成功経営者インタビュー

ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 代表取締役 谷田優也氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、谷田優也氏(ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 代表取締役)です。(2023年2月15日 2023年2月22日配信)

今回は、ウェルプレイド・ライゼスト株式会社の谷田優也社長にお越し頂きました。「ゲームが上手い人を賞賛できる世界を創りたい」という思いから創業。日本初のeスポーツ専門会社として事業を拡大し、東証グロース市場への上場を果たされたエピソードから、経営のヒントが得られますので、ぜひ、インタビューをお読みください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは、ウェルプレイド・ライゼスト株式会社の谷田優也社長です。まずは経歴の紹介です。2010年に株式会社角川コンテンツゲートにご入社。IPデジタルコンテンツのプロデューサーを務めた後、2015年11月にウェルプレイド株式会社を設立。現在のウェルプレイド・ライゼスト株式会社、代表取締役にご就任されます。2020年に、東京証券取引所マザーズ(現:グロース)市場へ上場をされています。本日はよろしくお願いします。

谷田優也:よろしくお願いします。

新谷哲:最初のご質問です。ご出身はどちらですか?

谷田優也:生まれは大阪府です。小学校入学後に神奈川県に引っ越してきました。

新谷哲:小学校時代はどのようにお過ごしになりましたか?

谷田優也:普通の小学生だったと思います。僕は1982年生まれですが、その頃にはすでにファミリーコンピューターが普及していていました。両親が元々ゲーム好きということもあり、物心ついた頃から家にゲームがある環境でした。ずっとゲームをしながら過ごしていた記憶があります。

新谷哲:小学校時代はご両親と一緒にゲームをやっていたのですね!

谷田優也:そうですね。親に勝ちたい、一緒にクリアして一緒に喜ぶという感じで楽しんでいました。僕らの世代だと、ゲームをしていると親に怒られた方が多いと思いますが、親がゲームをすることに対して許容してくれる環境でした。

新谷哲:珍しいご家庭ですね。中学校時代はどのようにお過ごしになりましたか?

谷田優也:友達はみんな野球部かバスケットホール部に入ったので、その流れで3年間、野球部に所属しました。

新谷哲:野球はお上手だったのですか?

谷田優也:レギュラーどころかベンチにも入れませんでした。中学校入学の頃は、まだ成長期に入っていない段階で、身長150cmにも達しておらず「体格が影響している」と思いながら練習をしました。活躍はしませんでしたが、一生懸命やっていました。

新谷哲:高校は神奈川県内の高校ですか?

谷田優也:はい、神奈川の県立高校に入学しました。

新谷哲:高校時代はどのようにお過ごしになりましたか?

谷田優也:クラブには入らなかったのですが、文化祭で軽音部と一緒にライブをするなど、青春を謳歌していました。ゲームセンターに通いつつ、家庭用のゲームであるコンシューマーゲームでも遊んでいました。PCを所有する友達が出てきたこともあり、初めてPCゲームに触れたのもこの時期でした。インターネットもテレホーダイの時代で、テレホタイムである夜11時ぐらいからPCゲームを楽しむ生活をしていました。

新谷哲:その後、大学に進まれたのですか?

谷田優也:大学は出ていません。高校卒業後は「プログラマーになりたい」と思い、プログラミングの専門学校に進学しました。きっかけは小学校の頃に、ゲーム会社で働いている方の姿をテレビ番組で観たことです。番組の中で、カプコンさんで働いている方々の取材や、出演者が一緒にゲームを作る企画がありました。それを観た時に、「ゲームで遊ぶのも楽しいのに、作る側だったらもっと楽しいじゃん!」と、幼心に感じました。そこで、最初にやるべきことはプログラムの勉強だと考え、専門学校を選びました。

新谷哲:専門学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

谷田優也:麻雀をしたり、ボーリングをしたり、後はパチンコもやったり、ろくでもない生活をしていましたね(笑)。本当に良く遊んだと思います。後は、ラップやヒップホップのようなジャンルが流行ってきて、Bボーイとは少し異なりますが、ダンスに時間を多く使っていました。やはり、勉強よりも遊んでいた時間の方が多いと思います(笑)。

新谷哲:私も若い頃は、よく麻雀やパチンコをやっていました。専門学校時代は、ゲームはやらなかったのですか?

谷田優也:ゲームはやっていました。高校生の頃になると、ゲームをやる人やらない人と分かれてきました。やらない人にとっては、ファミコンや、スーパーファミコンのカセットは、自宅で休眠状態になっています。そこで、毎週放送委員会の力を借りて、「家に眠っているファミリーコンピューターやソフトがある方は、無料でお預かりします!」という、アナウンスをしました。結果、学生時代にトータルで1,000本ぐらいのソフトを集めることができました。それをもとに、毎年夏休みになるとイベントを開催していました。ゲームはみんなで遊んで、みんなで観ることが当たり前になりました。またVHSで1,000本のゲームのクリアシーン映像をひたすら録画し、それを友達に貸して観てもらっていました。現代のゲーム実況の始まりのような感じで遊んでいました。

新谷哲:今のYouTuberの走りですね。

谷田優也:走りだったかもしれないです。時代が追い付いていたら、僕はYouTuberになっていたかもしれません(笑)

新谷哲:その後、新卒で株式会社角川コンテンツゲートにご入社されたのですか?

谷田優也:いいえ。角川コンテンツゲートへ入社前に他の2社で働きました。最初は、システムエンジニアとして、新横浜にある小さな会社に新卒入社しました。当時は、NTTドコモのiモード公式メニューが全盛期の時代でした。携帯の占いサイトや待ち受け画像をダウンロードする、公式メニューサイトを運営している会社に出向します。その出向先で、サーバーサイドのシステム構築、フロントエンドのデザインの実装に3年程携わりました。その時、一緒に働いていた仲間から誘われ転職しました。転職先ではシステムの実装や企画の構築もできるという、プランナー兼システムエンジニアを2年~3年ぐらいやりました。この2社を併せると5年~6年はシステムエンジニアとディレクターとして働きました。様々なIPを取り扱ってコンテンツを作っていたので、その知見を生かせる転職先を探していました。結果、角川の子会社である、角川コンテンツゲートに転職することができました。現在のブックウォーカーという電子書籍を運営している会社です。当時はデジタルIPのプロデュースがメインの会社でした。

新谷哲:2社のシステム会社での思い出はございますか?

谷田優也:ネットワークの通信規格について勉強させていただいたことが、今のeスポーツ会社の経営に役立っています。eスポーツのビジネスでは、配信や生放送の分野が常にあります。何もないイベント会場で何百人の人たちが同時に対戦する通信環境を実装しようと考えた時に、自分1人で出来てしまうという究極の学びがありました。ネットワークについて、興味を持って詳しく経験できたことは、良い学びだったと思います。

新谷哲:株式会社角川コンテンツゲートはどのような会社でしたか?

谷田優也:角川の映画、アニメ、小説等、様々なIPを取り扱い、その中でも二次利用の部分を担っている会社です。当時はモバゲーやグリーなどのソーシャルゲームが全盛期で、ガラケーのゲームから、スマホのゲーム、PCブラウザゲームと、ビジネスに携われたことが印象的でした。それ以外に、電子書籍、動画配信、デジタルIPのプロデュースも、会社としてはメインの仕事でした。

新谷哲:ネットシステム開発の会社で働き、ネットワークが繋がって、角川コンテンツゲートというIPの分野も学ばれたのですね。今の会社に繋がっていると思えますが、最初から狙っていたのですか?

谷田優也:全然狙っていなかったです(笑)。「IPプロデュースの仕事がeスポーツの仕事に有効活用できるのか!」と実感しているので、今までの経験は良かったと感じています。IPの許諾の仕事は「どのようにして実際のIPを大事にできるのか、どうすれば喜んでいただけるか?」を考えねばいけません。eスポーツで使用するゲームは、ゲーム開発会の持ち物です。そのゲームを最大限に生かして、イベントや大会をどのように作っていくかという部分では、とても相性が良かったです。また、基礎知識としてIPが必要だと認識している人は少ないです。大会を開催しようとする方は「ゲームが好きなので盛り上げたい。自分たちで大会を開催すれば知名度が上がるし、メーカーも喜ぶだろう」と良かれと思って開催しようとします。しかし、IPの知識を持たずに開催してしまうと、法に触れてしまいます。触れてしまうと楽しいイベントが楽しくなくなってしまいますが、ここまで深く考えて開催する方は少ないです。そのような中、イベント許諾や監修を認識してきちんと対応できる会社だと思っていただけたことが、信用に繋がったと思います。

新谷哲:その後、独立をされますが、どのような経緯で独立をされたのですか?

谷田優也:角川コンテンツゲートの後に、マーベラスというゲームのパブリッシャーの会社に勤めていました。その頃から、自分の趣味でもある格闘ゲームを一生懸命やっていました。特に、ストリートファイターというゲームでは、アジア4位のランキングまで行き一定の認知度を得ました。僕よりもゲームが上手な仲間や友達にも出会えました。当時の僕は、マーベラスでゲームプロデューサーをしており、一定のポジションや収入を得ていました。仕事に対する正当な報酬だと認識していましたが、その時に「僕よりもゲームが上手な人達が、自分より稼げていない!」と感じたんです。丁寧かつ緻密なゲームプレイができるのに世間から評価されないことに対して「悔しい!」と「もっと評価されるべき」という2つの想いがありました。そのような人たちが活躍できる舞台を得て、評価され収入を得ることができるビジネスを実現できれば面白い、と思ったのが独立のきっかけです。創業メンバーの1人である高尾も僕と同じ考えを持っており「いつか一緒にそういう仕事ができたら面白いね!」と、2011年~2015年くらいの間で頻繁に話をするようになりました。そのような流れの中で、海外ではeスポーツがメジャーになってきていると知り、日本でそのような人たちを評価ができる世界を模索しはじめ「2020年~2025年頃には、彼らが認められる会社が誕生してもいいかな」と思ったんです。そのような未来を描きながらも、「会社に入るのは嫌だ。成功するか失敗するかは別として、自分たちがそのファーストペンギン側でいよう」という思いから2015年に会社を創業するに至りました。

新谷哲:ファーストペンギンは「最初に飛び込むペンギン=挑戦者」という意味合いで、ビジネスの世界で使われますね。

谷田優也:そうです。成功できなければ「ゲーム業界に戻って仕事しよう」という、甘い考えもあったかもしれません。ただ、実行するのは自由なので、チャレンジしました。

新谷哲:上場は初めから狙っていましたか?

谷田優也:会社を設立した直後は考えていなかったです。上場がどれだけ有効で大変なことかも、想像すらしていませんでした。まずは、小さくてもカルチャーとして認知されることを考えていました。自分たちも仕事がある状態を維持しつつ、それを取り巻く周囲の人たちを幸せにできる空間や環境を作ることを最優先に考えていたと思います。

新谷哲:創業時のご苦労などはありましたか?

谷田優也:eスポーツでビジネスをしようと始めましたが、2015年頃はゲームの大会やイベントをメーカーが開催すること自体、トレンドとして全くありませんでした。最初の1年間は仕事がなく、自分たちのご飯をどうやって食べていこうという状態でした。友人が経営するマンションの一室を3分の1だけ間借りして、家賃も3分の1だけ支払わせていただきました。平日はゲームのプロデュースというかたちでゲーム会社に出向し、週5日勤務して自分の給料を稼ぎ、土日にイベントの準備をするという生活をしていました。ですので、最初はeスポーツの仕事はできなかったです。

新谷哲:何年目ぐらいからeスポーツの仕事が本格的に始動したのですか?

谷田優也:1年目の年末頃です。その頃『ストリートファイターⅤ』というゲームが主流だったんですが、翌年の2月に正式版で発売される予定でした。ゲームは発売される前に体験版というものがあり「体験版を全員がダウンロードできる環境を作ることはできないか?」と考えました。その体験版を使って、最速の日本一を決める大会を開催できれば面白いのではないかと、カプコンさんに提案させていただきました。その提案にすごく興味を持ってくださり、協賛をいただけることになりました。初めて一定の予算を確保し、イベントを開催することができました。イベント開催が名刺代わりになり、仕事として回り始めたのは翌年ぐらいです。海外のゲーム会社が世界大会を開催し、日本代表も決める大会などのサポートもさせていただきました。これらの経験から、ゲーム業界での弊社の位置付けも確立され、知名度も上がったと思います。2016年の夏頃から、少しずつお仕事をいただけるようになっていきました。

新谷哲:上場はいつから意識されましたか?

谷田優也:会社が何のために存在しているのか考えた時に、やはりビジョナリーであるべきだと思いました。何を成し遂げたい会社なのかというビジョンを作りました。その中で、「eスポーツの力を信じ、価値を創造し、世界変えていく」というミッションと「ゲームプレイに肯定を、ゲーム観戦に熱狂を、ゲームにもっと市民権を」というビジョンを作りました。このビジョンを達成するために「ゲームイベントで収益を上げていくこと」を起点に考えてみました。経常利益が10%だとして、1億円の仕事で1,000万円、3億円稼いでも3,000万円となりますが、次のチャレンジをするための資金としては到底足りません。これでは、成長のスピードにとてつもなく時間がかかるなと思いました。ビジョン達成のためには、ゲームの価値をどんどん引き上げるチャンスを作っていかなければいけないと、ずっと悩んでいました。その時に、カヤックからの資本提携、出資の相談をいただくタイミングが重なりました。僕らの話を聞いていただく中で、カヤックの柳澤社長からたくさんのアドバイスをいただきました。カヤックは、すでに上場されていましたので、上場することによる強みや会社運営のアドバイスもたくさんいただきました。その後、カヤックからの出資が決まり、様々な未来を思い描けるようになったとき、上場について本格的に意識し始めました。

新谷哲:上場に向けてのご苦労はございましたか?

谷田優也:一般的なコンプライアンスやガバナンスの準備などは、どの会社も通る道だと思います。難しかったのは、eスポーツという業界に、類似する企業がなかったことです。eスポーツの会社として初めての上場でしたので、どのようなビジネスをするのかを分かりやすく説明すること。「売上や収入、事業計画書をどのように担保していくのか、保証性をどのように再現していくのか?」というところを、ご納得いただき、審査を通過する点が非常に難しかったです。弊社も、eスポーツの軸の中で、様々なビジネスがあると伝えながら、新しい話を掛け合わせて説明していきました。それでも「既存の企業でいうとどこですか?」というように質問され「既存の企業がないので、僕らがリードしています」という話を多くさせていただきました。eスポーツがどのようなビジネスかを、一般的に周知して情報として共有する難しさを痛感しました。そのことが一番苦労したところだと思います。

新谷哲:御社の事業内容をご説明いただけますか?

谷田優也:大きく3つの事業を行っています。1つ目は、クライアンドワーク事業です。これはイベントや番組の生放送といったコンテンツを受託する仕事です。それがゲームメーカーさんであれば、一緒に公式大会やプロリーグを運営していくこともあります。eスポーツというカテゴリーの中で、共同事業を検討されている会社と一緒に、イベントのスキームやプロダクトのプロデュースの部分をご一緒させていただきます。受託のお仕事を様々なゲームを使ってやっております。

2つ目は、パートナーソリューションという事業で、芸能事務所のような機能を模索している部分です。いわゆるトップアスリートが、様々なナショナルクライアントさんと契約してスポンサーが付くように、ゲーム業界もこれが通例となってきました。スポンサー契約とタレント出演をビジネスに結び付けるところをメインでやっています。コロナ禍が続き、プロゲーマーの人たちは世界中を飛び回ってゲームをすることができなくなりました。そこで起きた現象が、自宅でゲームの実況環境を作り生放送するという形です。その中で、既存のゲーム宣伝をするより、YouTuberとして配信する方が影響力があがってきたので、配信者の方々の受けサポートすることが増えました。視聴者はゲームを本気で好きなのかを見分けられる人たちばかりですので、ゲームを心から楽しんいる人たちが発信する情報の影響力は、すごい力を持っています。それによって、広告収入が目に見えるように上がってきたのです。

例えば、トップのストリーマーが月に300時間生放送すると、その300時間の平均視聴数が2万人を超えます。とてつもない数字です。月間1人で3億分とか4億分の時間を獲得するような影響力です。有名なストリーマーであると、ゲーム配信をしたとき、月に数百万円~数千万円の収入が入ります。その配信の中で流れる広告で生まれた収益を弊社と契約することにより、一度全ての広告費用をお預かりします。そして、配信者が遊んでいるゲームタイトルのメーカーさんに分配し、さらに配信者に返還していくという流れをスキームとして持てるようになりました。権利者に対して、IPのコンテンツ利用が重要だと考えています。もともとIP関連で培った経験が、ゲーム実況などの世界でも実現できたことの面白さを感じます。

3つ目は、ビジネスデザイン事業です。僕らがこれまで培ってきたイベントプロデュースのノウハウを、様々なジャンルと掛け合わせてビジネスにしています。例えば、地域の方々とお話をさせていただきながら、eスポーツを軸に地域を盛り上げるイベントプロデュースを計画しています。弊社は以上の「イベント・人・新規」の三本柱でビジネスを行っています。

新谷哲:角川コンテンツゲートで学ばれた部分が活きていますね。ここからは全く違う質問をさせていただきます。好きなもの、好きなことをお聞きして、「料理、対戦ゲーム全般、新しい発見や未知の体験」とお答えいただきました。本当にゲーム好きだと思いますが、今回は違うお話しにします。料理好きということですが、ご自身でお作りになるのですか?

谷田優也:結構作ります。最近はYouTubeで一流シェフのレシピが配信されていますので非常にありがたいです。それを自宅で完全再現に近い状態で料理することが多いですね。

新谷哲:料理は毎日のようにされるのですか?

谷田優也:平日はできないですが、土日の休日などは作ります。主にイタリアンが多いですが、それを作ってみんなに振る舞うといった感じです。

新谷哲:ちょっとゲームからは想像できない感じですね(笑)。

谷田優也:人と対戦するゲーム自体も面白いですが、どうしても勝ち負けが存在します。そのため、目に見えないストレスが溜まっていると思うんです。料理を作っていると、ストレス発散になりますし、作った料理を「うまい!」と言ってくれる人たちが目の前にいることが嬉しいですね。後は、新しい発見という趣味になりますが、最近はゴルフにお誘いいただく機会が増えて、基礎からゴルフの練習を始めたところです。ゴルフを始めてみて思ったのは、準備が大変なことです。ゲームは端末とネット環境があれば遊べますからそこが違いますね。それでも時代は進んでいるようで、通い放題のインドアゴルフの施設が自宅から5分ぐらいのところにできました。深夜にインドアゴルフ場のオートロックを開けて、誰もいない無人の施設で時間を気にせずゴルフの練習ができます。その練習風景が全てカメラに収められて、弾道も全部データをとられています。休日にコーチに会いに行く時間をセットすると、そのカルテをもとに、ダメなところを指摘するところから入り指導していただけます。色々なことが効率良くなってきていることが、とても面白いと感じています。

新谷哲:座右の銘もお聞きしまして「迷った時はどっちが正しいかなんて考えちゃダメ!どっちが楽しいかで決めなさい。」とお答えいただきました。漫画の『宇宙兄弟』から持ってこられていますが、選ばれた理由は何かございますか?

谷田優也:これは常に思っていることです。ビジネスは再現性がなければいけません。しかし、人生という視点で見ると「再現性がないことの方が面白い」と思っています。経験したことがないことや、二度と経験できないことにチャレンジするが面白いです。例えば、弊社が上場するまでの道のりです。ウェルプレイド・ライゼストって必殺技のように長い名前ですが、元々は「ウェルプレイド」と「ライゼスト」という別々の競合他社が、上場直前に合併しました。その頃はコロナ禍の真っただ中で、カルチャーの情勢は不安定な中での合併でした。合併だけでなく上場の準備もし、しかもeスポーツの銘柄では初めての上場です。この状況下で合併・上場した会社は、日本では過去に例がないと思います。「人生やり直してももう再現できない」と考えた時に、僕は面白いと思うんです。この考えは仕事だけでなく日常にも影響があり、例えば「同じジュースを連続して買わない・飲んだことがないジュースしか買わない」というルールの中で生きたことがあります。マクドナルドやファミレスに行っても「自分が好きなものが分かっているのに、食べたことがないメニューを頼んでしまう」ということもしています。

新谷哲:次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。

谷田優也:成功の秘訣は「面白がること」です。僕は「仕事ほど面白がらないと上手くいかないものはない」と思っています。タレントのタモリさんも「遊びほど真面目にやって、仕事ほどちゃんと楽しんでやりなさい」という名言を言っています。エンタメ業界に限らず、どの業界でも色々なビジョンや信念に沿って経営者は経営をします。その中で成功するには「業界の中で、一番面白がっている1人」に自分がならないと、様々な困難を乗り越えることが出来ません。僕は面白がっていることが「最強」、そして「正しい」と信じています。

新谷哲:大変参考になるお話でした!谷田優也社長、本日はありがとうございました。

谷田優也:ありがとうございました。

編集後記

今回は、谷田優也社長でした。専門学校時代にYouTuberの走りのようなことをする、同じジュースは飲まないなど、個性的なことをされるチャレンジャーです。システム開発会社でネットワーク、角川コンテンツゲートでIPを学ばれ、マーベラスでゲームのプロデュースをされ、初めてのeスポーツ会社を立ち上げた、経営者らしい経営者です。上場するべくして上場されたのだなと感じ、私はもっとチャレンジしなければと反省いたしました。ぜひ皆様も谷田優也社長を参考にして、チャレンジ精神を常に持ち続け、共に成功社長を目指していきましょう!

谷田優也氏
ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 代表取締役

大阪府出身、神奈川県育ち。2010年に株式会社角川コンテンツゲートにご入社、IPデジタルコンテンツのプロデューサーを務められました。その後、2015年11月にウェルプレイド株式会社を設立。現在のウェルプレイド・ライゼスト株式会社、代表取締役にご就任されました。日本初のeスポーツ専門会社として事業を拡大し、ゲーム業界を牽引していく存在です。自分を取り巻く環境を大切にしながら、自分自身も楽しむことを忘れないというモットーのもと、ゲーム業界のさらなる発展に邁進されています。

※本インタビューへの出演をご希望の方はこちらよりご応募ください。

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、谷田優也氏(ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。

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