成功経営者インタビュー

株式会社スパイラルアップ 代表取締役 原邦雄氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、原邦雄氏(株式会社スパイラルアップ代表取締役)です。(2017年4月19日 2017年4月26日  配信)

株式会社スパイラルアップの原邦雄氏は、国内外150社以上で導入され、今なお業績アップ企業が続出している「ほめ育」のトップコンサルタントとしてご活躍中です。日本一のコンサルタントになるために他の人と違うことをすべく、コンサルティング会社勤務の後、4年間ラーメン屋で働いた原邦雄氏の意図とは?この経営者インタビューをお聞きいただければ、「何のために命を使うのか?」自分のミッションを振り返るきっかけになることと思います!

新谷哲:今回の経営者インタビューは、ほめ育コンサルタントの原邦雄氏です。まずは経歴をご紹介いたします。一般財団法人ほめ育財団、株式会社スパイラルアップの代表をしております。世界中の人達を輝かせることをミッションに財団を設立。教育メソッド、通称「ほめ育」を世界に広げているコンサルタントの先生です。大手コンサルティング会社の船井総研を辞められてから、飲食店の洗い場に転職し、4年間住み込みで現場を経験。その現場経験と脳科学、心理学をミックスさせ、子育て分野だけでなく、大人の自己啓発や185社以上の企業に導入されている「ほめ育」のコンサルティングをされていらっしゃいます。それではご質問のほうを始めさせていただきます。まずは最初のご質問ですが、ご出身は大阪ですか?

原邦雄:兵庫ですね。

新谷哲:失礼しました。小学校中学時代はどんな幼少期をお過ごしになりましたか?

原邦雄:走り回っていたイメージです。勉強はそこそこで、毎日友達と走り回っていたというか、相撲をしたり、山が近かったので山登りをしたり、本当に動いていたイメージがあります。

新谷哲:ガキ大将みたいな感じですか?

原邦雄:ガキ大将まではいかないかもしれませんけど、とにかく皆と一緒に走り回っていたイメージです。

新谷哲:高校・大学も関西の方面ですか?

原邦雄:そうです、関西です。

新谷哲:大学はどちらでいらっしゃいますか?

原邦雄:大学は大阪工業大学。

新谷哲:理系ですね。

原邦雄:そうです。僕は理系なのです。

新谷哲:見た目が理系っぽくないような気がします(笑)。

原邦雄:よく言われます。

新谷哲:何を学ばれてたのですか?

原邦雄:化学ですね。

新谷哲:今のお仕事と全然関係ないですよね。

原邦雄:実は、関係なくないのです。分析というかロジックで組み立てるというのは、ほめ育にも重要なポイントです。

新谷哲:なるほど!化学を学ばれてから、その世界に行こうとは思われなかったのですか?

原邦雄:大学4年間で、僕は向いていないと分かりました。

新谷哲:では、ご就職は違うところにされたのですか?

原邦雄:食品会社に就職しました。食品加工場とかに商談するにはすごく有利でした。

新谷哲:化学でやっていたのは食品加工とはちょっと近い分野ですか?

原邦雄:近いですね。

新谷哲:食品加工会社さんを辞められて、船井総研に行かれたのですか?

原邦雄:はい、辞めて船井総研に転職をしました。

新谷哲:辞められた理由は何かありますか?

原邦雄:営業でもっともっとお客様のために貢献したいと思っていたのですが、その当時、会社もまだ伸び盛りでなかなかお客様に提案する材料がなかったのです。自分でいろいろな本とか読みだし、ちょうど船井総研のセミナーをお客さんと一緒に受けに行ったのがきっかけです。

新谷哲:そのセミナーはどんなテーマだったのですか?

原邦雄:経営者に対して指南するような経営セミナーだったのですが、本当にたくさんの経営者が真剣に聞いていて、しかも講師が私と同い年のコンサルタントでした。私はその営業の時に少し数字が良かったですから、同世代で自分よりすごい人間がいないのではないかなと少し天狗になっていたのです。でも同い年のコンサルタントが堂々と経営者の前で喋っているのを聞いて、「あぁ、まだまだ上には上がいるな」と思って、そこから経営コンサルタントになる勉強をし始めました。

新谷哲:では船井総研に入られたのは、同世代のコンサルタントを見て、自分も経営コンサルタントになろうと思ったのがきっかけですね。

原邦雄:そうですね、はい。

新谷哲:船井総研では何か思い出とかはございますか?

原邦雄:本当に厳しくて、外から見たら頭脳派集団に思えたのですが、実は超肉体労働者。週に2、3回は徹夜していましたし、お客様のためにここまで真剣にやる仕事があるのかと、まずは精神的なところを学びました。

新谷哲:では、今でいうとブラック企業みたいな感じですか(笑)。

原邦雄:今でいうと、そうですね。でも皆、進んでやっていたので、強制ではなかったです。そこがまた素晴らしいなと思っていました。

新谷哲:船井総研さんは何年ぐらいいらっしゃったのですか?

原邦雄:船井総研は2年弱ですね。

新谷哲:2年弱で辞められて、ラーメン屋さんに修行に入られたとお聞きしました。

原邦雄:そうですね。もう1回現場に行きたいなというか、先輩から上司からもそういう指南もありましたし、日本一の経営コンサルタントになるためには他と違うこと、他のコンサルタントと違うことをしないといけないと思いました。経営コンサルタントはやっぱり現場に行けないのです。体験はできても生活はできないですから。よしこれなら勝てるのではないかなと思って、人生の賭けというか、思い切ってそこに飛び込みました。

新谷哲:すごいお話ですね。ちなみにラーメン屋さんの時の給与ってどれぐらいもらっていたのですか?

原邦雄:給与は月大体30万少しですかね。ボーナスもありましたし。ただ使う時間がないから、使わないのですよ。

新谷哲:ということは、そんなに働いたということですか?

原邦雄:週1日程度しか休みがなかったですし、その1日も盆とかお正月はなかったですから、使う暇がない。5000円しか使わなかった月もありました。

新谷哲:どうして5000円だけになるのですか?

原邦雄:賄いは出るじゃないですか。住む場所もそのラーメン屋の2階に住んでいました。ですから使うものがないというか、飲み物もそこにありますから、一切使う暇がない。

新谷哲:すごいお話ですね。実際コンサルティング業からラーメン屋さんというと、普通の人は行けないですよね?

原邦雄:行けないと思います。

新谷哲:大変失礼なお話ですが、キャリアを落としているイメージなのですが、それに行こうと思った理由というのは何かあるのですか?

原邦雄:船井総研で上を目指そうとした時に、頭の良い人というか、すごい人が多くて。これはのし上がれない、上にいけないと、直感的に実感しました。でも僕は負けず嫌いなので、どこかの分野で一番になりたいと思った時にもうここしかない、という光が見えていたのも理由です。

新谷哲:なるほど。ラーメン屋さんは何年ぐらいいたのですか?

原邦雄:4年2カ月いました。

新谷哲: 4年2か月後に、経営コンサルティング会社を創業されていると思うのですが、起業をする前に「よしそろそろいけるな」と思った瞬間というのは何かあったのですか?

原邦雄:お客さんから私に来てほしいというか、私の指名が入りだしたことですかね。僕でも企業の役に立てるのかとか、業績アップの何かヒントをしっかりお金をもらって、それが業として成り立つのではないかなというのは、お客様から教えてもらいました。

新谷哲:ではお客様が最初からいた感じですね。

原邦雄:フィーや、価格はどうか別として、この渦というのですかね。お客様から支援される渦というのは感じました。

新谷哲:創業時に苦労されたことはございますか?

原邦雄:思ったよりも固定費がかかること。それと、営業をすればするほど移動費がかかるので、その時に「守るのか」、「攻めるのか」、のバランスを取るのが非常に難しかったです。

新谷哲:創業して何年ですか?

原邦雄:5年半経ちました。

新谷哲: 5年半で世界でセミナーをやれるようになるというのは、大変な苦労があったと思いますが、何かございましたか?

原邦雄:今となったらすごい楽しい思い出なのですが、アメリカに挑戦をした際、守りではなくて攻めきった時は、苦労しました。

新谷哲:御社の今のコンサルティング、「ほめ育」を説明していただけますか?

原邦雄:「ほめ育」は私が作ったメソッドの研修やマネジメントです。日本、アメリカ、中国の企業185社に対して行っています。

新谷哲:経営者、管理者様向けと思えばよろしいですか?

原邦雄:はい、そうです。

新谷哲:なるほど。素晴らしいですね。質問を変えさせていただきます。好きなことは「トライアスロン」ということですが、何でトライアスロンがお好きなのですか?

原邦雄:去年の秋から始めて、「人間の成長というのはすごいな」「40歳を超えてもまだまだ成長できるのだな」と思ったところです。

実は4年~5年ぐらい前から、たくさんの方からトライアスロンをおススメされていたのです。しかしはっきり言って時間もお金もかかるスポーツで、水泳も25mぐらいしか泳げなかったので、去年の秋まで始められずにいました。でもいつか挑戦したいと思っていたので、始めました。水泳も練習して、1500m泳げるようになりました。

新谷哲:どのぐらいの頻度で練習はされていますか?

原邦雄:今は、週に1回か2回できるかできないかという感じですね。

新谷哲:なるほど。経営者らしい趣味といいますか、原社長様らしい趣味といいますか、自分を追い込むのが割とお好きなのですか?(笑)

原邦雄:そうですね、常に追い込んでいないと落ち着かない性格ですね(笑)。

新谷哲:次の質問に移ります。座右の銘は「人はほめられるために生まれてきた」。素晴らしい座右の銘なのですが、これはどういう意味でしょうか?

原邦雄:「人はほめられるために生まれてきた」というのは、真理だと思っています。ほめ育を日本だけではなくて世界に広げていく時に、いろいろな方から「ほめ育はアメリカでは通用しないよ」「ほめ育は中国では通用しないよ」と、言われました。しかしほめ育は、たくさんの人が味方になって世界に広がりました。だから私は、「ほめるのは当たり前」「ほめて欲しいのは当たり前」で、「人はほめられるために生まれてきた」という言葉を胸に秘めて、いろんな人に会いにいっています。

新谷哲:ある意味、ブラック企業の皆さん方に導入していただきたいですね。またブラック企業にいらした原社長様が、ほめ育にたどり着いた理由も、何となく分かったような気がするのですが、やはりブラック企業での経験も関係しているのですか?(笑)

原邦雄:今思うと、そうだったのかもしれないです(笑)。ただブラック企業の経営者も、従業員を大事にしたいという気持ちはお持ちだと思います。しかし、大切にすることを継続するためにはお金がいります。いかに人の価値をお金に変えるのかという、変換能力が経営者とかマネジメント層に求められていると思います。しかし、そこには、少しコツがいるのです。私はそのコツを、研修を通じてお伝えしている感じですね。

新谷哲:経営者の皆様には、是非、ほめ育を体験いただきたいなと思います。最後のご質問なのですが、全国の経営者、社長様、もしくは起業を目指されている方向けに、経営者としての成功の秘訣等をお教えいただけないでしょうか?

原邦雄:僭越ながら、私がずっと心掛けていることをお伝えします。「ミッションというか、何のために命や時間を使うのか」です。私の場合は、世界中の人達を輝かすための判断を常に毎日しているという感じです。後は、原因自分論。経営課題で一番に直さないといけないことは、経営者の人格だと思っています。私は今4つ会社を経営していますが、私の人格が一番問題だと、スタッフにも社員にも言っており、それぐらい謙虚な気持ちでミッション経営をすると、仲間ができて応援していただけると思っています。

新谷哲:大変深いお話を、ありがとうございます。私の人格がまだまだ低いのではないかと反省させられるぐらいですが、大変悩ましい問題です。最後に、原社長は「たった一言で人生が変わる ほめ言葉の魔法」という本を出しておられます。こちらの本のご宣伝をしていただけますか?

原邦雄:アスコムから出ました「たった一言で人生が変わる ほめ言葉の魔法」。これは日本と世界50万人の人達が変化、成長をした内容を入れています。今までのコンサルタントの内容だけではなくて、いろいろな人間関係、親子関係や夫婦関係が次々と良くなるようなほめ育、ほめ言葉の魔法を1冊にまとめました。もしよかったらご一読ください。

新谷哲:是非、経営者の皆様もご参考にしていただければと存じます。原社長様、本日はどうもありがとうございました。

原邦雄:どうもありがとうございました。

編集後記

原社長様のお話をお聞きし、まさか理系とは思いませんでした。理系だから、ほめ育というメソッドが作られてきたのかと強く感じました。特に理系で頭が良いというのにも関わらず、ブラック企業といいますか、一生懸命に、皆さん方が働くようなところにも体当たりで入っていかれて、自分を鍛えられ、コンサルタントとして活躍し、今は世界に羽ばたいている、大変素晴らしい経営者でいらっしゃいます。是非、ほめ育もどんどん広げていっていただきたいと思っております。本はもう英訳にも中国語訳にもなっているそうで、報道ステーションやNHKにも出演、ハーバード大学でも2回セミナーをやっております。私自身も、もっと原社長みたいに素晴らしい経営者にならなきゃいけないと感銘を受けました。是非、皆様も真似されてはいかがでしょうか。またほめ育を読んだり、セミナーを受けられたりしたらいかがでしょうか。本日はどうもありがとうございました。

原 邦雄 氏(スパイラルアップ代表取締役)

一般社団法人日本ほめ育協会 代表理事
1973年、兵庫県芦屋市出身。大阪工業大学を卒業後、食品メーカーの営業を経て、経営コンサルタントとして船井総研に入社。
その後、一転してラーメン屋チェーンに転職し、皿洗いから店長までを経験。覆面調査会社C'sを経て、2011年、人材育成のコンサルタントとして独立し、株式会社スパイラル・アップを設立。現在、年商10億円前後の優良企業38社のコンサルティングを行っている。
顧問先は海外にも多数あり、ほぼ毎月海外にもコンサルティングに出かけており、アメリカなど海外での講演デビュープロデュースも行っている。年間セミナー回数60~100回、企業研修100回。そして2014年には一般社団法人日本ほめ育協会を設立した。
「ほめ育コンサルタント」として【テレビ朝日】報道ステーションに取り上げられる。また、「ほめ育」理論はアメリカのウィルシュッツの心理学がベースになっている。2013年4月には「やる気と笑顔の繁盛店の『ほめシート』」を出版し、Amazonビジネス書ランキングで1位獲得。

※本インタビューへの出演をご希望の方はこちらよりご応募ください。

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、原邦雄氏(株式会社スパイラルアップ代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。

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