ業種のソフトウェア開発会社の体制を参考にするのが良いです。また、内部統制をする方法として一番のおすすめは、自社で全て取り組むことです。弊社では最初に私が主な規程を作りました。社員たちは各部署で業務フローなどの作成や、必要に応じ改訂をしています。また、内部監査などでも各部署の社員にチェックをする機会が回ってくるようにしています。このように自社で内部監査を一貫して行うことで、社員自ら学ぶので、深く理解し統制の取れた運用に繋がるのです。しかし、そう簡単にはいかないようであれば、コンサルティング会社にお願いするのが手っ取り早いかもしれません。内部統制をする上で、必要な規程など書面にするところまで含め作ってくれる会社もあります。

私は上場コンサルタントでもあるので、内部統制についてもぜひご相談いただければと思います。また、ポットキャストで配信している「社長に聞くin WizBiz」という番組で、上場企業の社長様たちにインタビューをし、苦労話などして頂てるのでぜひそちらも参考にしてください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

※新谷哲に経営相談をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。初回のみ無料で承ります。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「内部統制をする具体的な方法とは?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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