【会社経営】責任感のある指導者を育成するための方法とは？

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容：「新入社員と相性の悪い指導者は、変更した方がよいのでしょうか？」

• ご相談者：I社様
• 業種：サービス業
• 所在地：東京都

都内でサービス業を営んでいるI社と申します。本日は指導者の育成についてご相談があります。弊社では新入社員の教育をするときに、先輩社員を指導役につけたマンツーマンの指導体制をとっています。最近ある新入社員から「指導者ごとに当たり外れがあると思う。言われることに納得できないことが多く、合わないと感じるので担当指導者を変えてもらえないか」と相談がありました。弊社では基本的に指導者の変更は行っていません。しかし、上記のような意見が出た場合は変更したほうが良いのでしょうか。また、今後の体制づくりをする上で、変更する基準を設けたほうが良いのでしょうか。ご意見をいただきたく存じます。

ご相談者へ回答（回答者：新谷 哲）

私は、指導役の変更も、変更基準を設ける必要性もないと思います。指導者によってレベルの違いはあるでしょうが、それは運です。人生は、運が良かったり悪かったりすることの連続です。その新入社員が「指導者が悪いから仕事ができるようにならない」と他責にしているのならば、いつまでたっても良い人生にはならないでしょう。「人生は自己責任」と気付くことができれば、担当指導者がどうであれ「優秀になろう」と自ら行動を起こすはずです。

昔、私の後輩で、とても優秀な女性社員がいました。彼女はある商品を売る理由が分からず、直属の上司とぶつかったことがあります。どうしても話が合わないため、さらに上の上司に相談をし、最終的には社長に掛合いました。そうして納得するまで話し合いをした後、一気に売上を伸ばし、社内で一番の成績をあげました。現在、彼女は東証一部上場企業の副社長です。本人のやる気さえあれば、指導者の良し悪しは関係ありません。

これは、自身の経験からも感じています。ある先輩に話を聞きに行こうとしたところ、同期から「あの人は優秀じゃないから参考にしないほうがいい」と言われたことがあります。ですが、その先輩からは、ほかの先輩とは違った多くのことを学ばして頂きました。人にはそれぞれ、良いところと悪いところがあるのです。そのため私は「良い指導者」の基準を持っていないのです。だからこそ相性が悪いという理由だけでは、指導者を変更する必要は無いと考えます。

また、新卒1年目の私は仕事ができず、取締役に日本酒の瓶を割りながら叱りつけられ、泣きながら土下座をして謝った経験があります。しかし、その後一生懸命に仕事をした結果、それなりに出世をし、上司だった方達が部下になっていきました。私が出世した理由に、上司の良し悪しは関係ありません。社員の成長に一番必要なのは「自分は優秀になるのだ」という気概をもっているということです。

私のような仕事のできない新入社員ですと、社長様もご苦労されると思いますが「人生は自ら切り開いていくものなのだよ」と新入社員に説いていかれるのがいいでしょう。ご希望がございましたら、無料でオンライン相談に乗らせていただきますので、ぜひお声がけください。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決！「指導者の育成について」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。