成功経営者インタビュー

経営者インタビュー 株式会社サイバー・バズ 代表取締役社長 髙村彰典氏

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、髙村彰典氏(株式会社サイバー・バズ代表取締役社長)です。(2020年 9月23日 9月30日配信)

インターネット広告の黎明期にサイバーエージェントに入社。インターネット広告代理店事業で事業責任者を経験後、2005年に取締役に就任し、その5年後の2010年に、株式会社サイバー・バズの代表取締役社長に就任。社長就任の9年後の2019年に東証マザーズに上場するまでに成長させたエピソードから、経営のヒントが得られますのでぜひお読みください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社サイバー・バズの髙村彰典社長です。まずは経歴のご紹介をします。1974年生まれ、岡山県出身。青山学院大学卒業後、1997年に興和株式会社に入社。その後、1999年に株式会社サイバーエージェントへ入社。インターネット広告の黎明期である、株式会社サイバーエージェントの設立から10カ月後のご入社です。インターネット広告代理店事業で事業責任者を経験後、2005年にサイバーエージェントの取締役に就任。5年間取締役をお勤めになり、2010年に株式会社サイバー・バズ代表取締役社長に就任。2013年にはサイバーエージェントよりサイバー・バズの株式33%を取得し、2019年9月には東京証券取引所マザーズに上場されました。本日はよろしくお願い申し上げます。

髙村彰典:よろしくお願いいたします。

新谷哲:最初のご質問です。ご出身は岡山県との事ですが、小学校・中学校時代はどのようにお過ごしになりましたか?

髙村彰典:岡山県でもかなりの田舎の地域で育ちました。小学生時代は、山や川でひたすら遊んでいた記憶があります。また、小学校、中学校、高校と学級委員長を任される機会が多かったです。

新谷哲:皆をまとめる事が得意だったのですか?

髙村彰典:当時は意識しておりませんが、なぜか自然とやっていた気がします。

新谷哲:元々、マネジメントが得意で社長気質なのですね!

髙村彰典:そう言っていただけると嬉しいです(笑)

新谷哲:高校も岡山県ですか?

髙村彰典:はい。岡山の県立高校です。

新谷哲:高校時代の思い出はございますか?

髙村彰典:野球部を作った事が印象深い思い出です。中学生時代に野球部のキャプテンをしていたので、高校でも野球部に入部しようと考えていました。ところが、通学エリアに県立高校の進学校は1つのみで、進学をしたところ、その学校には野球部がありませんでした。当時スラムダンクが流行っていた事もあり「バスケットをすればモテるのでは?」と考え、バスケ部に入部をしましたが、野球を続けたいという気持ちは消えませんでした。その為、高校2年生の時に野球の同好会を皆で作り、3年生の頃には実際に部活動と認めていただけるようになりました。

新谷哲:当時から起業や創業の様に、新しく何かを立ち上げる事がお得意だったのですか?

髙村彰典:きっと「これだ!」「やりたい!」と目的を持って決めたことに対しては、とことんやらないと気が済まない所はあるかもしれません。

新谷哲:なるほど、素晴らしいですね。大学は青山学院大学にお進みですが、選ばれた理由はございますか?

髙村彰典:東京に出たいという気持ちが強く、どこでも良いと考えていました。私の実家では自営業をやっていて、幼少期から家のお手伝いをしていました。お酒が1ケース売れたら利益がどれくらい入ってくるのか?など計算をしていて、どうやったら儲かるのだろうと経営に興味を持つようになりました。その為、青山学院大学の経営学部を選ぶことにました。しかし、自慢が出来るような学生生活では無く、ほとんど学校には行っていません。

新谷哲:大学時代に熱中していた事はありますか?

髙村彰典:アルバイトばかりやっていました。

新谷哲:どの様なアルバイトをしていましたか?

髙村彰典:一番面白かったアルバイトは、イトーヨーカドーのお肉屋さんです。スーパーの棚は良く出来ていて、1番下の段が1番売れ、雨が降ると顧客が少ないなど不思議に感じていました。天気予報によって売上予想を立て、仕入れをする事は一番勉強になり、消費活動の観察をする事がとても面白かったです。それ以外にも飲食店のウェイター、キッチン、広告代理店などでもアルバイトをしました。

新谷哲:オシャレでカッコいい髙村彰典社長が、お肉屋さんで働いていたとは意外です!

髙村彰典:とても地味な事をやっていました。

新谷哲:なるほど。大学卒業後は、興和株式会社に入社されましたが、選ばれた理由はございますか?

髙村彰典:私たちの代は就職氷河期でした。そんな中でも、「自分たちで商売ができたらいいな」とぼんやりと考えていましたが、特段やりたい事もありませんでした。何をやろうか考えた時に、大きな仕事、海外、モテという3つの要素で企業探しをしていました。その為、受けていたのは外資系や商社ばかりです。いくつか内定をいただき、先生と相談した所「国内の企業の方が良のでは?」と言う事で、興和株式会社に入社し社会人生活がスタートしました。

新谷哲:なるほど。その後2年ほどでサイバーエージェントに移られていますが、理由はございますか?

髙村彰典:私は、大企業やトラディショナルな会社は素晴らしいと思います。しかし、自由度の低さや、若手が活躍しづらい傾向があります。出世を考えると、課長が40歳、部長で50歳位と、私の生き方の中では「時間がかかってしまう」と感じました。「何か新しくチャレンジしたい」と考えていた時に、サイバーエージェント創業者の藤田晋さんとの共通の知人から、「インターネットのベンチャー会社を作ったらしい」という話を聞き面白そうだと感じ話を聞きに行きました。「インターネットがこれからくる!」「若い力とインターネットで日本を変えていかないといけない!」という藤田さんの言葉に、一撃で感化され「すぐにいこう!」と入社を決めました。

新谷哲:なるほど。当時のサイバーエージェントは創業したばかりで、無名の企業だったと思いますがいかがでしたか?

髙村彰典:はい。私の社員番号は1番です。あとは役員とバイトの5人ほどの会社でした。

新谷哲:サイバーエージェントでの思い出はございますか?

髙村彰典:当時はがむしゃらでした。 ベンチャーでは個の力が求められ、成果を残さなければいけません。私は、リーダーだ、人を引っ張っていけると自分よがりになりすぎてしまっていた時期があります。例えばマネジメントです。当時は誰もノウハウがない事をインターネットでやっていました。私が、業績を上げた時に、スキルやノウハウを人に伝えていく必要がありましたが、自分の成績を残すという事にばかり注力していました。個人の成果を残す事は出来ても、マネジメントにはなれずダメダメでした。そんな時、藤田さんに相談した所「1人でやっている事を、自分の分身を5人作れば5倍になるだろ?そういう発想で物事を考えていかなければいけない」と叱咤激励して頂きました。サイバーエージェントの中で、若くしてマネジメント側に進むためにはこのような発想が大事なのだ、と学びました。

新谷哲:なるほど。2005年に取締役に就任されていますが、同級生の中で一番の出世頭だったと思いますが、いかがですか?

髙村彰典:どうでしょう。ベンチャーブームだったので、起業し社長をしている友人もいましたが、あまり気にしたことはありません。

新谷哲:現在のサイバーエージェントはビック企業ですが、役員をやっていて苦労はありましたか?

髙村彰典:社員が大きく増えていったので、ミドルマネジメントの育成、組織の確立に非常に苦労しました。私の中に「こうしたい」、「ああしたい」という考えがあり、マネジメントチームとミーティングをしても、中々それが実現できない、実行されないと言うジレンマがありました。組織を引っ張っていくため、現場にどうメッセージを落とせばいいのか?自分に何が足りないのか?とよく考えていました。結果、メッセージの出し方、方向性の示し方がシンプルでなかったと気づきました。600人700人に伝えるには、シンプルに分かりやすく、「これをやっているのだ」と伝える事が大事だと学びました。また、組織が大きくなることで、入社してくる社員の意識も変わってきました。会社を立ち上げた当初は、寝ないで働いており、量を質に変えていくような仕事の仕方をしていました。新しく入ってきた社員にも過去の成功に捕らわれ同じやり方を教えていこうとしていました。しかし、それは過去のものであり、新しいものに変えて行かなければいけません。働き方の改革にも苦労をした記憶があります。

新谷哲:お答えいただきありがとうございます。その後、株式会社サイバー・バズを設立されましたが、どのような経緯で子会社を設立しましたか?

髙村彰典:サイバーエージェントには「あした会議」というものがあります。新しく会社の未来を作っていく取り組みについて、意見を出し合い、決議されると実行されるというものです。当時アメリカではバズマーケティングというものが流行っていました。サイバーエージェントでは、丁度アメブロを始めているタイミングだったので、「このブログをマネタイズしていくのはどうか?」という意見が出ました。そこに賛同が集まり、2006年に事業を立ち上げました。2010年のタイミングで伸び悩み「一旦撤退」という話が持ち上がりました。そこで「僕がサイバー・バズの会社を見ます」とお願いしました。何故、サイバー・バズで社長をやる事を決めたかというと、スマートフォンの普及により事態は変わるのではないか?と考えたためです。2007年からiPhoneが出始め、スマートフォンが一気に普及しました。それに合わせて、ブログに変わるTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSというものが増えてきます。インンフルエンサーと言われる人たちは常に違うところに移っていく為、サイバー・バズで出来る事は沢山ある!と思い、社長に就任する事を決めました。

新谷哲:2019年9月に東証マザーズに上場していますが、創業当初から上場を目指していましたか?

髙村彰典:当時は赤字で経営状況は良くなく、考えておりませんでした。そこから選択と集中をすることにより、3年かけて売り上げ利益が伸びる体制を整える事ができました。このタイミングで、自分で起業する事を考えましたが、諸事情があり「サイバー・バズで覚悟を決めよう」と決断をしました。そして、今後大きくなっていくマーケットや新しい事業、人に対し投資をしていきたいと思うようになりました。コミットメントを強くするため2013年に株式を取得し、2015年頃からIPOを考え始めました。

新谷哲:上場に向けての苦労はありましたか?

髙村彰典:サイバーエージェントの100%子会社からスタートしていたので、株式を移動させていく逆の資本政策に苦労をしました。どの株主にサイバーエージェントからの株を買って頂いて、誰が株主に入ってくるか?というのをこちら側で決めて行く必要がありました。バリエーションを高くして調達する訳ではなく、サイバーエージェントの株を持ってもらうだけなので、お金は入らないけど株主が変わっていくという資本政策でした。

新谷哲:なるほど。もしよろしければ、株式会社サイバー・バズの事業内容をお教えいただけますか?

髙村彰典:当社はSNSマーケティング全般のサポートをさせていただいている会社です。インフルエンサーと言われている人たちをメインに、マーケティングのお手伝いをさせていただいております。例えばLINE、Twitter、Instagramには企業の公式のアカウントがあります。それらを弊社で運用しながら、企業サイトへの誘導や、ファンを増やす、ECサイトの売り上げアップなどに繋げるコンサルティングを行っています。また、SNS全般の広告の効果を高めるためインフィード広告というものがあります。SNSに関連する広告を一気通貫で全て行えるようなサービスを提供しています。

新谷哲:ありがとうございます。皆様もSNS運用のお悩みがありましたら、ご相談してみてはいかがでしょうか。違う質問をさせていただきます。好きなもの、好きなことお聞きして、「焼き鳥、ハイボール、釣り、読書、トレーニング、漫画、ネットフリックス、ダイエット、瞑想、」と多岐にお答えいただきました。私もハイボール好きです(笑)また、瞑想される経営者は多いですが、髙村彰典社長が瞑想をされるようになったきっかけはありますか?

髙村彰典:私は、好奇心旺盛すぎてすぐ飛びついたり、事業に対して思いが強すぎて、思い通りに行かないとイラっとして相手に嫌な思いをさせたり、これがいいと思い込んでしまう節があります。そんな時に、心を落ち着かせリセットする手段として瞑想を始めました。エネルギーが出すぎてしまう時や、エネルギーを一気に出したい時に瞑想をして自分をリラックスさせ、良い判断ができるように取り組んでいます。

新谷哲:ありがとうございます。大変勉強になるお話です。座右の銘もお聞きして、3つお答えいただきました。「継続は力なり」、「先憂後楽」、「GIVE&TAKEは9:1」これらを選ばれた理由はございますか?

髙村彰典:実は座右の銘はあまり持っていません。その時々のフェーズで大事だと感じる言葉を重要視しています。その中でも長く意識している一つ目は、「継続は力なり」です。人は続けようと思っても途中でやめてしまう事が多いです。例えば3年、4年やればもっと力がつくのに、辞めてしまいキャリアを転々としてしまうと結局何も身につきません。どんな事が起きても継続する事は、企業ブランディングにも通ずると思います。ずっとやっているから「あ、こういう会社ね」と分かっていただけます。違う事をやってしまうと「何の会社?」と思われてしまいます。その為、継続することを意識しています。二つ目は「先憂後楽」です。しんどい事と楽な事は人生で50:50(フィフティー・フィフティー)だと思います。若いときに苦労するとキャリアが付き将来、楽になり、若いときに楽をすると経験値がなく年を取った時にしんどくなります。だからこそ、後を楽にするために最初にしんどい事をやろうと決めていて、迷ったときの判断基準にしています。三つ目は「GIVE&TAKEは9:1」です。「1回これをやったから、見返り頂戴」ではなく9回自分が見返りを意識せずに行動をすることで、1個リターンがあればいい。本当は「10:0」と言いたいですが、こんなスタンスで仕事も人生もやっていけたらいいと考えています。

新谷哲:ありがとうございます。次が最後のご質問です。全国の経営者これから起業する方に向け経営者として成功する秘訣をお教えください。

髙村彰典:まだ全然成功しているとは思っていません。最後に成功したと思えるように意識している事は「人以上に努力をし続ける事」です。サボる事は簡単で、時にはハッと気づいたとき「あ、やばい今自分努力していなかった」と思うこともあります。努力をしても成功するか分からない中、皆も頑張っているのに、自分がそれ以上に努力しなければ壁は超えられません。本を読んだり、人に教えを請うたりしながら、考えやり続けるという事をこれからも続け、成功した経営者になりたいと思います。

新谷哲:大変勉強になりました。髙村彰典社長、本日はありがとうございました。

髙村彰典:ありがとうございました。

編集後記

今回は髙村彰典社長でした。サイバーエージェントで藤田晋さんの下で学ばれる方はとても優秀だと感じました。もちろんそこは、髙村彰典社長の聡明な素質がありながらも、努力され続けている結果であり素晴らしい社長様です。学ぶ事が多く、私も努力しなければと思いました。インタビューをお読みの皆様も一緒に努力をして成功社長を目指していきましょう。

髙村彰典氏
株式会社サイバー・バズ代表取締役社長

1974年生まれ、岡山県出身。青山学院大学卒業後、1997年に興和株式会社に入社。その後、1999年に株式会社サイバーエージェントへ入社。インターネット広告の黎明期である、株式会社サイバーエージェントの設立から10カ月頃に入社。インターネット広告代理店事業で事業責任者を経験後、2005年にサイバーエージェントの取締役に就任。5年間取締役を勤め、2010年に株式会社サイバー・バズ代表取締役社長に就任。2019年9月には東京証券取引所マザーズに上場。ソーシャルメディアを中核とした事業を展開し、生み出す価値で世の中を変え、文化を創れる企業を目指し邁進している。

※本インタビューへの出演をご希望の方はこちらよりご応募ください。

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、髙村彰典氏(株式会社サイバー・バズ代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

『社長の孤独力』抜粋版(PDF29ページ)
無料プレゼント中!

『社長の孤独力』(新谷哲/著) の【抜粋版】を無料プレゼントしております!

71の課題の中から「資金・人材・売上・採用・後継者」の5つを抜粋いたしました。銀行からお金が借りれない社員がすぐに辞めてしまう売上を伸ばしたい、など、具体的なお悩みの解決策が掴めます。ぜひご覧ください。

無料プレゼントの詳細はこちら