経営者の経営課題を解決!「上場のために準備すべきこと、注意すべきこととは?」|経営ノート

経営者の経営課題を解決!「上場のために準備すべきこと、注意すべきこととは?」|経営ノート

新谷哲の経営相談「経営者の経営課題を解決!」

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。(2018年1月配信)

 

相談内容:「上場をするために必要なこと、準備すべきことをお教え下さい」

ご相談者:G社

業種:IT関連

資本金:500万円

年商:1億2000万円

従業員数:12名

お世話になっております。私はBtoBのITサービスを提供している企業の経営者をしております。

創業から3年が経ち、やっと利益を安定して出せるようになってきました。さらに飛躍的な成長のために上場を目指そうと考えていますが、上場を目指す際に気をつけておいたほうが良いこと、準備すべきことはありますか?

特に資本政策については、事前によく考えておかなければいけないと聞きますが、どのような点に気をつければ良いでしょうか?

現在は、私と共同創業者の取締役で8:2の割合で持っています。

 

ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)

私は上場コンサルタントの端くれで、上場コンサルティングを今、数社やっておりますが、特に気をつけるということはそんなに多くはございません。

一番大変なのは、内部統制をしっかりしなければいけないことです。社内規程をだいたい60個から80個、作らなければいけません。ただ、これは作業ですので、ある程度できるのではないかと思います。

もう1つは、内部監査室を作り、内部監査室長を設置せねばいけません。そして、内部監査が各部署を年間1回は監査する、という内部統制ができるようにせねばなりません。この時に業務フローとマニュアルを作らなければいけませんので、この辺をしっかり今からやっておいたほうが良いです。

業務をやっていれば当たり前のことですが、業務フローとマニュアルができていないというのはありえないことなのですが、できていない企業様も多くございます。その辺をきちんとやらなくていけません。その内部監査自体がしっかりしていくと、内部統制からJ-SOXという話になってきます。

上場後3年の猶予はありますが、上場後もJ-SOXは受けなければいけませんので、そういう意味でも内部統制というのはしっかりやらないといけません。かつ常勤監査役を設定し、監査を受けなければいけません。また、上場する約1年前か2年前で構いませんが、社外の監査役が2名必要になります。

上場直前になりましたら社外取締役が必要になりますので、そのご準備もしなければいけないということも覚えておいていただければと思っています。

そして、何よりも一番重要なのは業績です。

業績が上がってこないと証券会社も認めませんし、上場などできませんので、業績が一番重要だということはお忘れないように。資本政策に関しては、今8対2ということで、この割合は是非できればこのまま保ったまま上場されると一番良いと思っています。

もしVC(ベンチャーキャピタル)や他の投資家を入れるという場合にも、他の投資家の持株比率が33.3%以下になるように、比率をきちんと保って資本政策を組んでいくべきです。

あと、大変なのは、実は証券会社と監査法人とのやり取りです。

ともすると、監査法人さんが「こうすべき」と言ったことに対して、経営者は「そうなんだ」と思って鵜呑みにします。あまりに監査法人さんの言うことばかり聞いていますと、場合によっては会社が倒産するのではないかという時も出てきます。倒産させたら上場を目指している意味は何もありませんので、そういう意味では監査法人さんと戦わなければいけない時がございます。

また証券会社さんも「こうすべきと」は言いませんが、「こうしたほうが良い」と言いながら実際には「こうすべき」というようなことを言ってくるケースがあります。証券会社や監査法人、信託銀行は専門家なので100%聞いてしまいがちですが、100%全部聞く必要性はございません。そして、戦わなければいけない部分はあります。私自身、監査法人とも戦ったことがあります。でも「そうじゃない。こうじゃないか。このはずじゃないか」と指摘してクレームのようなことを言って、私のほうが正しかったことがございます。

ですので、社長様がまず上場に関しての知識を相当、身につけられるということをおススメいたします。
もう1つは、それでもちょっと戦って良いのかどうか迷う時があります。そういう時は、証券会社・監査法人・信託銀行以外の専門家をバックにつけて、アドバイスを受けられる体制を整えたほうが良いと思います。私も上場コンサルタントをやっておりますと、監査法人・証券会社、場合によっては顧問税理士が全然分かっていないという時もあります。そういう人達には「そこは上場としては義務ではないはずだ」と戦うことをアドバイスしたりするケースが多くございます。

知らないだけで損をすることが非常に多い世界ですので、よく知っている専門家をバックにつけられるのをおススメします。是非、上場の勉強をし、上場を目指して良い経営者、良い企業を作っていただければと思います。

 

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。

2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。著書に「社長の孤独力」(2019年6月発売。日本経済新聞出版社)がある。

※新谷哲の回答へのご質問・ご相談がある方はご遠慮なくお問い合わせください。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング「上場のために準備すべきこと、注意すべきこととは?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

新谷 哲 著「社長の孤独力」特別抜粋版 無料プレゼント

CTA-IMAGE 経営ノートをご覧くださっている皆様に、日本経済新聞出版社から2019年6月に発刊された「社長の孤独力」(WizBiz社長・新谷哲著)の特別抜粋版(29ページ)を無料プレゼントしています。お申込みフォームに必要事項をご記入ください。