成功経営者インタビュー

株式会社ヴィス 代表取締役社長 中村 勇人氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信
中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、中村 勇人氏(株式会社ヴィス 代表取締役社長)です。(2022年1月26日 2022年2月2日 配信)

今回は、株式会社ヴィスの中村勇人社長にお越し頂きました。

デザイナーズオフィス事業のリーディングカンパニーであり「はたらく」をデザインする、東証二部上場企業の経営者です。
新型コロナウイルスによるテレワークの拡大を機に、 "働く場所"への関心が高まりました。人生において多くの時間を過ごすオフィスの環境は、企業経営に多くの影響をもたらします。
経営課題の解決に向け100社100通りの思いをかたちにし、企業ブランディング構築や企業価値向上を支援されてきた中村勇人氏のエピソードから経営のヒントが得られます。
ぜひインタビューをお読みください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社ヴィスの中村勇人社長です。まずは経歴のご紹介です。1960年、大阪府生まれ。高校卒業後、大手ディスプレイ商業空間デザイン会社に就職をされます。その後、1998年に株式会社ヴィスを設立。2004年からデザイナーズオフィス事業をスタートし、オフィスデザインから、WEBサイト、パンフレット・ロゴ等の制作まで、一貫したデザインをクライアントに提供されています。そして、2020年には東証マザーズへ上場し、2021年には東証二部に指定替えをされています。本日はよろしくお願いいたします。

中村勇人:よろしくお願いします。

新谷哲:最初の質問です。小学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

中村勇人:小学校の後半に奈良県へ引っ越しをしましたが、それまでは大阪府の河内というエリアで育ちました。非常に仲間意識が強く地元に密着した生活で、毎日外に出かけては、日が暮れるまで好きなことをして遊んでいた記憶があります。

新谷哲:中学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

中村勇人:常に背伸びをしていました。先輩たちから強い影響を受けて、いろいろな経験をさせてもらいました。

新谷哲:高校時代はどのようにお過ごしでしたか?

中村勇人:大阪にある「アメリカ村」で遊んだり、アルバイトもしていました。
学校の外で、「社会勉強」として多くのことを学び、それが今でも非常に役立っています。

新谷哲:高校卒業後は、大手ディスプレイ会社にご就職をされました。こちらを選ばれたきっかけはございますか?

中村勇人:デザインやディスプレイに強い関心があったわけではないのですが、年間休日が多いという理由で就職を決めました。当時は、仕事よりも「遊びたい」という気持ちが強かったからです。しかし現実には、入社から半年間は休みがなく、仕事に専念をしました。

新谷哲:当時の思い出はございますか?

中村勇人:OJTに近いものを受けた後、仕事をスタートしました。ディスプレイメーカーのクライアントはデパートやアパレルメーカーがメインで、設置作業や、店外イベント・展示会準備など、365日昼夜問わず働きました。それでも会社を辞めなかったのは、先輩と飲みに行くのが楽しかったからです。毎日と言っていいほど終電が無くなるまで一生懸命に仕事をし、その後みんなでお酒を飲み、会社で寝るなんてこともよくありました。全てがいい経験だったと思っています。

新谷哲:その後、1960年に株式会社ヴィスを創業されました。起業するきっかけはございましたか?

中村勇人:会社がどこを目指しているのか見えなくなってしまったからです。条件などではありませんでした。突然に退職をきめたので「有休の間に会社設立の準備をしよう」と、事業計画もないスタートを切りました。

新谷哲:なぜ転職などではなく起業だったのでしょうか?

中村勇人:大阪という狭いエリアで仕事をしていたので顔見知りも多く、同業他社への転職は全く頭にありませんでした。2か月間は知り合いの会社に通い会社設立の準備を進めました。

新谷哲:バブル崩壊後に起業をされることに、不安はございませんでしたか?

中村勇人:全くありませんでした。退職時に噂が他社に広まり、何社かオファーを頂いていたことが自信に繋がりました。そして会社設立と同時に、お付き合いをしていた方々に創業の挨拶状を600枚ほどお送りしました。すると、皆さんから驚きのお電話をいただいたのです。「これはチャンスだ!」と思い、前職との関係もあるので一緒にお仕事はできませんが、「お客様のご紹介をいただけませんか?」とお願いをしました。そこからご紹介が増え「やっていける!」と確信しました。

新谷哲:創業後のご苦労はございますか?

中村勇人:正直、苦労はありませんでした。会社設立の翌月には、売上入金があり自分の給料を出せました。本当にラッキーです。

新谷哲:なるほど。当初から上場をお考えでしたか?

中村勇人:全く考えていませんでした。1人で会社をスタートし、2010年には社員数が50人弱になるほど会社は成長しました。節目だと感じ「これからの10年間」について、社員に発表をしました。その時に初めて、根拠もなく「IPO」という言葉を用いました。口にできるような利益が出ていたわけでは無いので、具体的に動いたのは先になります。しかし、私のコミットを聞いたあたりから、社員の間では意識していたのかもしれないですね。

新谷哲:ありがとうございます。もしよろしければ、株式会社ヴィスの事業内容をお教えいただけますか?

中村勇人:弊社は、「デザイナーズオフィス事業」を皮切りに成長した企業です。具体的には、オフィスデザイン・グラフィックデザイン・WEBデザインをワンストップで行い、企業ブランディング構築・企業価値向上のお手伝いをしています。この事業が大変好調で、多くのお喜びの声を頂戴しております。本日伺った企業様では、200万円かけて採用をしても内定者6人中2人しか入社しなかった状態から、10人中10人入社と、採用効率が大幅に改善されたそうです。現在のようなコロナ禍では、オフィス勤務・在宅勤務など、多様な働き方に適応することが企業には求められています。そんな中、企業様ごとに最適な働き方を実現しビジネスが回るよう、「どのようにはたらくか。」をキーワードに、デザインだけではなくコンサルティングもさせて頂きます。ワークプレイスを可視化しオフィス最適化に有用なレポートを提供する「wit(ウィット)」では、オフィスの使用頻度・所在地などの質問から在宅率などを算出し、オフィスの適正化を図っています。また、社員の心身の健康状態やエンゲージメントを把握することができる、組織改善サーベイ「ココエル」というSaaS的なツールも展開しています。一拠点で従業員数が50人を超えると、労働法により年一回のストレスチェックの実施が義務づけられており、この機能も兼ねています。このように幅広く、「はたらく」に関する企業の課題を一気通貫でサポートしています。

新谷哲:ここからは違う質問をさせていただきます。好きなもの、好きなことをお聞きして、「ヨット、ゴルフ、読書、仕事」とお答えいただきました。仕事がお好きなのですね!

中村勇人:はい。もう、楽しくて仕方がありません。会社を設立した当初は、商業施設の空間デザインをしておりました。ご商売される方にとって、お店のデザインは一番と言ってよいほど重要な要素です。プロフェッショナルとして、顧客の想像を超える空間を作り上げることは「できて当たり前」の世界でした。ところが、オフィス空間を手掛けたところ、そこで働く方たちから非常に喜んで頂くことができました。その頃から「仕事が楽しい」と心から思うようになりました。また、弊社の社員はよく働きます。オフィスができあがった後に、お客様がプロジェクトメンバーを食事に連れて行って下さるということも良くあります。そんな姿を見て、「自分も頑張らにゃいかん!」と日々モチベートされています。とはいえメリハリは大事なので、しっかり遊び、息抜きはしています。

新谷哲:ありがとうございます。座右の銘もお聞きして「言行一致」とお答えいただきました。こちらを選ばれた理由はございますか?

中村勇人:トップに立つ者が言っていることと、やっていることが一致しない場合「付いていきたくはない」と感じるからです。例えば、会食です。経営者であれば、この言葉を都合よく用いて行動を自由に決めることができます。しかし私は、ほとんど会食には行かず、90%は社員と食事をする時間に使っています。普段きびしいことも言いますが「言行一致」を実践できるよう、自身にプレッシャーを与えています。

新谷哲: 次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。

中村勇人:「継続」です。私は、人よりも秀でたところがある訳ではありませんが「やる!」と決めたことは継続します。上場をするまでには7年ほどかかりましたが、あきらめることはありませんでした。いつまでも、そうありたいと思います。

新谷哲:大変参考になるお話でした!中村勇人社長、本日はありがとうございました。

中村勇人:ありがとうございました。

編集後記

今回は、中村勇人社長でした。学生時代までは遊びが優先だったようですが、現在は仕事一筋の素晴らしい経営者様です。お話を聞いていて、本当に仕事が大好きなことが伝わってきました。また「言行一致」を徹底し、自身にプレッシャーをかけ律することは、経営者として見習うべきだと感じました。ぜひ皆様も参考に、共に成功社長を目指していきましょう!

中村 勇人氏
株式会社ヴィス 代表取締役社長

1960年、大阪府生まれ。大手ディスプレイ・商業空間デザイン会社を経て、1998年に有限会社ヴィス(現・株式会社ヴィス)を創業されます。一早くオフィス環境が企業に与える影響に着目し、2004年からデザイナーズオフィス事業をスタート。以降、オフィスデザインから、WEBサイト、パンフレット・ロゴ等の制作まで、一貫したデザインを提供し、業界のリーディングカンパニーとして事業を拡大。ベンチャー企業から大手企業までをクライアントに抱え、日経ニューオフィス賞を25回以上受賞するなど数々の受賞企業を創出。そして2020年には、東証マザーズへと上場し、2021年には東証2部へと指定替えをされます。働き方の多様性が提唱される現代において、「ワークデザインカンパニー」として“はたらく”をデザインされています。

※本インタビューへの出演をご希望の方はこちらよりご応募ください。

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、中村 勇人氏(株式会社ヴィス 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

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