本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。
本日は、『社長の孤独力』5章3項「面接で応募者に何を聞けばいいのかわからない」を解説いたします。
面接での質問というのは大変重要です。弊社では必ず、私が面接をします。面接では会社説明を先にした後、「私がWizBiz株式会社の社長の新谷です。プライベートでも何でも100%お答えするので、自由に質問してください」と応募者からの質問を受けます。一番優秀な応募者は面接で1時間半、ずっと質問をし続けましたし、この応募者は採用しています。この応募者は3年~4年で部長代理まで出世をしています。
応募者に質問をさせることで「地頭が良い人間、素直な人間」というものを見極めることが出来ます。質問ができる人間は、事前に調べているか、その場で聞いたことを理解できているか、ということになりますので、ズレた質問はしません。ズレた質問をすると「事前に調べていない、説明を理解していない」ということが分かります。
また、履歴書に書いてあることは全て聞いていきます。高校・大学の偏差値はもちろんのこと、就職先が複数ある場合には、1社1社、入社した理由、辞めた理由も聞いていきます。令和2年の大学入学は、半分以上がAO入試や推薦で入っています。しかし、中学受験や高校受験でのAO入試や推薦は、大学ほど多くありません。つまり偏差値の高い高校に入学している人は、勉強が出来る人である可能性が高いことになります。そのため、高校の偏差値も聞いていくのです。こうしたことを執拗に質問していくと、応募者が嘘つきなのかが分かります。履歴書には嘘やごまかしが書かれておりますが、細かい部分まで聞いていくことで「休んでいる期間があるのに休んでいないことになっている」などの嘘が見つかります。私は嘘つきをなるべく入社させたくないと思っておりますので、細かく質問をしております。また私は、嘘つきよりも、素直な人を入社させたいと考えています。ある時「この会社は何で辞めたの?」という質問に「上司と喧嘩をして辞めた」と正直に答えた方がおり、この方を入社させたことがあります。
しかし、これは私の考え方です。どんな人物を採用した以下は、経営者様ごとに違います。温厚な社員を入社させたいと考える方もいれば、逆の基準をお持ちの経営者様もおります。どんな人物を採用したいかによって、面接で質問すべき内容は変わってきます。前回、前々回でもお伝えしましたが、やはり「ターゲットの鮮明化」が一番重要になります。ターゲットを鮮明化することで良い質問をすることができますので、ぜひご検討いただければと思います。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編!「面接で応募者に何を聞けばいいのかわからない」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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