成功経営者インタビュー

経営者インタビュー 株式会社SGOソリューションズ 代表取締役社長 辰巳いちぞう氏

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、辰巳いちぞう氏(株式会社SGOソリューションズ 代表取締役社長)です。(2018年12月12日 2018年12月19日  配信)

今回は、「誰かを勝たせることにおいて、誰にも負けない」をミッションに、中小企業マネジメントの専門家としてご活躍される、株式会社SGOソリューションズの辰巳いちぞう氏をお迎えしました。幼い頃は、地味なタイプで大人しい少年時代を過ごしたという辰巳いちぞう社長ですが、初めは化粧品会社に就職。その後、4業種にわたり、営業、プロジェクトマネジャー、マーケティング、企画職に従事し、2005年売上アップ研究所を創業。2008年株式会社SGOソリューションズを設立。40社を超えるコンサルティング実績を経て現在に至ります。丁寧な言葉で紡ぎだされる事業の成功の秘訣は、これから起業を目指す方、そして中小企業の経営者を力強く励ますものとなります。ぜひ、経営者インタビューお聞きください!

新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社SGOソリューションズ代表取締役の辰巳いちぞう社長です。まずは経歴をご紹介します。化粧品メーカー、経営コンサルティング会社でPM、人材派遣営業企画マーケティング担当などをされた後、SGOソリューションズを起業し経営者となられました。現在は、累計で110社以上の経営コンサルティング実績をお持ちで、弊社WizBizでも経営セミナーを開催しております。辰巳いちぞう社長、今日はよろしくお願いいたします。

辰巳いちぞう:よろしくお願いいたします。

新谷哲:最初のご質問です。出身は大阪府とのことですが、小学校・中学校時代どのようにお過ごしになりましたか?

辰巳いちぞう:末っ子の長男で、姉が2人おります。甘やかされて育った子どもで、どちらかというと地味で大人しかったと思います。

新谷哲:辰巳いちぞう社長の格好良い雰囲気からは、ちょっと想像できないです(笑)。

辰巳いちぞう:そうですか(笑)。2人の姉は非常に勉強ができ、私の成績は常に下の方でした。中学校・高校までは家庭内の構図は変わらず、大人しくしていました。

新谷哲:目立ってみようとは思わなかったのですか?

辰巳いちぞう:学級委員を決める時に、自ら手を挙げたことがあるので目立つことは嫌いではなかったと思います。部活は、中学校・高校で運動系の部活に入りました。姉達は文科系の部活で勉強が得意だったので、姉達とは逆の生き方を模索していたと思います。

新谷哲:運動系の部活と言うと、野球ですか?

辰巳いちぞう:いえ、中学校はバスケットボール部で、高校はバレーボール部です。野球は数年前から始めました。

新谷哲: Facebookで、辰巳いちぞう社長が毎日野球をしている姿を見ていたので、学生の頃から続けていると思っていました。高校はどのようにお過ごしになりましたか?

辰巳いちぞう:バレーボールに打ち込みながら、アルバイトをしました。部活の練習が終わった帰りにアルバイトを行い、夜12時ぐらいに家に帰って、朝練のために早起きをするという高校生活です。

新谷哲:アルバイトをしようと思ったきっかけはございますか?

辰巳いちぞう:早く社会に出たかったからです。非常に劣等感の強い幼少期を過ごしたので、「誰かと違うことをしなくては」と思っていました。高校2年生から駅前のショップで弁当を売ったりさせてもらっていました。でもアルバイト禁止の高校で、アルバイトをしていることころを先生に見つかり、呼び出されたこともあります。ただ、その時考えていたことをそのままお話をすると、「勉強と部活に影響の出ないようにすれば、黙っておいてやる」と見逃してもらいました。

新谷哲:辰巳いちぞう社長は、先生から好かれるタイプだったのですね。大学は、大阪府の大学に進学したのですか?

辰巳いちぞう:いえ、大学には進まず、高校を出てすぐに働き始めました。

新谷哲:それは、すぐ働きたいという思いが強かったからですか?

辰巳いちぞう:そうです。

新谷哲:最初にお勤めになられたのは化粧品メーカーですが、化粧品メーカーを選ばれた理由はございますか?

辰巳いちぞう:化粧品メーカーを選んだ動機は「化粧品メーカーなら女の子がいっぱいいそう」という不純なものでした(笑)。

新谷哲:辰巳いちぞう社長は格好良いので、求めなくても女性から近寄ってくると思います(笑)。化粧品メーカーを退職後、経営コンサルティング会社に移られていますが、経営コンサルティング会社を選ばれた理由はございますか?

辰巳いちぞう:製造業から1度離れてみたくなり、サービス業の分野は何かないかなといろいろ探して、「経営コンサルティングって何だろう?」と興味を持ったからです。当時は1990年代の終わり頃のアウトソーシングブームに乗っかって、業務委託と業務設計の経営コンサルティング会社に飛びつきました。

新谷哲:経営コンサルティング会社で、経営について学ばれたことはございますか?

辰巳いちぞう:仕事・経営に対する考え方が大きく変わりました。経営コンサルティング会社に入るまでは「売上が悪いのは会社のせい、僕の仕事が楽しくないのは上司のせい」と全てを人の所為にする人間でした。この経営コンサルティング会社で、考え方が180度変わります。どのくらい変わったかと言いますと、仕事観だけでなく人格も大きく変わったことで家庭内に不和が起きて離婚するくらいです(笑)。

新谷哲:なるほど(笑)。その後、人材派遣会社にお勤めになられてから起業して経営者となりますが、経営コンサルティング会社を辞めてすぐに、起業して経営者になろうとはお考えにならなかったのですか?

辰巳いちぞう:起業して経営者になることは考えました。ただ、経営コンサルティング会社にいた時、プロジェクトマネジャーと営業職の両方を経験したのですが、営業成績の悪い人材でした。その時に「何で売れないのか?何が駄目なのか?」を考え抜くこと、「こうすれば駄目になる」ことが分かってきたのです。そこでクライアントを見ると、駄目になることをやっているのです。クライアントに「あなたは私の考え得る駄目なことを全部やっている」と伝えられるようになってから、「自分でも何か伝えられるのではないか?伝えられるのなら経営者になって自分で伝えたい」と思ったことが、経営者になるきっかけになりました。人材派遣会社に入った理由は、「業務設計や業務効率化の分野が苦手なので、営業マーケティングの分野を経営した方が合っている。ならば、営業と販売職を専門とする人材派遣会社で勉強しよう」というものでした。人材派遣会社の経営者には、「経営者になる勉強のため3年限定で入社させていただきたい」とお伝えして、キャリアアップの一環として人材派遣会社に入りました。

新谷哲:では、もう起業してどの事業の経営をするかが決まっている状態で、勉強のために1社絡めたのですね。

辰巳いちぞう:その通りです。

新谷哲: SGOソリューションズが現在、どのような事業を経営しているかお教えいただけますか?

辰巳いちぞう:B to Bのビジネスモデル、かつ中小企業に特化した営業戦略を立てる側と動かす側と、そこのコンサルテーションを中心とした事業を経営しています。最近ではWEBとリアルの両側面を合わせた営業戦略を、差別化困難な企業の経営者にご提案しています。それは印刷、広告、部品、製造業、人材、産業廃棄物、IT、医療、介護などの、斜陽産業や成熟産業と呼ばれる企業です。日本の産業発展の歴史というか構造的な問題だとは思うのですが、これらの多くが下請け構造なのです。下請けから自立できない企業を見て「もっとこうすれば良いのに、こうすればもっと売れるのに、自立したらブランド力が上がるのに」という110社を支援する事業を経営しております。

新谷哲:ありがとうございます。辰巳いちぞう社長の経営セミナーは、弊社WizBizでも開催していますので、経営者の皆様もご参加して辰巳いちぞう社長のお話をお聞きいただきたく思います。ここからは全く違う質問をいたします。好きなもの・好きなことを事前にお聞きしたところ、「道具・考えること」とお答えいただきました。なぜ「道具」がお好きなのですか?

辰巳いちぞう:大量生産品にも奥底には必ず、「商品のコンセプトや考え方、どんな人をターゲットにしているか、どういう使う場面を想定しているか」という、思考プロセスが存在します。なので、例えば名刺入れ1つとったとしても、物を作る側がどんなことを考えているかというエピソードに興味を持つと、物の価値って上がると思います。そんな見方で物を見ていると、自ずと愛着も湧いてくるし、持ちも良くなります。本当に良い物とは高い物ではなく、「自分にとってエピソードのある物、自分にとって共感できる物」だと思います。そのエピソードを瞬間がすごく楽しくて、「道具」と書かせていただきました。

新谷哲:道具の全てにストーリーがあることが好きなのですね。次に座右の銘とお聞きしたところ、「志は高く、頭は低く」。これを選ばれた理由は何かございますか?

辰巳いちぞう:これは高校生の時、格言カレンダーで「志は高く、頭は低く」と書いてあるのを見て、なかなか良い言葉だと思いました。頭は低くというのは、ペコペコ頭を下げることではなく「謙虚でいること、真摯であること」と解釈しています。志は常に高く持っていたいと思いますが、頭が常に低いというのは難しい問題です。一定の成功を納めると、誰かを上下で見てしまうこともありますし、人から良く見られたいから少し嘘をついてしまうこともあります。これはずっとついて回る人間の弱さなので、「志は高く、頭は低く」はすごく難しいことです。これはもう一生涯「今日は座右の銘通りにできたかな?」と思いながら、死ぬまで捨てずにいようと思って、この言葉を選びました。

新谷哲:高校生の時に座右の銘を見つけ、今も座右の銘にしているという、辰巳いちぞう社長らしい一途な面ですね。次が最後の質問です。全国の経営者、これから起業する方に向けて、経営者として成功する秘訣・方法をお教え下さい。

辰巳いちぞう:経営者として成功する秘訣・方法は「経営の目的」を持つことです。「経営の目的は何か?」という疑問に対して、利益だと答える方が非常に多いのです。しかし私から見ると利益は会計になります。私は経営を、「事業を通じて社会と向き合い続けること」と定義しています。「お客さんと相対していくには、事業を継続しないといけない。事業を継続するためには、利益を生み出し続けないといけない。利益を生み出し続けるには、常にお客さんからの評価を得続けなければならない」となります。つまり、利益は目的ではなく、手段・条件になります。利益を出し続けるためにも、経営の目的を持つことは重要です。

しかし、利益がなくなると会社がなくなるので、残念ながら利益が目的化する瞬間は必ずあります。ただ私は「利益が目的になる時期があってもいい」と思っています。利益を目的化している時期は、利益を目的にしている自分達を真摯に受け止めて、「今は我慢の時期だ。利益をちゃんと上げて、また経営と真摯に向き合えるようにしていこう」という志で会社経営を行うこと。それが2つ目の経営者として成功する秘訣・方法です。

3つ目は、本当に難しいことなのですが、「経営の目的に忠実でいられる」です、ここは非常に重要な要素だと思います。私もフリーランスの時に「今日で来なくていいよ」と契約を切られたことが、2つぐらい続きました。その時に、「あれ?ちょっと前まで上手くいっていたのにおかしい」と疑問を持ち、当時描いた企画書をもう1回読み返したのです。その時に何を思って企画書を書いたかということを思い出すと、相手のことを考えていませんでした。売上が欲しくて書いているので、とても調子の良いこと、根拠のない成果なんか書いていました。「相手のことを考えていないことを見透かされて、契約を切られたのだろう」と思った時に、「自分の利益のために相手を振り回し、騙す格好になってしまった」と気付いたのです。「経営の目的に忠実である」ことは、経営者としての自分との闘いだと思います。そこに決心を持って向き合い続けられるかどうかが、経営者として成功する秘訣・方法だと思います。

新谷哲:大変勉強になるお話をありがとうございます。私も辰巳いちぞう社長のようになれるように頑張りたいと思います。辰巳いちぞう社長、本日はありがとうございました。

辰巳いちぞう:どうもありがとうございました。

編集後記

辰巳いちぞう社長のお話は、経営コンサルタントらしく理路整然とされていました。大変苦労もされていて、それを突破されている素晴らしい経営者です。経営者の皆様も、辰巳いちぞう社長のようになっていただければと思っております。

辰巳いちぞう氏
株式会社SGOソリューションズ 代表取締役社長

2005年売上アップ研究所を創業。2008年株式会社SGOソリューションズを設立。創業以来、通算90社を超えるコンサルティング実績を経て現在に至る。特に「差別化困難な業種」にコンサルティング実績が豊富で、事業コンセプトの組み直しや戦略見直しなどに成果を上げるノウハウがある。法人営業の戦略設計を得意とするが、その領域はリアル営業だけでなく、webにおける戦略設計にも広がっている。また、戦略設計後の実行工程にも高い経験値とマネジメントノウハウがあり、戦略実行過程におけるマネジメントフレーム設計や、人材採用/教育もワンストップで対応できる強みを持つ。同社のスローガンは、「誰かを勝(克)たせることに誰も負けない。日本のすばらしい中小企業を躍動させる。」

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、、辰巳いちぞう氏(株式会社SGOソリューションズ 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

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