従業員の意見を取り入れる経営手法!注意点と方法を解説

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容:「従業員の声を吸い上げる方法はございますか?」

  • ご相談者:匿名希望

新谷さんはじめまして、匿名で失礼いたします。以前、元従業員にあらゆる口コミサイトに事実無根の情報を書き込まれ、採用活動が苦しい時期がありました。既に投稿は削除され影響は無くなりましたが、同様のことが起こらないよう日頃から従業員の苦情・不満を把握し解決に努めていこうと思っています。従業員の声を吸い上げるには、どのような工夫が効果的なのかご教授いただきたいです。よろしくお願いいたします。

ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)

近年、ネットでの風評被害が増加しており、苦労をされている企業様も多いのではないかと思います。私は正直、気にしすぎて無理に対策を急ぐ必要はないと考えます。しかし、一大事になってしまってからでは遅いので、社員たちの不平・不満を解消する仕組みを作り、上手く立ち回っていきましょう。

私が以前勤めていた企業は、2ちゃんねると言う掲示板にスレッドがありました。そこに「新谷はパワハラだ」と書き込みがありましたが「新谷さんだけはそのようなことはしない」と誰かが書き込んで下さったことで話に収拾がつきました。中には、その中の投稿が大問題となり、辞職をしなければいけなくなってしまった管理職もおりました。誰がかばってくれたかは分かりませんが「助けられた」と感謝をした思い出があります。

このように、事実無根の情報を書き込まれた場合の対策としては、まずは風評被害対策企業に依頼するのが手っ取り早いです。そしておっしゃる通り、同様のことが起こらないよう仕組みを作っていく必要があります。

弊社では、従業員の声を吸い上げるために、管理部メンバーが主導となり気になる社員への声かけを行うようにしています。人は不平不満が溜まれば、健康を害してしまうことさえあります。そのため、社内環境整備の一環として、管理部の重要な任務としています。例えば、元気のない社員がいたので、お金は私持ちで女子会を企画させたということがあります。そこで思う存分愚痴を言うことで、その社員はほっとしたのか元気を取り戻し業務に励むようになりました。それ以外にも普段から「最近はどう?」などの声かけをすることで「話、聞いてもらえますか?」と相談に来るようになった社員もおります。このように、声を上げて相談をしやすい環境の整備をしていくと良いでしょう。ちなみに「私が飲みに連れ出し相談に乗ろう」と管理部メンバーに伝えたところ「社長が相手では逆に辞めてしまいます!」と却下をされたことがあります(笑)。

そして、従業員の不平・不満を聞いたら、それを解消するために社員たちが喜ぶ社内制度を設けるようにしています。退職をしたり、会社の誹謗中傷を書き込んだりするような方は、給料問題や孤立をしていて居心地が悪いなどの理由が大半です。給料を一律に上げるというのは簡単であっても現実的ではありません。そのため、いかに社内の居心地を良くし、在籍していることにメリットがあると感じてもらうかが大切です。

弊社では、割と社員の自由を尊重するような社内規定を整えています。100%の要望に応える訳ではありませんが、在宅勤務やリモートワーク、就業時刻などの選択ができるようにしています。さらに、経営者向けのビジネスを展開しているので、社長を目指すような人材が「勉強になる」と言う理由で集まってきます。そのため副業も推奨していて、起業家育成の場としての側面もございます。また、私は飲み会や社員旅行をやりたいタイプなので不満ですが……、社内行事への参加も自由にしています。

このように、従業員の声を吸い上げ不平不満の解消をする仕組みづくりをすることで、「居心地がいい」「成長ができる環境が整っている」などの理由で定着をするようになります。先日、ある社員が「会社を辞めたい」と言っていたそうです。私は、去る者追わずという考えなので引き止めはしませんでした。しかしいろいろと考えた結果、辞めないメリットの方が高いと判断したのか、結局その後も会社に残っています。

実際、社員の不満を0にすることはできません。ですが、社員の幸せを考えた社内の仕組みを整えることで、多少思い通りに行かないことがあっても「この会社で、仕事を頑張ろう!」と、前向きに業務へ励むようになります。上記以外にも、さまざまな仕組みがございます。ご希望がございましたら無料のオンライン経営相談に乗らせていただきますので、ぜひお声がけください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

※新谷哲に経営相談をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。初回のみ無料で承ります。

 本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「従業員の声を吸い上げる仕組みづくりについて」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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