成功経営者インタビュー

株式会社デジタリフト 代表取締役 百本正博氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、百本正博氏(株式会社デジタリフト代表取締役)です。(2022年10月26日 2022年11月2日 配信)

今回は、株式会社デジタリフトの百本正博社長にお越し頂きました。デジタルマーケティング事業を展開する、東証グロース市場上場企業の社長様です。困難があろうとも、内に秘めた炎を絶やさず邁進することで想いを実現されてきた百本氏。経営のヒントが得られますので、ぜひ、インタビューをお読みください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社デジタリフトの百本正博社長です。まずは経歴のご紹介です。日本大学商学部卒業後、1995年に株式会社大広へご入社。2005年に退社した後、IT企業のコンサルタントとして新規事業開発等を担当。同時に、サラブレッドの輸入販売育成業の立ち上げに参加されます。その後、2012年に株式会社デジタリフト(旧・株式会社電子広告社)を設立し、代表取締役に就任。2021年9月には、東京証券取引所グロース市場(旧・マザーズ)へ上場をされています。本日はよろしくお願いします。

百本正博:よろしくお願いいたします

新谷哲:最初のご質問です。ご出身はどちらですか?

百本正博:東京都杉並区です。

新谷哲:小学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

百本正博:我ながら、活動的で純粋な少年だったと、いいように解釈をしています(笑)。ボーイスカウトや少年野球をやっていたので、日が暮れるまで外で遊んだり、学校ではクラスメンバーがそれぞれ誰を好きか統計しマッチングをしてみたり、いろいろな遊びを考案していました。また、カトリック教会の日曜学校に通っていたことで隣人愛のようなものがはぐくまれ、担任の先生からハンデキャップがある子のサポート役に任命されていたこともありました。

新谷哲:クラスの人気者だったのでしょうね!中学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

百本正博:私は1970年生まれなので、当時全盛期だったアイドルや洋楽にとても興味を持っていました。レンタルレコードをカセットテープに録音し、いろいろな楽曲を聴いていましたね。特に、「セーラー服と機関銃」で心を打ち抜かれて、完全に薬師丸ひろ子フリークでした(笑)。

新谷哲:私も、薬師丸ひろ子さんが大好きでした!高校時代はどのようにお過ごしでしたか?

百本正博:都立高校に進学をしました。それまでは野球を続けていたのですが、野球部が無かったので、放課後はアルバイトや友達と遊んで過ごしていました。勉強はほとんどしていませんでしたね。

新谷哲:その後、日本大学商学部へ進学されます。こちらを選ばれた理由はございますか?

百本正博:日本大学は大規模な総合大学なので、多くのOBがさまざまな業界で活躍をされています。同じ大学出身ということが、社会に出てから役に立つ時があるということを大人たちから聞いていたので、志望することにしました。商学部を専攻した理由は、父の影響が大きいです。私の父は、経営者だったこともあり、教育方針が厳しい人でした。幼少期からその価値観を刷り込まれていたので、商売の適性はあるだろうと感じていましたし、ゆくゆくは「経営者となり父を超えたい」と、おぼろげな目標を抱いていました。

新谷哲:大学時代はどのようにお過ごしでしたか?

百本正博:日本大学商学部内の体育会にあるアメフト部に所属していました。練習は週5回、休みの日はウエイトトレーニングも行っていたので、アメフト漬けの毎日でした。ただ、シーズンオフにはアルバイトもしていました。

新谷哲:大学卒業後、1995年に大手広告代理店の株式会社大広にご入社されました。こちらを選ばれた理由はございますか?

百本正博:総合広告代理店を何社か受けたのですが、OB訪問をする中で、同社であれば比較的キャリアが浅くても責任のある仕事を任せてもらえるチャンスがある環境だと感じたからです。

新谷哲:当時の思い出はございますか?

百本正博:とにかく厳しかったですね。当時、総合広告代理店は人気業種だったので、鼻っ柱の強い新入社員が非常に多くいました。そのためか私の配属先の場合、まずは峻烈な指導が行われました。新人が打ちひしがれ全てを受け入れることができる状況になってはじめて、一気にインストールをする教育法でした。その際の厳しい指摘は、今でもよく覚えています。

新谷哲:2005年には退社し、IT企業のコンサルタントや、サラブレッドの輸入販売育成業に携わられていますね。こちらは、起業されたのですか?

百本正博:知人数名と共同で起業をし、取締役を務めさせて頂きました。起業のきっかけは、父をギャフンと言わしてやりたいとの思いからです笑。私は、就職活動を頑張ったことで大広に内定を頂くことができ、サラリーマンとなりました。しかし、そのことを父に報告したところ、厳しいコメントをもらったんですね。その言葉がずっと頭の片隅にあったので、大広で育てて頂いた恩を返し切ったら独立をしようという思いはありました。そして、そろそろ返せたのではないかと思い始めた時期に、ご縁ですかね、お話をいただいて決断しました。

新谷哲:その後、2012年に株式会社デジタリフトを創業されます。きっかけを教えていただけますか?

百本正博:創業のきっかけは2つあります。1つ目は、デジタルマーケティング市場の広がりが見て取れたからです。私が大広に在籍していた時代のITテクノロジーは、まだまだ成長過程の段階でした。そのため、デジタルマーケティングでできることはあまり多く無かったのですが、時代と共に進化し「お客様の課題を解決しうるものになってきた」と感じるようになりました。2つ目は、自身の適性を感じたからです。当時の状況では、デジタルの機能に加え、オフラインの知識やブランド理解のある供給者が不足していると感じていました。私は大広や、その後のインターネット広告代理店サポートなどで、総合的な広告領域のノウハウを培ってきました。その能力が求められていることを実感し、お客様のお役に立てるだろうと創業に至りました。

新谷哲:創業の苦労はございましたか?

百本正博:デジタリフトを創業するまでには、7年間広告業界を離れていました。ブランクがあり初動の苦労があったので、初めての受注を頂けたときは、非常に勇気をもらいました。そのお客様は、私がインターネット代理店のサポートに携わっている時に、コーチングを担当していた方でした。彼は、そこから数年間で大社長になっていて、「話が難しくてよく分からないのですが…。百本さんには昔お世話になったので!」と、仕事を発注してくださったのです。そこで助けていただいたことで、徐々に感覚を取り戻せ、事業を軌道に乗せることができました。

新谷哲:2021年9月には、東京証券取引所グロース市場(旧・マザーズ)へ上場をされています。当初より上場をお考えでしたか?

百本正博:はい。ただ、私は「ドカーン!」とぶち上げるタイプではありません。誰にも見せずに、心の中で炎を燃やし続けていました。そして時期が来て、社員達に「1度しか話しません。私は、上場を目指しています」とだけ告げました。上場前は、株式会社フリークアウト・ホールディングスの連結子会社だったので、インサイダー取引に抵触しないよう非常に気を使いましたね。

新谷哲:上場に向けてのご苦労はございましたか?

百本正博:特に苦労したことは2つあります。1つ目は、予実管理です。広告業界は、どうしても景気によって売上が左右されてしまいます。各企業様が広告予算を削っている時こそ、高い広告効果が得られるのですが、デジタル広告となると予算の大きくない案件も多く、難しさがありました。2つ目は、人材の獲得競争です。業界の人材不足が恒常的なため、これは今でも課題です。

新谷哲:ありがとうございます。それでは、株式会社デジタリフトの事業内容をお教えいただけますか?

百本正博:弊社では、クライアント企業様のお悩みを解決するための、デジタル施策サポートを行っています。特徴としては、サービスのラインナップを多く取り揃えているので、どのようなお悩みに対してもワンストップでソリューション提供することが可能だということです。

具体的には、大きく2つの領域があります。1つ目は、広告・コンサルティング領域です。こちらは、設立当初より展開しているインターネット広告運用や、コンサルティング、少額運用対応型の半自動広告配信サービスを提供しています。広告予算を割きづらい小規模企業や、スタートアップこそ、ビジネスを軌道に乗せるために広告が重要です。しかし、通常の運用型広告ではどうしても工数による費用が発生してしまいます。そこで、運用を自動化させるツールをリリースさせて頂きました。これを用いることで、少額からサービスをご利用いただけるので、ビジネスの初期グロースからコミットをすることが可能です。
2つ目は、ブランド・メディア領域です。当社では以前より、広告運用の付帯領域として取組んでいたサービスですが改めて注力して取り組んでいます。具体的にはSEOサービス、アフィリエイト広告、SNS運用サービス、広告クリエイティブ制作、インフルエンサーマーケティング支援となります。お客様のサポートをさせていただく中で、広告配信領域以外にも多くのご相談、ご要望をいただくようになっていますし、このような領域でクライアント課題の解決を通じて当社のミッション「User Experienceをデジタル技術で最適化する」の実現に向けて取り組んでいます。

近年では、デジタル技術が複雑化、高度化しているので「よく分からない」と感じるお客様も多いのですが、信頼できる相手としてクライアント企業様の成長に寄り添い、伴走させていただいております。

新谷哲:ありがとうございます。ここからは違う質問をさせていただきます。好きなもの、好きなことをお聞きして「愛犬モモちゃん・サウナ・ウォーキング・スポーツ観戦」とお答えいただきました。愛犬家でいらっしゃるのですね。

百本正博:もう大好きです。夜は妻ではなく犬と寝ています(笑)。

新谷哲:座右の銘もお聞きして「精神一到何事かならざらん」とお答えいただきました。こちらを選ばれた理由を教えていただけますか?

百本正博:これは、『朱子語類』に記された言葉で、「精神を集中して努力すれば、成し遂げられないことはない」と言うことを指しています。ちょっと固い表現になってしまいましたが、強い意思があるからこそ、辛く厳しい場面においても心が折れることなく、努力をし続けられるのだと思います。それが、先の道へと通ずると信じているので、可能性を探り続けていきます。

新谷哲:次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。

百本正博:「信じる」ということです。仲間を信じる、そして自分自身を信じる。この心を最後まで持ち続けられることが重要なのではないかと感じています。

新谷哲:大変参考になるお話でした!百本正博社長、本日はありがとうございました。

百本正博:ありがとうございました。

編集後記

今回は、百本正博社長でした。大学時代にアメフトをされていたからか、力強い風貌と、はきはきとした聡明な受け答えが印象的な、素晴らしい社長様でした。成功の秘訣でお話頂いた「信じる力」も、そのご経験が活きているのかもしれませんね。ぜひ皆様も参考に、共に成功社長を目指していきましょう!

百本正博氏
株式会社デジタリフト 代表取締役

東京都出身。日本大学商学部卒業後、1995年株式会社大広にご入社。営業局にて総合流通業(GMS)、通信事業、メガバンク、自動車メーカー、総合飲料メーカー、信託銀行等を担当し、ブランド開発、VI開発、コミュニケーション構造構築、メディアプランニング及びバイイング、イベント企画立案及び実施管理に従事されます。その後、2005年にIT企業を共同創業し、コンサルタントとして新規事業開発等を担当。同時に、サラブレッドの輸入販売育成業の立ち上げに参加されます。そして、2012年11月に株式会社デジタリフト(旧・株式会社電子広告社)を設立し、代表取締役にご就任。クライアントの経営課題解決に向け、ワンストップでデジタルマーケティング施策のサポートを行い、2021年9月には東京証券取引所マザーズ市場(現・グロース)に上場を果たされました。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、百本正博氏(株式会社デジタリフト 代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。

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