成功経営者インタビュー

株式会社コアコンセプト・テクノロジー 代表取締役社長CEO 金子武史氏インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、金子武史氏(株式会社コアコンセプト・テクノロジー 代表取締役社長CEO)です。(2022年7月20日 2022年7月27日 配信)

今回は、DX支援・IT人材調達支援サービスを展開する東証グロース市場上場企業の株式会社コアコンセプト・テクノロジーの金子武史社長にお越し頂きました。以前勤めていた会社が民事再生を行い、先行投資型事業の存続が危ぶまれたことをきっかけに、古巣メンバーと成長企業を作ろうと結束し同社設立に参画。「結果こそが重要」という信念を持ち事業を成長させ続けるエピソードから、経営のヒントが得られます。ぜひ、インタビューをお読みください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社コアコンセプト・テクノロジーの金子武史社長です。まずは経歴のご紹介です。2000年に東京理科大学 理工学部 情報科学科卒業後、株式会社インクスにご入社をされます。その後、コンサルタントに転身し、2010年に株式会社コアコンセプト・テクノロジーへ参画。そして、2015年に代表取締役社長CEOにご就任し、2021年には東証マザーズ(現・グロース市場)に上場をされています。本日はよろしくお願いします。

金子武史:よろしくお願いします。

新谷哲:最初の質問です。ご出身はどちらですか?

金子武史:東京都中野区です。

新谷哲:小学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

金子武史:比較的活発な子供でした。小学校の頃から背が高く、ソフトボール投げや、50メートル走などが得意でした。

新谷哲:中学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

金子武史:筑波大学附属駒場中学校と言う、中高一貫校に入学をしました。中学校時代はサッカー部に所属したのですが、持久力を付けるために走るトレーニングメニューが多く、とても鍛えられた記憶があります。

新谷哲:筑波大学附属駒場中・高等学校といえば、東大合格率が最も高いエリート校でいらっしゃいますね!高校時代はどのようにお過ごしでしたか?

金子武史:私は、どちらかというとエリートから外れてしまったタイプでした…(笑)。 高校時代は部活に所属せず、友人達とゲームセンターに行ったり、麻雀をしたりと、よく遊んでいましたね。

新谷哲:その後、東京理科大学 理工学部 情報科学科へと進学されます。こちらを選ばれた理由はございますか?

金子武史:学校柄、私も東京大学への進学を期待されていたのでしょうが、残念ながら合格することができませんでした。一方で、コンピューターサイエンスが好きだったので、東京理科大学の情報科学科に進学を決めましました。

新谷哲:大学時代はどのようにお過ごしでしたか?

金子武史:大学が千葉県の野田市にあり、中野区の実家からは結構な通学時間が掛かるため、大学の近くに住んでいる友人宅に泊まっては、よく皆で遊んでいました。学生時代ならではの、充実した時間を過ごしていたと感じます。

新谷哲:大学卒業後は株式会社インクスにご入社されました。こちらを選ばれた理由はございますか?

金子武史:親は、大企業に就職をして欲しいという意向でしたが、私はベンチャー志向を持っていて、自身の成長に加え社会的に大きなことができる環境を望んでいました。そんな中、株式会社インクスという会社が、大手製造業のお客様向けにITを活用したデジタル変革を行っていると知りました。2000年当時より、今真っ盛りのビジネスを展開していた先進さに惹かれ、第一志望で入社を決めました。

新谷哲:当時の思い出はございますか?

金子武史:エンジニアとして入社しましたが、伸び盛りの会社だったので新卒1年目から私の裁量に任せて頂け、多岐に渡る業務を経験しました。大手顧客のデジタル変革をコンサルティングから仕組み作りまで一括で請け負う中で、私はSE・プロジェクトマネージャー等を担うようになります。先輩方も非常に優秀で、あのレベルを越える会社を日本で探すのは難しいほど、人材の質と量、お客様へ提供するサービスなど、とても高度でした。ハードワークではありましたが、同社で学んだ6年間は非常に濃密で、私のベースとなる能力を身に付けることができたと感じています。

新谷哲:その後、コンサルタントに転身されていますね。

金子武史:はい。2006年に転職をし、ITコンサルタントとして勤め始めました。 理由はいくつかあるのですが、自身の次なる成長に向け、もう一度ベンチャーで腕を磨いてみたいと考えたからです。株式会社インクスは、私が入社した頃の社員数が約100人だったところから、6年間で約2000人の規模にまで急成長を遂げました。コンサルティングの経験を積みたいとの思いはありましたが、組織化をしてきた背景で機会がなかなか巡ってこず、年代的にも「技能を広げていきたい」との思いが強くなり決断をしました。

新谷哲:当時の思い出はございますか?

金子武史:コンサルタント会社で相手をさせて頂いたお客様は経営者がメインで、金融、流通、小売、SIer(エスアイヤー)など、業種は多岐に渡りました。転職をしたことで、前職では知り得なかった製造業以外のことや、グローバルに活躍する方々が次世代に望まれる経営観などについて深く触れることができ、知識の幅を一気に広げることができました。

新谷哲:その後、株式会社コアコンセプト・テクノロジーへ参画をされました。経緯についてお聞かせいただけますか?

金子武史:実は、株式会社コアコンセプト・テクノロジーは、株式会社インクスに在籍していたメンバー約7名で創業をしています。というのも、インクスの業績低迷により、民事再生法が適用されたことで、先行投資的な部門は存続が難しくなってしまいました。偶然にもそのタイミングで過去の同僚たちと打ち合わせをする機会があり、技術系・研究開発をしていたメンバー達が転職をするか、起業をするか、という選択を検討していると知りました。私はその話を聞き「古巣メンバー達と成長企業を作ることができたら、とても楽しいだろう」と感じ、自分の力を試してみたくなったのです。そこから、創業メンバーで話し合いを重ねながら、2009年9月に晴れてコアコンセプト・テクノロジーを自己資金で立ち上げました。しかし、前職のコンサルティング会社での引継ぎなどもあったので、実際に参画したのは2010年の10月です。

新谷哲:2015年には、代表取締役社長CEOにご就任をされていますね!経緯についてお聞かせいただけますか?

金子武史:私は、2011年から取締役副社長として会社のリードをしておりましたが、二代目を引き継ぐことになった理由は大きく2つございます。1つ目は、将来を見越した次世代への承継です。創業社長と私は、年齢が20歳離れています。当時は私が39歳だったので、今後の自社の成長を睨み、若い世代への承継が検討されました。2つ目は、役割としての得手不得手があったからです。私の得意分野が事業を伸ばすことだった一方で、創業社長はリスク管理に長けていました。そのため私が攻めを担い、創業社長がガバナンスなどの守りを担うという二頭体制をとることが、会社を大きくしていく上で最善であろうと判断されました。半分は成り行きですけども、この様な経緯から代表取締役社長CEOを務めることになりました。

新谷哲:2021年には東証マザーズ(現・グロース市場)に上場をされています。当初より上場をお考えでしたか?

金子武史:考えていませんでした。私が社長に変わった時に、次に据える目標を議論した結果、6年後である2021年に上場を達成するという方針を社内に発令しました。

新谷哲: 上場に向けてのご苦労はございましたか?

金子武史:もちろん人並みの課題はありましたが、悲観的になる程の苦労はありませんでした。

新谷哲:ありがとうございます。もしよろしければ、コアコンセプト・テクノロジーの事業内容をお教えいただけますか?

金子武史:弊社は、DX推進事業を展開しています。事業会社様が企業競争力を高めていけるよう、次世代に適応した仕組みをシステム構築する支援をメインに遂行しております。今まさに、需要が強まっている産業です。

新谷哲:ありがとうございます。ここからは違う質問をさせていただきます。好きなもの、好きなことをお聞きして「オーディオ、コーヒー、車、新しい事業を考えたりやってみたりすること、仲の良い友人たちと近況を話し合いながら麻雀で盛り上がること、休みにのんびりドライブすること」とお答えいただきました。麻雀が本当にお好きなのですね!

金子武史:麻雀に関わらず、皆で盛り上がることのできる勝負事が好きなのかもしれません。今でも仲間と集まっては、楽しく腕試しをしています。

新谷哲:座右の銘もお聞きして「Think Big , Act Together.」とお答え頂きました。こちらを選ばれた理由はございますか?

金子武史:「Think Big , Act Together. 」という言葉は、当社の行動指針として社内に伝えている言葉です。これは、2つのキーワードを重ねたセンテンスになります。

1つ目のキーワードは、「Think Big」です。私は、人間は想像の範囲内でしか物事を実現できないという特性があると思っています。そのため、素晴らしいものを作ろうと思った時に、いかに頭の中でThinkしている状態で、Bigなものを描けるかを重要視しています。お客様に、価値あるサービスをご提供するためにも、イマジネーション力を高め、互いにアイディアをぶつけ合い、具現化していく。この質の高さにこだわっていきたいと感じています。

2つ目のキーワードは、「Act Together」です。これを日本語に翻訳すると、共に(Act)行動する(Together)という意味を持ちます。弊社はベンチャー企業なので、大きな組織に勝る成果を出すためには、個で行動するのではなく、関係者と一丸となる必要があると考えています。関係者は、お客様、協力会社様にとどまらず、同業他社などのコンペティターにあたる方々も含まれます。「結果こそが重要だ」という信念の元、利害関係にとらわれず、協力できる部分を探り物事を進めて行く姿勢を志しています。この2つのキーワードに込められた想いこそ、私自身の行動原理であり、コアコンセプト・テクノロジーらしさです。

新谷哲:ありがとうございます。次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。

金子武史:私は、良い結果を出すために「自分がどのような過ごし方をすれば力を発揮できるか?」に意識を向けながら仕事をしてきました。そこで、先ほど好きなもので挙げたアイテムに接する時間を作り、自身のリズムを整えることが、良いパフォーマンスを出すことに繋がると気づきました。例えば、オーディオを聞いたり、良いコーヒー豆を選び自分で淹れたりすることで、とても癒されその後の集中力が増します。また、ふらっとドライブに行けば気分転換になり、新たな着想が生まれるなんてこともあります。このような工夫が成功の秘訣にあたるかは分かりませんが、今後もオンとオフのメリハリをつけて、結果を追い求めていきたいと考えています。

新谷哲:大変参考になるお話でした!金子武史社長、本日はありがとうございました。

編集後記

今回は、金子武史社長でした。とても頭脳明晰で謙虚な経営者だと実感いたしました。また、結果を出すための過ごし方を自己分析されている、と言う点も素晴らしいですね。私も、お酒ばかり飲んで休暇を過ごすのではなく、自分を高める行動をして行きたいと思います。ぜひ皆様も参考に、共に成功社長を目指していきましょう!

金子武史氏
株式会社コアコンセプト・テクノロジー 代表取締役社長CEO

東京都出身。東京理科大学 理工学部 情報科学科卒業後、2000年に株式会社インクスへ入社し、製造業向けのCAD/CAMシステムの開発、自社工場の立ち上げ、分散計算システムの開発等に従事。その後コンサルタントに転身し、製造業、金融、小売、流通、通販など20社を超える企業の業務改革を支援されます。そして2010年、DX支援・IT人材調達支援サービスを展開する、株式会社コアコンセプト・テクノロジーに参画し、2015年に代表取締役社長CEOへとご就任。以降、上場への立役者としてご活躍され、2021年9月に東京証券取引所マザーズ市場上場(現・グロース市場)を果たされました。事業を通して、「IT産業の次世代」を創出するために、日々邁進されています。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、金子武史氏(株式会社コアコンセプト・テクノロジー 代表取締役社長CEO)の経営者インタビューを取り上げました。

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