本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。
本日は、『社長の孤独力』8章1項「取引先との関係が悪化している」を解説いたします。
取引先とは、私も何度もトラブルになったことがあります。この場合は、私が謝りにいかないと収まらないので、自ら謝りに行きました。東証一部上場企業で役員だった時代の話になりますが、部下を連れて訪問し、最初に「全ては私の責任でございます」と頭を下げました。お客様から「詐欺だろう！」と言われたときも「詐欺と言われても甘んじて受け止めます。ですが部下たちは悪くありません。部下たちは私の指導に従っただけです。悪いのは私と会社です」と謝りました。このように謝っていたら部下から「冒頭から、ああやって謝られたらお客様も何も言えないです」とも言われました。やはり、取引先とトラブルが発生したら、経営者自らが頭を下げるべきです。
ただし、どうしようもないほどに悪化した場合は、切る決断をしなければいけません。私も切る決断をしたことがあります。ある取引先とトラブルになった時に、相手側が弁護士を挟んできたので、関係を切ったことがあります。ただし、この時も私自身が弁護士と交渉をしました。経営者も人間ですから、感情的になる部分はあります。しかし、感情的になっても仕方ありません。全ては経営者の自己責任です。部下たちがミスをしても、経営者の指導が悪い結果。取引先との関係が悪化するのも、自社側が悪い。このように自己責任の精神で、経営者自らが関係修復に動きましょう。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編！「取引先との関係が悪化している」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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