本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。
相談内容：「納得感のある値上げにするためできることはありますか？」
- ご相談者：D様
- 業種：製造業
新谷さんこんにちは。コロナによる需要低下と、原材料価格高騰の煽りを受け、苦肉の策として値上げを検討しています。そのことを先日お取引先にお話ししたところ、あまり納得をしていないご様子で「便乗値上げですかー。勘弁してください(笑)」と言われてしまいました。お互い苦しい状況であることに変わりありませんが、何とか穏便に合意をして頂きたいと考えております。納得感のある値上げにするため、弊社にできることがございましたら、ぜひご教授頂けますと幸いです。よろしくお願い致します。
ご相談者へ回答（回答者：新谷 哲）
コロナやウクライナショックによる物価高の影響で、多くの企業が“値上げ問題”に悩まれていることと存じます（2022年7月放送）。これは非常に難しい問題ではありますが、お取引先様に値上げを納得して受け入れて頂くためには、やはり「懇切丁寧に説明をして回る」ことに尽きると感じます。
ここで重要なのは、ただ説明をするだけではなく、相手の気持ちに配慮をして細やかな気配りを見せるということです。先日、ある知人経営者から「値上げの告知をせずに実行したことで、お客様を怒らせてしまい契約解除となってしまった」とご相談がありました。人間というものは、たとえ1円であっても必要のないものにはお金を支払いたくはないものです。このように合理的な理由や、きちんとした説明が無い状態で急な値上げを行うというのは、お客様への配慮が足りないので離れて行ってしまうのは当然と言えるでしょう。
では、どのような配慮をすればよいのでしょうか？ちょうどこの度、弊社でもサービス値上げをする部署があります。その部署では、10月に値上げを実施するのですが、6月中には全取引先へご説明に上がり、3か月間の猶予期間を設けるように指示をしました。また、告知する際にお渡しする資料として「値上げ理由や、それによりどのような価値をご提供していくことに繋がるのか」を明快に説明した、価格改定のお知らせを作成させています。このように真摯にご説明をし、ある程度の期間を設けることで、お取引先様も心の準備をすることができるでしょう。しかし、それでも納得頂けない可能性はあるので「契約が切れてしまう先があってもしょうがない」という覚悟を持つことも重要です。
D様は製造業ですから、顔の見えている取引先である可能性が高いと思います。そのため、社長様自ら懇切丁寧に説明をして回られてみてはいかがでしょうか？ご希望がございましたら無料でオンライン経営相談も行っていますので、ぜひお声がけください。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決！「納得感のある値上げにするためできることとは？」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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