成功経営者インタビュー

リビン・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 川合大無氏インタビュー 

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、川合 大無氏(リビン・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長)です。(2021年6月 2日 2021年6月 9日 配信)

今回は、リビン・テクノロジーズ株式会社の川合大無氏にお越しいただきました。
不動産とWEBテクノロジーを融合したプロダクトの開発・運営を展開し、不動産売却領域では日本最大級にまで成長させた社長様です。

川合氏は、大学の就職活動時に「社長になり、世の中にインパクトがあることをしよう!」と決意されました。差別化のしづらいネット広告業界の中、世の中にインパクトを与えるニッチトップ戦略へとたどり着いたエピソードから経営のヒントが得られます。ぜひインタビューをお聞きください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは、リビン・テクノロジーズ株式会社の川合大無社長です。まずは経歴のご紹介です。東京農業大学卒業後、ニチモウ株式会社、バリューコマース株式会社、株式会社サイバーエージェントを経て、2004年1月、株式会社シースタイルを設立し、代表取締役に就任されました。2006年よりバーティカルメディア事業をスタートし、大阪・福岡・名古屋・船橋・福山・さいたま・横浜へ拠点を拡大。そして、2018年6月、リビン・テクノロジーズに社名変更をし、2019年6月には東証マザーズ上場をされています。本日はよろしくお願いします。

川合大無:よろしくお願いします。

新谷哲:最初の質問です。ご出身はどちらですか?

川合大無:千葉県野田市です。

新谷哲:小学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

川合大無:毎日外に出て草野球などをして遊んでいる子供でした。

新谷哲:中学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

川合大無:中学校時代は、小学校から続けていた剣道に力を入れていました。強くなりたい一心で、日々稽古に励んでいました。

新谷哲:高校時代はどのようにお過ごしでしたか?

川合大無:中学校3年生の時に葛飾区に引っ越しをしたこともあり、東京の高校に進学をしました。引き続き剣道に力を入れていて、学校の勉強はあまりしていませんでした。しかし、遅れが出ないよう予備校には行っていました。

新谷哲:その後、東京農業大学に進学されました。農業系の職業に就こうとお考えだったのですか?

川合大無:東京農業大学しか受からなかったからです。もしかすると、父親が農学部だった影響もあるのかもしれません。

新谷哲:大学時代の思い出はございますか?

川合大無:大学時代は、勉強よりもアルバイトばかりしていました。そして、卒業旅行で2か月かけインド一周をしました。日常から離れ、異世界を体験することで「どんな環境でも生きていける!」という自信がつきました。

新谷哲:そのころから経営者になろうとお考えでしたか?

川合大無:就職活動時に経営者になろうと決めました。当時、いくつもの会社説明会に参加しましたが、それぞれの会社で働くイメージが全く湧かず「自分は何をやりたいのか?」と模索していました。そんなとき、就職マニュアルに載っていた自己分析をし、生まれてからの人生を振り返ったところ「世の中にインパクトがあることをやりたい!」と思いつきました。そのためには政治家が最適だと感じましたが、お金儲けはできません。ならば、世の中にインパクトを与えることができるほど大きい会社の経営者になろうと思ったのです。

新谷哲:大学卒業後は、ニチモウ株式会社に入社されました。こちらを選ばれた理由はございますか?

川合大無:私は「5年間で3社を経験し社長になろう」と決めていました。ニチモウ株式会社は専門商社です。商社という響きに「ビジネスの勉強ができそうだ!」と感じ入社しました。

新谷哲:ニチモウ株式会社での思い出はございますか?

川合大無:ニチモウ株式会社では農業資材の堆肥を主に取り扱う部門に配属されました。総合職で就職をしましたが、事務の方が異動になってしまい、私が営業事務を担当することになりました。そこでは請求書作成、在庫の管理、トラックの手配などをやっていました。おかげ様で事務作業はほぼ完璧です(笑)

新谷哲:その後、バリューコマース株式会社に移られました。きっかけはございますか?

川合大無:ニチモウ株式会社で2年間勤めたので、アフィリエイト広告会社であるバリューコマース株式会社へと転職をしました。当時は、まだインターネット広告をやっている会社も少なく、インターネットバブルが崩壊する直前のブーム絶頂期でした。そんなこともあり「かっこいい!」というイメージがあり、次はIT業界に行こうと考えていました。そして、人材紹介会社の方に「1週間後も残っているか分からない会社ですが、行ってみますか?」とバリューコマース株式会社をご紹介頂きました。不安はありましが、企業危機を経験するのも悪くはないと感じ入社を決めました。

新谷哲:バリューコマース株式会社での思い出はございますか?

川合大無:バリューコマース株式会社で得られた一番のものは「社長になれる自信」です。当時の私は「人脈が無ければ社長にはなれない」と考えていて、トップセールスを足がかりに人脈形成をしようと営業に力を入れていました。そこから努力の甲斐あり、トップセールスマンになることができました。営業の経験は初めてでしたが、テレアポ営業には感動を覚えました。電話を掛けていくと、全く知らない会社でありながら、何人かに一人はアポイントの時間を頂けます。そして、その内の何人かに一人は実際に商品を購入していただけます。テレアポ営業をしたことで「人脈がなくても商売は作れる」と気づいたのです。起業に人脈はいりません!

新谷哲:なるほど。その後、株式会社サイバーエージェントに移られました。こちらを選ばれたきっかけはございますか?

川合大無:選んだきっかけは、何社か面接を受けた中で、たまたま受かったからです。バリューコマースで2年半勤めたので、5年で3社を経験し独立する目標を達成するためには転職をする必要があります。当時のサイバーエージェントはすでに就職難易度が高かったようですが、全く知らずに面接を受けました。「受かったら入ります」と今考えれば失礼な受け答えをしたのですが、そこを買って頂けたのか、滑り込むことができました。

新谷哲:株式会社サイバーエージェントでの思い出はございますか?

川合大無:バリューコマースは自社アフィリエイト広告の単一商品を売る仕事でしたが、サイバーエージェントではネット広告代理店の営業として、あらゆる商品をお客様に提案することができました。代理店としてのビジネス展開方法や、ネット広告への知見も深まり、起業をするうえでとても勉強になりました。また、優秀な方々が死ぬほど努力する会社だったことが印象的です。このような企業文化を肌で感じることができたのはとても貴重な体験でした。

新谷哲:その後、2004年に株式会社シースタイル(現・リビン・テクノロジーズ株式会社)を設立し、代表取締役にご就任されました。目標の5年後に独立をされたのですか?

川合大無:5年で起業をしようと思っていましたが、1人で経営をするのではなく仲間が欲しいと思い、色々な方に声をかけ始めました。その中で、1社目のニチモウ株式会社の同僚が「一緒にやろう!」と賛同してくれました。これはチャンスだと思い、すぐに会社設立へと動き始めました。

新谷哲:株式会社シースタイルはどのような事業をされていましたか?

川合大無:実は設立当初、どのような事業をするか全く決めていませんでした。ゼロベースで考え、何屋にでもなれるように「シースタイル」という一見、よくわからない社名をつけたのです。実際に登記をするときは「心理カウンセラーの派遣事業とか面白いのでは?」と思いつき、事業をスタートしました。しかし、まったく未経験の私たちは何をすればいいのかも分からず、商品を作り上げることができませんでした。1か月後には「このままでは会社が潰れてしまう」と気づき、とりあえず日銭を稼ごうと、経験のあるネット広告代理店を始めました。

新谷哲:現在、リビン・テクノロジーズ株式会社で展開する事業に近づくきっかけはございましたか?

川合大無:当時からネット広告代理店での取り扱いは、GoogleやYahoo!の広告がメインで、同業他社も同じ商品を同じ値段で販売していました。2004年からネット広告代理店を開始し、3年~4年で売上は約8億円まで伸びましたが、弊社から買う理由を作らなければこれ以上の成長は見込めません。企業成長を図るため、差別化をする自社商品を開発しようと2006年ころから、不動産査定サイト・お墓比較サイト・ホームページメンテナンス事業・アパレルオンラインショッピングなど、いくつも新規事業を立ち上げました。その中で伸びた不動産査定サイトが現在のメインビジネスとなったのです。

新谷哲:2019年6月には東証マザーズに上場をされました。当初より上場をお考えでしたか?

川合大無:設立から 2年目の、ネット広告代理店での売上が伸びていたころ「上場したらかっこいいよね!?」と感じ、上場準備を始めました。しかし、創業したメンバー3人の中で仲間割れが発生し、私のみが会社に残ることになりました。出ていってしまった2人は営業で重要なポジションを占めていたこともあり、売上は激減。それと同時に、ネット広告代理店業界の競争激化の影響も受け、一旦上場を断念することとなりました。

新谷哲:もう一度、上場を目指そうと思われたきっかけはございますか?

川合大無:ネット広告が下火になった代わりに、新規事業として立ち上げていた動画メディアの売上が伸び、年商6億円まで持ち返すことができました。この時に「動画メディアは今後伸びる」と確信を得ていました。そんなとき、弊社と売上規模は同等で社員数の少ないネットメディアが上場をします。それに触発され「うちでも上場できる!」と感じ、2015年ごろから再度、上場準備を開始しました。

新谷哲:上場までにどのようなご苦労がございましたか?

川合大無:「中小企業経営者」ではなく「上場企業経営者」のマインドに切り替えることに一番苦労をしました。もちろん、まずは上場基準を満たす組織作りが重要ですが、そのためにも私自身が自覚を持ち、従来の慣れや、ワンマンな企業体制を払拭していく必要がありました。

新谷哲:ありがとうございます。もしよろしければ、リビン・テクノロジーズ株式会社の事業内容をお教えいただけますか?

川合大無:弊社は、不動産とWEBテクノロジーを融合したプロダクトの開発と運営を行うテック企業です。その中でも「リビンマッチ」という不動産メディアをメインビジネスとして展開しています。「リビンマッチ」は、不動産査定を複数企業に一括依頼できるサービスです。「不動産を売ったらいくらくらいするのか?」と思ったとき、従来であれば不動産会社に1件1件、問い合わせをする必要がありました。しかし、このサービスをご利用頂くことにより、一気に問い合わせができ、一番高値で売れる先を簡単に見つけることができます。

新谷哲:ありがとうございます。ここからは違う質問をさせていただきます。好きなもの、好きなことをお聞きして「好きなメンバーと飲みに行くこと(特にウイスキーとビールが好き)」とお答えいただきました。あまり趣味は無くて困っているそうですが、お酒も十分な趣味ですね!よく飲まれるのですか?

川合大無:趣味がお酒でいいのかと思いますが(笑)。量というよりは、頻度が多いです。ほぼ毎日飲んでいます。

新谷哲:私も一緒で、お酒が趣味です(笑)。座右の銘もお聞きして「自分はできる」とお答えいただきました。こちらを選ばれた理由はございますか?

川合大無:私はいつも「自分はできる」と自身に言い聞かせています。他の人にできて私にできないわけがありません。今できなくてもいつかできるようになります。

新谷哲:暗示をかけているのですか?

川合大無:それに近いかもしれないですね!

新谷哲:素晴らしいですね!次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。

川合大無:まだまだこれからで、成功しているとは思っていません。しかし、私が一つ言えることといえば「継続して努力すること」だと思います。継続することはなかなか難しく、それができるのも一つの能力だと感じます。だからこそ、日々継続して努力していけるよう心がけています。

新谷哲:私も心掛けていきたいと思います!川合大無社長、本日はありがとうございました。

川合大無:ありがとうございます。

今回は、川合大無社長でした。非常に真面目で、自分に矢印を向けることのできるご優秀な社長様だと感じました。「自分はできる!」と信念を持ち努力を継続してこられたからこそ、会社を上場させるまでに成長させることができたのでしょう。私はネガティブなので、つい後ろ向きに物事を捉えてしまうことがありますが「自分はできる!」と暗示をかけ、前に進む原動力としていきたいと感じました。ぜひ皆様も参考に、共に成功社長を目指していきましょう!

川合 大無氏
リビン・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長

千葉県野田市出身。東京農業大学卒業後、ニチモウ株式会社、バリューコマース株式会社、株式会社サイバーエージェントを経て、2004年1月、株式会社シースタイルを設立し、代表取締役に就任されました。2006年よりバーティカルメディア事業をスタートし、大阪・福岡・名古屋・船橋・福山・さいたま・横浜へ拠点を拡大。そして、2018年6月、リビン・テクノロジーズに社名変更をし、2019年6月には東証マザーズ上場を果たされました。不動産とWEBテクノロジーを融合したプロダクトの開発と運営を行い、不動産売却領域では日本最大級にまで成長。独自性の高いWEBサービスを順次投入し、新しい市場を創り出すことで、さらなる拡大へと邁進されています。

※本インタビューへの出演をご希望の方はこちらよりご応募ください。

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、川合 大無氏(リビン・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

『社長の孤独力』抜粋版(PDF29ページ)
無料プレゼント中!

『社長の孤独力』(新谷哲/著) の【抜粋版】を無料プレゼントしております!

71の課題の中から「資金・人材・売上・採用・後継者」の5つを抜粋いたしました。銀行からお金が借りれない社員がすぐに辞めてしまう売上を伸ばしたい、など、具体的なお悩みの解決策が掴めます。ぜひご覧ください。

無料プレゼントの詳細はこちら