本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。
相談内容:「人材育成の仕組みを変えて、離職を減らす方法についてお教え下さい」
- ご相談者:E社様
- 業種:食品加工業
- 所在地:埼玉県
私は、埼玉県で食品加工業を経営おります。本日は、人材育成についてご相談をいたします。
弊社の経営課題の一つに、新入社員の離職がございます。3年以内の離職率が57%と高く、その要因を探り、解決には「人材育成の方法を変える必要がある」と結論を出しました。
ただ恥ずかしいことに、これまでの人材育成の方法は「仕事は見て覚えろ」だったため、新入社員にとって良い人材育成の方法を、イメージすることができません。
そこでご質問がございます。新谷さんはどのような方法で人材育成をしているのか、離職を減らすためにどのような人材育成の体制を整えればいいのか、お教えいただけないでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします。
ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)
離職に関する経営課題は、大変難しい問題です。
中小企業の有効求人倍率は非常に高くて、IT業界だと6倍~7倍、建設業界は9倍~10倍というような感じで、5社に1社しか採れない、10社に1人しか取れない、という採用状況になっています。
人材が採用できない以上、新入社員の人材育成は全ての企業で重要になり、離職率などの指標も大切なります。離職率を下げるという意味では、新入社員の人材育成を制度化・プログラム化する方法は重要になります。
弊社がおススメする方法としては、経営理念の浸透を図り、部長から最初に業務内容を教え、そしてブラザー制度のような形で先輩役がそばについて教えていくこと。このような方法で人材育成を進めることができれば、離職率が下がってまいります。
新入社員を人材育成し離職率を下げるには、「2年後、3年後の自分を想像させる」ことが重要になります。先輩社員をそばに置いて人材育成をすることは、「3年後はこの先輩みたいな活躍ができるんだ」という姿を見せることに繋がります。弊社でも、目標となる人物像というものを経営ビジョンや人事評価制度の中で示しております。まずは「どのような社員に育ってほしいか」を定めることが、離職率を下げる人材育成を行う方法の第一歩となります。
弊社を例に挙げますと、弊社は「経営者向けネットメディア」の事業を経営しています。社員には「経営者の考えを理解しなければならない」と言っており、人材育成も「経営者のことを理解できる社員」になるために、必要となる方法をそろえています。研修としては「決算書の勉強会」「営業マン基礎講座」を用意したり、ドラッカーの「現代の経営」を必読書に指定しレポートを出させる、という方法も取っています。
E社様も離職率を減らすために、まずは「新入社員がどのように成長してほしいか」を考え、人材育成のプログラムをしっかりと作ることが大変重要です。ぜひ、新入社員が目指すべき人物像を見据え、それに向かって人材育成制度を構築してください。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「人材育成の仕組みを変え、離職を減らす方法とは?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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