成功経営者インタビュー

経営者インタビュー 富田直人氏(株式会社イノベーション 代表取締役社長)

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、富田直人氏(株式会社イノベーション 代表取締役社長)です。

今回は、法人向けインターネットマーケティング事業会社を経営する、株式会社イノベーション代表取締役社長の富田直人氏にお越しいただきました。幼い頃から負けず嫌いで、勉強もスポーツも、努力して勝ち取ることが当たり前だったという富田直人社長。大学卒業後にはリクルートに入社し、IT企業に対する企画営業・マーケティングやIT関連メディア「キーマンズネット」立ち上げなどの経験を経て、2000年12月に株式会社イノベーションを設立。2016年12月に東証マザーズ上場を果たしました。「成功するためには、成功するまでやめない。」努力をもって大きな成功をつかみ続けてきた富田直人社長の経営者インタビューを、どうぞお読みください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは、富田直人社長です。まずは経歴をご紹介します。1965年生まれ、浜松市出身。1987年にリクルートにご入社、その後2000年12月に株式会社イノベーションを設立し、代表取締役社長に就任。法人営業の新しいスタイルを創造するべく、法人向けにインターネットマーケティング支援事業を展開。2016年に東証マザーズに上場を果たした上場企業の経営者です。富田直人社長、よろしくお願いいたします。

富田直人:よろしくお願いいたします。

新谷哲:まずは最初のご質問です。浜松市ご出身ということですが、大河ドラマにもなった井伊直虎の浜松ですか?

富田直人:さようでございます。

新谷哲:小学校・中学校時代は、どのようにお過ごしでしたか?

富田直人:地元の公立小学校・中学校、かなり平凡な学生だったと思います。ただ、非常に負けず嫌いなところがありました。勉強などで競うことがあると「絶対勝ってやるぞ」という思いを内に秘めていました。努力をして勝ち取ることが好きなタイプで、両親に好かれたい思いが強かったです。

新谷哲:小学校・中学校時代から努力するのが好きだったのですか?

富田直人:そうですね。自分の納得いく成果を残すためには「努力しないといけない」と小さい頃から分かっており、「頑張れば何とかなるんだ」と思っていました。

新谷哲:高校時代はどのようにお過ごしでしたか?

富田直人:浜松市の県立高校に入学し、ボート部に入部しました。浜松には佐鳴湖という湖があり、ボートが盛んなのです。4人乗り・8人乗りのボードで競争するというスポーツで、ボート部の仲間とはかなり仲良くしていました。有意義な高校生活を送ったと思っています。

新谷哲:ボートは今でも続けているのですか?

富田直人:高校の部活の時だけですね。

新谷哲:高校卒業後、横浜国立大学に進まれていますが、こちらの大学を選んだ理由はございますか?

富田直人:裕福な家庭ではありませんでしたので、親孝行のために「国立大学」を選びました。次に父親が電気工事業の経営者をしており「父親の仕事を継いで経営者になる」と考えて、電気工学科に入ろうと決めました。電気工学科がある国立大学には、横浜国立大学以外にも、静岡大学という自宅から通える大学があったのですが、「やはり自宅から出たい」と思い、横浜国立大学を選びました。

新谷哲:大学卒業後は、リクルートに入社されていますね。理系出身では珍しい進路だと思いますが、リクルートをお選びになった理由は何でしょうか?

富田直人:私が入社した1987年は、就職に良い時代でした。理系であれば銀行・証券・商社・一般の電機メーカーなど、推薦でどこにでも入社できたのです。どこに入ろうかと就活をする中で、「何年か勉強のために東京の会社で働いて、3~5年したら帰って実家を継いで経営者になろう」と思い会社を選びました。IBM、SONY、富士通、日立といった大手電機メーカーの推薦があり、何社か行ってみたら「これは3~5年で辞める会社じゃない」ことがよく分かりました。この時点で文系就職を始めました。「若いうちから仕事を任せてくれて3年~5年で辞めて良い」という条件で探す中でリクルートがございましたので、入社しました。

新谷哲:リクルートには何年いたのですか?

富田直人:12年半です。

新谷哲:当初の予定より長かったのですね。リクルートではどのように過ごされたのですか?

富田直人:私は理系出身だったので、通信技術者で入社予定でしたが、配属先は営業でした。大学の頃から営業のイメージは非常に悪く、クリエイティビティが高くない仕事というふうに思っていたものですから、営業への配属に相当、文句を言いました。モチベーションも低く、ゴールデンウイークが明ける頃には五月病となり、ふらふらの状態になったところで、人事の方に「お前、人事やれ」と声を掛けていただきました。人事で半年以上、学生の採用に関わったところで「これ営業と同じじゃないか」と気付きます。私は管理部門に行くつもりはなかったので、「やっぱり営業をやりたい」と気持ちが変わり、前の部署に戻ります。営業では「3年以内に一番を取って浜松に帰ろう」と目標を立てました。

新谷哲:なぜ、営業で一番になろうと目標を立てたのですか?

富田直人:私は「商品も会社もしっかりしていて、ルールもある程度限られている環境で、数千人の中でトップも取れない人が、起業して経営者になっても上手くいく訳がない」と思っていました。会社を辞めた後は、「父親の仕事を継いで経営者になり事業を大きくしたい」という思いがあったので、「早くここを去らなければ」という危機感ありました。同僚の女性社員からは「生き急いでいる」とよく言われました(笑)。

新谷哲:それは素晴らしいことだと思います(笑)。戻った部署というのは、人材系の部署だったのですか?

富田直人:私が戻ったのは、創業経営者である江副浩正が考え出したコンピュータ回線を使った、テクノロジー系の新規事業を扱う部署です。リクルートの中でもあまり大きくない事業です

新谷哲:変わった分野をやっていたのですね。

富田直人:かなりニッチです。これが私のキャリアを左右したと思っています。

新谷哲:リクルートを辞めた後、起業して経営者になられていますが、お父様の会社を継いで経営者にならなかった理由はございますか?

富田直人:25歳ぐらいから、夏休み・冬休みには父親の経営者としての仕事の手伝いをして、いつでも実家に帰れるような状態を作っていたのですが、営業でトップが取れなかったので帰る訳にいきませんでした(笑)。また、営業である程度売れるようになってからは仕事が面白くなりました。自分の任される範囲も広がり、成長できていると感じていたので、「ここに残って成長しよう」と、12年半もいました(笑)。30歳ぐらいの時に、父親から「もうこの仕事は難しいぞ」と言われ、私自身も電気工事業の経営よりマーケティングの方が楽しかったので、父親の会社を継いで経営者になるのはやめようと決めました。

新谷哲: 2000年に株式会社イノベーションを設立し経営者となっていますが、起業のきっかけは何でしょうか?

富田直人:きっかけは35歳の誕生日です。「このまま会社にいたら独立・起業できない」と辞表を書きました。

新谷哲:起業し経営者となって、上場までは順調な経営をしていたのですか?

富田直人:順調ではありません。弊社は、いわゆる法人営業、BtoBマーケティングをサポートする会社です。初めに立ち上げた事業がアウトバウンドテレマーケティング。いわゆるお客様に代わって新規のアポ取りを行う事業で、人数が150人~200人ぐらいのコールセンター事業になりましたが、上場前に全て譲渡をしております。もう1つ立ち上げた事業は、リスティング広告。これはお客様が150社ぐらい超えるぐらいになりましたが、これも上場前に売却をしております。最初に立ち上げた2つのメインの事業がなくなっているので、決して順調な経営だったとは言えません。

新谷哲:でも上場できたということは、最初から上場を狙って経営していたのですよね?

富田直人:最初から上場企業にしたいと思っていましたが、初めから狙ったというよりも、「上場を意識しながら会社を成長させる経営を行っていた」と申した方が良いと思います。

新谷哲:株式会社イノベーションはコールセンターの事業から始まっていますが、「これからはコールセンターがいける」と思ったのですか?

富田直人:コールセンター事業をやりたかった訳ではなく、「法人営業に非効率な部分が多い」と思っていました。リクルートでは新規事業の新規開拓を行っていたので、新しいお客様を見つけるのがいかに大変なのかを実感しております。当時はインターネット広告ってなかったものですから、リストを作ってテレアポするか、ダイレクトメールを打って問い合わせ顧客を獲得します。これはコストも労力もかかります。そこで「この法人営業の非効率は事業になるのではないか」とコールセンター事業の経営を始めます。テレマーケティングとは、解決策の1つです。

新谷哲:では法人向けの営業そのもの、もしくは営業周辺を支援という事業で経営をスタートしたのですね。

富田直人:さようでございます。

新谷哲:それが今のオンラインメディア事業やセールスクラウド事業の経営に移ってきた、という感じですか?

富田直人:はい。

新谷哲:具体的には、どんな事業でしょうか?

富田直人:オンラインメディア事業は、いわゆる法人営業の見込み客を獲得するという最初のフェーズの部分をサポートするサービスです。見込み客を獲得した後で、見込み客への営業活動を支援するのがセールスクラウド事業です。弊社は、法人営業の最初の見込み客を獲得すること、見込み客への営業活動を支援することの2つの事業を持っています。

新谷哲:上場を果たされたのが2016年12月ですが、上場まで経営者としてのご苦労は何かございましたか?

富田直人:成長性、利益の額、競合優位性、内部統制など、経営者としていくつかクリアしなければいけない壁がありました。創業以来のテレマーケティングの事業と、リスティング広告の代理店事業の2つを整理することにもかなり時間もかかりました。社内の管理体制や、経営企画体制もほとんどできていなかったものですから、ここを整理するのにかなり苦労はしました。

新谷哲:そのご苦労を上手く成果に変えられて上場をされた訳ですが、富田直人社長から見て、上場後と上場前の景色の違いはございますか?

富田直人:事業経営の内容や、お客様が大きく変わっている訳ではありませんので、ガラリと景色が変わったことはありませんが、何点か違いがあります。1つは責務。公開企業として株主がいて、我々は経営状況を開示する義務がある訳ですから、この期待感というのはかなり感じています。もう1つは、採用。信用ができたからか採用は非常に良くなっておりまして、今まで採用できなかったご経歴の方を採用できるようになりました。

新谷哲:違うご質問をさせていただきます。好きなもの、好きなことをお聞きしたら、「食べ歩き・努力すること・健康オタク」とお答えいただきました。健康オタクということですが、マイブームはございますか?

富田直人:ルーティンでやっていることは、毎朝の気功と瞑想です。朝一番にリラックスする時間を作るため、1年半~2年ぐらいやっています。

新谷哲:松下幸之助も社内に瞑想室があったとお聞きしているので、一緒ですね(笑)。

富田直人:いえいえ(笑)。あとスポーツジムには定期的に通っております。やはり健康的な体でいる、姿勢を良くするというのは経営者として長い間働くポイントかなと思っており、ここもかなり気をつけています。あとは食事と睡眠ですね。適度な食事と十分な睡眠というところは、かなり意識をしています。

新谷哲:座右の銘は「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」。この選ばれた理由は何でしょうか?

富田直人:これは先程お話したリクルートの創業経営者、江副浩正さんが社員に配ったプレートに書いてあった言葉です。リクルートのOB、ちょっと古い方はこのワードを好きな方は非常に多いと思います。やはり黙っていても機会はやってこないので、「自分から機会を作り出して、そこに行くことで自分を変えていこう」という、非常に前向きでアグレッシブな言葉だと思っています。

新谷哲:リクルートご出身の方々に成功経営者が多いのは、この言葉があるからかもしれませんね。最後のご質問になるのですが、全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教え下さい。

富田直人:私はまだ成功しているとは思っていないですが、3点ほどあります。1つ目は「成功するまでやめない」。そうすると成功するしかないと思います。2つ目は、「誠実に生きること」。経営をしていればごまかしたり嘘をついたり、もうなかったことにしようと思うこともあるのですが、全ての出来事を真摯に捉えて誠実に生きることがすごく大事です。3つ目は、「人を大切にすること」。社員もお客様もパートナーも、人と人とのコミュニケーションがあって初めて自分が成り立つと思っています。感謝の気持ちを持って人を大事にして、皆さん支えられているという謙虚な気持ちを持つことが大事です。私はこういったことを守りながら成功経営者になるべく日々努力をしています。

新谷哲:私も反省しなければいけないことばかりなので、努力していきたいと思います。富田直人社長、本日はありがとうございました。

富田直人:ありがとうございます。

編集後記

富田直人社長は本当に素晴らしい経営者で、私も「富田直人社長みたいになりたい」と心から思いました。経営者になるべくしてなった経営者、上場企業の経営者になるべくしてなった経営者、尊敬できる企業経営者が富田直人社長だと思います。上場を目指す経営者も、目指さない経営者も、富田直人社長のようになれるように一緒に努力してまいりましょう!

富田 直人 氏
株式会社イノベーション代表取締役社長

大学卒業後、株式会社リクルートに入社。IT企業に対する企画営業・マーケティングやIT関連メディア「キーマンズネット」立ち上げなどの経験を経て、2000年12月に株式会社イノベーションを設立、代表取締役に就任。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、富田直人氏(株式会社イノベーション 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

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