本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。
相談内容:「適切な借入限度額はどのくらいでしょうか?」
- 相談者:C社様
- 業 種:WEB制作会社
- 資本金:1千万円
- 年 商:1.8億円
コロナウイルスの感染拡大以降、受注減少を受け、政府系金融機関からの借入を進めました。現在、平均月商の約3ヵ月分の手元資金を確保しております。足元、受注は下げ止まり回復傾向にあります。すぐに資金繰りに窮する状況ではございませんが、どこまで手元資金を厚くすべきか決めかねています。適切な借入限度についてアドバイスお願いいたします。なお、信用保証協会の借入枠、無利子・無担保融資の別枠ともにまだ全額残っております。
ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)
これは2021年1月26日に収録をしているご相談で、新型コロナウイルス蔓延による緊急事態の真っ只中です。私からのアドバイスは「緊急事態では借りれるだけ借り入れるべき」です。何が起こるか予測が出来ないからです。何もなければ早めに返済すればよいのです。無担保無利子でお借り出来るので、緊急時は手元資金を厚くしておきましょう。友人の社長たちの中には平常時に債務超過だった方が、特別融資枠によりお金を借りることが出来「こんなに口座に現金が残っているのは初めて!」と言う方もいらっしゃいました。
一方平常時の適切な借入限度額は、「年商の3分の1、平均月商の3か月分」などとコンサルティング業界では言われています。バブルの頃は「年商の3分の2まで借りていい」なんてことも言われていました。実際には会社ごとに適切な額は違います。バランスシートを見て、将来を予測していく必要があります。
このように、平常時と緊急時で適切な借入額は変わってきます。捉え方を変えれば、コロナウイルスの蔓延により特別融資枠が設けられたということは、チャンスでもあります。弊社も2月初頭から準備を始め、5月と10月に2度の融資を受けています。新型コロナウイルス感染症特別貸付から3000万円、新型コロナウイルス感染症に係るセーフティネット保証4号から、6000万円(2000万円+4000万円)の計9000万円調達することが出来ました。セーフティネット保証4号ではなんと1年間無利子、それ以降の金利は少し高いですが1.5%です。正直、前期も黒字だったので借入をしなくても生き残ることは出来ると感じますが、予想を超えることも見越して資金を残していく必要があります。
C社様はすぐに資金繰りに窮する状況では無いようですが、その点を踏まえ借入を進められてはいかがでしょうか?ご希望がございましたらご相談に乗らせていただきますので、ぜひお声がけください。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「平常時と緊急時の借入額について!」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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