成功経営者インタビュー

株式会社スマートドライブ代表取締役 北川烈氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、北川烈氏(株式会社 スマートドライブ代表取締役)です。(2023年4月26日 2023年5月3日配 信)

今回は、株式会社スマートドライブ代表取締役 北川烈様にお越しいただきました。自動運転技術に感銘を受け、在学中に起業。他社の系列に入るとお客様のためにならないと考え、独立資本でいるために上場をされたエピソードから経営のヒントが得られます。ぜひインタビューをお読みください。

新谷哲:今回の社長に聞くin WizBizは、株式会社スマートドライブ代表取締役 北川烈社長です。まずは経歴のご紹介です。慶應義塾大学在籍中、国内のベンチャー企業でインターンをされ、複数の新規事業の立ち上げを経験。その後1年間米国に留学し、エンジニアリングを学んだ後、東京大学大学院に進学。移動体のデータ分析を研究、その中で自動車のデータ活用、EV、自動運転技術が今後の移動を大きく変えることに感銘を受け、在学中にスマートドライブを創業、代表取締役にご就任されます。そして2022年には東証グロース市場に上場されました。本日はよろしくお願いいたします。

北川烈:よろしくお願いいたします。

新谷哲:最初のご質問です。ご出身はどちらでしょうか?

北川烈:生まれも育ちも東京です。

新谷哲:小学校時代は、どのようにお過ごしになられましたか?

北川烈:小学校の時は、慶應義塾大学の付属校を中学受験をしたので、人生で一番勉強しました。

新谷哲:では、成績は良かったのですね。

北川烈:ギリギリ慶応に入れるぐらいでした。中学入学後は全く勉強しなくなり、落第スレスレのところをやってきておりました(笑)。

新谷哲:中学時代はどのように過ごされましたか?

北川烈:慶應の付属では、中学校のことを普通部と呼んでいました。独立自尊や文武両道を謡う学校で、勉強以外にもスポーツや、労作展という自由研究みたいなものを中学生からやらせてもらえました。小学校まで頑張っていた勉強よりも、労作展に力を入れ、自分の興味あることを深堀していたことが印象に残っています。

新谷哲:スポーツなどはされたのですか?

北川烈:スポーツはサッカーや、中学の終わりからテニスをしましたが、一番に力を入れたのは労作展です。私の父親がアフリカに別荘と言うか、ホテルの一室を持っていたので、それでアフリカの研究をしたりしました。他には、株の取引についても研究したりと、本当に興味の赴くままに時間を使えた3年間でした。

新谷哲:高校もそのまま慶應の付属校に進まれたのですか?

北川烈:今、SFCと呼ばれている、慶應の湘南藤沢キャンパスに進みました。

新谷哲:高校時代はどのようにお過ごしになられましたか?

北川烈:高校時代も基本的には同じです。勉強はほとんどせず、スポーツなど自分の興味があること時間を使いました。受験がなかったからこそできたことですね。

新谷哲:楽しかった思い出はございますか?

北川烈:高校の時はテニスを頑張りました。その時の付き合いは今も続いています。スポーツ以外では、帰国子女の割合が多く、学年の3分の1~半分ほどが帰国子女だったので「もっと英語を勉強しなければ」という意識が芽生えました。

新谷哲:テニスは上手かったのですか?

北川烈:上手くはないですが、好きです。部活以外にクラブチームにも入っていて、その時のご縁もあって今の会社でもスポンサーをさせていただいています。

新谷哲:その後、慶應義塾大学に進まれますが、どこの学部を選ばれたのですか?

北川烈:商学部を選びました。

新谷哲:大学時代はどのようにお過ごしになられましたか?

北川烈:大学時代も、勉強より興味のあることに時間を使っていました。ベンチャー企業でインターンをしたり、交換留学のような研修で中国の深圳にある工場に2週間行ったり、1年間ボストンに留学もしました。大学時代はそのように、自分の中で領域を広げるというか、知見を広げていきました。

新谷哲:ベンチャー企業でのインターンは、何社ぐらいされたのですか?

北川烈:2社です。しかし、1社は1週間ほどの短い期間でしたので、実質は1社です。

新谷哲:どのようなお仕事をされましたか?

北川烈:今は上場をされている企業ですが、当時は100人いない規模でした。インターンの私にもいろいろ提案をして新規事業とかをさせてもらいました。実際にゼロからビジネスプラン書いて、社員の方と一緒に事業をするという経験もしました。

新谷哲:事業に関わって、当時はどのように思いましたか?

北川烈:ベンチャー企業なので、スピード感がありました。平日の夕方6時くらいに「これ、明日の朝までにやっといて」と言われて、本当に朝までにやったこともあります。他には、当時は学生で決算書などを読んだことがなかったので「会社のPLや事業計画ってこうやって作るんだ」と感じたことが印象に残っています。

新谷哲:インターン時代に経験したことは、起業の際に活きたのでしょうか?

北川烈:はい。インターン時代に経験したので、スマートドライブ創業したとき「最初に何をすればいいか」をイメージできました。

新谷哲:アメリカのボストンに1年間留学をされていますが、留学しようとしたきっかけはございますか?

北川烈:慶應義塾大学では経済学や金融工学などを扱う研究室にいたのですが、当時はコンピューターサイエンスが流行り、少しずつ盛り上がっていく時代でした。インターン先でそれに触れる機会があり「コンピューターサイエンスの学術的な知識を学びたい」と思い、1年間だけ留学しました。

新谷哲:「この分野は学ばねば」ということをご自身で考えて行動されていますが、当時から人生設計ができていたのですか?

北川烈:当時は深く考えていなかったです。自分の周りにすごい好きな人たちが多かったので「私も世の中を見てみたい」という思いがあり、行動をしていました。

新谷哲:その後、東京大学の大学院にご進学されますが、選ばれたきっかけはございますか?

北川烈:ボストンに留学した1年間の中で、色々なことを学びました。単純な授業以外にも、ネットワークというか接点を持つことができ「もう少しちゃんと、コンピューターサイエンスを学びたい」と思いました。また、私自身も「社会に出るのは少し早い、勉強しながら見極めたい」と感じていたので、大学院への進学を決めました。

新谷哲:東大の大学院では「移動体のデータ分析」を学ばれたとプロフィールにお書きいただきましたが、どのような分野なのですか?

北川烈:移動体というのは分野が広いです。今やっているのは、人の流れの分析です。カメラから人流を分析したり、飛行機や船の路線図みたいなものの最適化をしたり、といったことをします。コンピューターサイエンスを勉強しようと決めましたが、実際に世の中に何をもたらしているのかが、分からない部分がありました。それで、移動データとかを使う分析を研究することで、課題解決をする移動体のデータ分析に興味を持ちました。

新谷哲:大学院時代にスマートドライブを創業されていますが、創業のきっかけはございますか?

北川烈:自分でやりたいことを見つけたら、自分でやってみたいという思いがありました。やりたいことは、研究者や政治家、起業家など、色々あると思います。考えていく中で「自分は研究よりもビジネスの方が向いている」と感じました。私の父親が自分の会社を経営していたこともあり、どこかに就職するイメージもありませんでしたので、気合を入れて起業したというよりも、自然と起業したという感覚です。

新谷哲:起業するときに、怖さなどはありましたか?

北川烈:全くなかったです。

新谷哲:なるほど。ご両親の反対とかもなかったですか?

北川烈:両親からの反対もありませんでした。起業することだけでなく、人生の中で両親から反対されたことが全くないですね (笑)。

新谷哲:なるほど(笑)。スマートドライブを創業して苦労されたことはありますか?

北川烈:我々は車からデータを集めるデバイスを開発していますが、ハードウェアが絡む部分や、集めたデータを分析する部分に苦労しました。また、製品を販売するために、色々なパートナーさん、例えば、保険会社やリース会社などと提携をする必要がある部分でも、苦労しました。三重苦でお金がかかるので、昔から「よくやるね」と周囲から言われています。

新谷哲:そういうときは、精神的にきつくなったり、苦痛を感じたりされましたか?

北川烈:あまりないです。もちろん、その時々に「大変だ」と思います。しかし、今やっていること自体に対しては「我々がやらなくても、いずれ世の中はこの方向に進む」と自信をもっています。その意味では「辛いけど、間違った山には登っていない」といった感覚があるので、辞めたいとかは一切思わなかったです。

新谷哲:上場は創業時から狙っていましたか?

北川烈:狙っていないと言えば嘘になりますが、独立資本でいるために上場することを決めました。スマートドライブの事業を考えた時、どこかの会社の系列に入ることは、お客様のためには良くないと感じました。例えば、ある自動車メーカーに会社が買われてしまうと、そのメーカーの車にしか使えなくなります。それを避けるために、独立して経営したいと考えて、上場を決めました。

新谷哲:上場に向けての苦労はございましたか?

北川烈:最初の数年間は売上があまりなく、その中で資金調達をしながらビジネスを作っていく部分が大変でした。上場をするためには、健康診断みたいに、会社の隅々まで外部の人にチェックをしてもらいます。チェックを通過するには、会社というかマーケットと向き合っていくことを問われ続けるので、非常に大変でした。しかし、すごく大事な経験だったと思っています。

新谷哲:ありがとうございます。次に、スマートドライブの事業内容をお教えいただけますか?

北川烈:スマートドライブは移動データを活用して「移動の進化を後押しする」というビジョンを掲げています。私が留学中の知人を訪ね、自動運転や電気自動車などを見たところから、このビジネスの着想が始まりました。これらが普及した世の中に置いて、データの活用がすごく重要です。移動データを色々な形で分析できて、色々な会社が使えるプラットフォームを提供しています。具体的に言うと、今は2つの事業を展開しています。まず、BtoBをメインとした事業。これは商用車を利用されている方向けのSaaSサービスの提供。例えば車両の管理や事故を減らすサービス、色々な分析のダッシュボードなどで、現在は1000社ほどの企業様に導入をいただいています。2つ目の事業が、この企業様が使用されている車から上がってくるデータを活用するビジネスです。契約されているお客様からは何万台分のデータが毎日上がってきます。どこでブレーキを踏んだとか、その方の事故リスクはどうなっているかとか、どのような車に乗ってどういうリース契約をしているかとか、そうした情報が常に入ってきます。それらを分析して、保険会社やリース会社、自動車メーカーなどの企業さんと一緒に活用していきます。車の車両管理サービスは多くございますが、そのデータを保険会社や自動車メーカーが活用できる形にする企業は、現在は弊社だけです。車を活用する方々や、保険会社やメーカーの方々のメリットになるような循環を作っていくことを、意識して事業をしております。

新谷哲:ありがとうございます。ここからは違う質問をしてまいります。事前に好きなもの・好きなことをお聞きして「テニス、テニス観戦、サステナビリティの活動の一貫で、プロテニスの伊藤竜馬選手と3人制プロバスケットボール「TOKYO DIME」をサポートしている。あと新しいプロダクトのキャッチアップ、ハードウェアを一通り触ってみる」とお答えいただきました。テニスの話題はすでに出たので、別の部分に注目します。新しい物が好きなのですか?

北川烈:かなり新しい物好きだと思います。基本的に、好きなもので新しいものは、出たときに買います。買い続けるかは別としてとりあえず試してみるとか、すごく好きですね。

新谷哲:興味があると飛び込まれるのは、上場企業の経営者らしいですね。次の質問にまいります。座右の銘もお聞きしまして、「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」とお答えいただきました。日本電産の永守さんの言葉ということですが、こちらを選ばれた理由はございますか?

北川烈:新しい物好きなのでテクノロジー関連にはすごく興味があるのですが、人間のベーシックな部分にもテクノロジーと同じくらい強い興味を持っています。物事の本質というのは、極端に偏った所ではなく、極端に振り切ったところの間ぐらいにあると考えています。「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」を選んだ理由は、この短い言葉の中で、物事の本質をとらえていると思っているからです。迷ったらこの言葉に集約していけば、迷うことはないと思っています。

新谷哲:ありがとうございます。次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。

北川烈:まだ成功していませんが、大事にしていることは「やってみること」です。やったことによって色々な情報が入ってきて、その情報によってアイデアがブラッシュアップされ、という循環ができたときに成果が出ます。逆に、考え続けてもやってみたら全然違うこともよくあります。ある程度のところまで考えたら、あとは実際にやってみることが、人と差をつけることに繋がると思います。私自身も今後はそこに意識をしたいと考えています。

新谷哲:北川烈社長。本日はありがとうございました。

北川烈:ありがとうございました。

編集後記

新谷哲:本日は、スマートドライブの北川烈代表でした。学生時代から何にでもチャレンジをするのは素晴らしいです。私は学生時代になぜ北川烈代表のように、動けなかったのだろうと反省しております。お若い経営者で、ぜひ応援したいと思いました。成功の秘訣でも行動あるのみ、チャレンジあるのみ、と言っておられましたので、皆様もぜひ様々なことにチャレンジをして、北川烈社長のようになっていただけたらと思います。

北川 烈氏
株式会社スマートドライブ 代表取締役

慶応大学在籍時から国内ベンチャーでインターンを経験し、複数の新規事業立ち上げを経験。その後、1年間米国に留学しエンジニアリングを学んだ後、東京大学大学院に進学し移動体のデータ分析を研究。その中で今後自動車のデータ活用、EV、自動運転技術が今後の移動を大きく変えていくことに感銘を受け、在学中にSmartDriveを創業し代表取締役に就任。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、北川烈氏(株式会社スマートドライブ 代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。

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