Q.事業計画がなくても起業や資金調達はできますか？

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容：「ビジネス実績のない未成年でも、事業計画なく会社をスタートすることは可能ですか？」

• ご相談者：ビッグになりたい16歳
• 業種：フリーター

私は16歳のフリーターです。将来の夢は「ビックになること」です。それも、若いうちに成功したいと考えていて、18歳までには起業をしようと決めています。しかし、立ち上げる事業のアイディアはとめどなく浮かぶのですが、どれも決定打に欠け「これだ！」と思える事業に絞ることができず、毎日悶々としています。インタビューを聞いていると、事業計画もなく会社をスタートさせたという方がたまにいますが、それは、私のようにビジネス実績のない未成年でも可能でしょうか？また可能だった場合、登記を行う時に事業目的の欄などはどのように記入すればよいのでしょうか？資金もないので可能な限り全て自分で行おうと考えています。その他、起業をするうえで必要な心構えなどをお教えいただけると幸いです！

ご相談者へ回答（回答者：新谷 哲）

お若いながら、素晴らしいですね。しかし、事業計画を作らずに会社をスタートすることについて、私は賛成できません。これは起業をする上で一番大切だと言っても良いほど重要なものだからです。事業計画を無くして成功をされている方々は、もともとやっていたビジネスを継続していることがほとんどです。運送業なら運送業、システム開発ならシステム開発と、それまでの経験から“感覚”が染みついた領域なので動けるということです。経験や実績のない方が計画なしに事業を進めても、失敗をしてしまうケースが多いのです。

事業計画とは、「この会社はどのような事業をし、どのようにお金を使い、どのように変化していくのか？」を練り鮮明にしていくことです。もちろん私も事業計画を立ててから創業しております。しかし、計画通りに行くことばかりではありませんので「計画を振り返り、練り直す」ことを繰り返しています。すると失敗した原因や、打開策の発見に繋がり、どんどんと良い計画が立てられるようになります。

また、きちんと事業計画を作成することで、創業補助金や融資が受けられる可能性も高まります。先日私は、あるビジネスコンテストの審査員を務めさせて頂きました。そこでグランプリを獲得された方のビジネスモデルが素晴らしく「出資をしたい」と伝え面談をしました。しかし、具体的な事業計画ができていなかったようで、話はそれが完成するまで保留となってしまいました。この様に、事業計画がきちんと練られていなければ、親族以外からは一切資金の調達や融資を受けることはできないと考えてよいでしょう。ましてや、金融機関やVC（ベンチャーキャピタル）では、5カ年の事業計画を提出することが必須です。今後ビックになるためにも、事業を拡大していきたいとお考えであれば、具体的な事業計画を作成していきましょう。

次に、会社設立をする時の登記を含む手続き費用は、ご自身で行った場合、合同会社で約10万円〜、株式会社で約25万円〜となります。司法書士に依頼した場合は、そこに株式会社で7万円〜、合同会社で6万円〜くらいの報酬費用が加算されます。会社設立の手続きはそこまで難しいことではありませんので、ネットで調べてご自身で登記されてみてもよいですね。

将来ビックになるために、ぜひとも事業計画の作成・会社設立へとチャレンジをして頂きたいと思います。ご希望がございましたら無料でオンライン経営相談も行っていますので、ぜひお声がけください。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決！「事業計画が確定していなくても起業は出来る？」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。