債務超過でも資金調達できる？中小企業の経営を救う支援策を解説

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容：「債務超過であっても活用可能な支援策はございますか？」

• ご相談者：D社様
• 業種：大手メーカーの下請け

当社は、大手メーカーの下請け企業です。ここ数年、受注が減り続け赤字決算が続いており、自社技術を活用した新商品開発に活路を見出そうと考えていました。そんな矢先に元請け企業が不祥事により業績悪化をおこしたため、弊社への発注量は激減し、単価の見直しも迫られ、債務超過に陥ってしまいました。銀行からは、「回復に時間がかかる」と判断されたのか、貸し渋りを受けており資金繰りは苦しい状況です。すでに、開発した自社商品をテスト導入していただいた企業様からは、高い評価を得ているため、なんとか開発費用や設備更新費用を調達し、業績を立て直していきたいと考えています。債務超過であっても活用可能な支援策があればお教えください。何卒よろしくお願い申し上げます。

ご相談者へ回答（回答者：新谷 哲）

資金調達は平常時と、リーマンショックやコロナショックなどのように、経済が大きな打撃を受けるような出来事がおきた緊急時では、支援策が大きく変わってきます。

まず、平常時についてです。この場合、債務超過企業は銀行・信用金庫などの民間金融機関からお金を借りることは、基本的に難しいと思ってください。また、3期連続赤字の企業についても同様です。唯一、日本政策金融公庫には「挑戦支援資本強化特例制度（資本性ローン）」という制度があり、一定の条件に合えば借入金を自己資本としてみなすことができる借入制度があります。これを使えば、自己資本比率を上げながら資金調達をすることができます。ご興味のある方は、ご相談に行かれてはいかがでしょうか。

また、社長様に個人資産があるようでしたら、それを元に債務超過を解消し融資を受けるという方法もあります。それが難しいようであれば、縁故の方々やエンジェル投資家から出資を受けることをオススメいたします。

裏技のようなところでは、新商品を軸に上場を目指し、増資をしていくという方法があります。これは可能性があると思います。例えば、Amazon、株式会社メルカリ、楽天グループ株式会社なども、赤字上場をすることによって大きな資金調達を成功させています。詳しくは「社長塾」というYouTubeでもお話しておりますので、こちらのセミナー動画もご参照下さい

⇒　https://www.youtube.com/watch?v=8uN_W12jTM8

次は、緊急時についてです。2020年3月頃から新型コロナウイルスが感染拡大したことにより、全世界が緊急事態となりました。この事を受け、私もすぐに資金調達セミナーを開催させて頂く運びとなりました。その際にお伝えしたことは「世界的に緊急事態となっている時は、政府が融資をすすめるため審査制度が緩和され、債務超過や赤字であっても融資を受けられる可能性が高い」ということです。弊社も、コロナ対応の緊急融資制度が開始されてすぐに、備えとして借り入れを起こし資金を潤沢にさせました。お知り合いの社長様は、債務超過であっても融資を受けることができ「初めて見るような口座残高だった！」とおっしゃっていた方もいらっしゃいます。

このように、平常時と緊急時では資金繰りに活用できる支援策は違うということを念頭に置き、貴社のご状況と時流に合った対策をお調べ頂ければと存じます。ご希望がございましたら無料でオンライン経営相談も行っていますので、ぜひお声がけください。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決！「債務超過でも活用できる中小企業支援策について」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。