成功経営者インタビュー

経営者インタビュー 飛鳥貴雄氏(株式会社ピアラ 代表取締役)

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、飛鳥貴雄氏(株式会社ピアラ 代表取締役)です。(2020 年9月9日 9月16日 配信)

外資系のアパレル会社に就職し、最年少で通販カタログ室長兼直営店マーケティング室長に就任。
この時の経験をもとに、2004年に株式会社ピアラを設立。ライバルが多いマーケティング業界で生き残るために、ビューティ&ヘルス及び食品領域の通販事業に特化することで、2018年に東証マザーズ上場。2020年には、東証一部へと変更いたしました。経営のヒントが得られますので、ぜひインタビューをお聞きください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは株式会社ピアラの飛鳥貴雄社長です。まずは経歴をご紹介します。1999年早稲田大学法学部卒業。大学時代から店舗運営、出版社などの業務経験を積まれました。大学卒業後、トリンプ・インターナショナルジャパンに入社し、就職最年少で通販カタログ室長兼、直営店マーケティング室長となられます。その後、株式会社ピアラを創業し代表取締役に就任。2018年12月東証マザーズに上場、2020年には市場変えをして東証一部上場いたしました。本日はよろしくお願いします。

飛鳥貴雄:よろしくお願いします。

新谷哲:最初のご質問です。ご出身はどちらですか?

飛鳥貴雄:愛知県名古屋市です。

新谷哲:小学校、中学校時代はどのようにお過ごしになられましたか?

飛鳥貴雄:親の関係で3年ごとに転勤する事が多かったです。いきなりヤンキーが多い学校に行ったり、まじめな学校に行ったりしました。「どのようにコミュニケーションの輪に入るか?」を学び、現在でも役に立っています。

新谷哲:高校時代はどのようにお過ごしになられましたか?

飛鳥貴雄:高校は進学校でしたが、自由な風習があり色んな経験をしました。元々、小中学生の時にアイスホッケーをやっていて、クラブチームと部活の両立をしたり、バンド活動やダンスなど多趣味でした。特にアパレルには強い憧れがありました。今でも人気なCOMME des GARCONSなど、日本のデザイナーさんが手掛ける文化や服装に魅力を感じていました。

新谷哲:名古屋でアイスホッケーは盛んなのですか?

飛鳥貴雄:「何故名古屋はフィギュアが強いのか?」と言われるように、浅田舞、安藤美姫などの有名選手が多数おります。皆、大須にあるスケートリンクに素晴らしい先生がおり、指導を受けています。私もそのスケート教室へと通っていました。幼いころ「フィギュアかアイスホッケーどちらか選べ」と言われ、アイスホッケーを選びました。もしかしたら、フィギュアをやっていたかもしれません(笑)

新谷哲:フィギュアを選ばれていたら、羽生結弦を超えていたかもしれませんね! その後、早稲田大学法学部に入学されましたが、選ばれた理由はございますか?

飛鳥貴雄:元々はアパレルを学ぶため、専門学校への進学を希望していましたが、親の同意は得られませんでした。自分で話して何かを変えていく仕事をしたいという思いもあり、弁護士を目指しました。その為に一浪しましたが、弁護士になりやすい早稲田を選びました。

新谷哲:大学時代では、出版社勤務や店舗運営などしていたのですか?

飛鳥貴雄:運営をしていたというよりも、アルバイトとして様々な経験を積みました。
今の早稲田はとても綺麗ですが当時はボロボロで、研究会に入らないと弁護士にはなれませんでした。アパレルなどが好きな自分にとっては異世界で、他の事に興味を持ち始めました。出版社では、バイトで編集者のアシスタントをし、編集の基礎を学びました。また、モバイル系ショップでも働きました。店舗ごと運営を任され、月商や、販管費の計算など色々経験させて頂きました。なるべく事業的な事に関わろうと活動していたので、大学出の新卒よりは稼いでいたと思います。

新谷哲:では弁護士は途中で諦めたのですか?

飛鳥貴雄:そうです。しかし、ポイントを把握したり、契約書を自分で作るなど、当時学んだことをとても活用できています

新谷哲:大学卒業後、トリンプ・インターナショナルジャパンに入社されますが、選ばれた理由はございますか?

飛鳥貴雄:当時は知人も数名いた109に入りたい気持ちがありました。しかし、新卒で月給16万円では「早稲田に行ったのに」と言われてしまうので、大手や外資のアパレルを中心に就職活動をしました。その中でトリンプの吉越浩一郎社長とお会いしました。現在では、19年連続で増収増益をしている、とても面白い魅力的な社長です。「雰囲気が面白そうだ」とトリンプに入社を決めました。

新谷哲:トリンプには何年いらっしゃったのですか?

飛鳥貴雄:5年半です。

新谷哲:最年少で通販カタログ室長兼、直営店マーケティング室長になられていますが、何年でなられましたか?

飛鳥貴雄:3年半くらいです。

新谷哲:異例の出世ですね!

飛鳥貴雄:そうですね。飛び級しても追いつかないので特例で作られた役職です。最初はイトーヨーカドーなどチェーンストアの営業でした。当時、若年層向けブランドを作るという話が出ていて、見てみたところ「こんなコンセプトで本当に若い人が買うと思っているのか?」と思う様な酷い状態でした。提言したところ意見は聞き入ってもらえませんでした。その為、ピーチ・ジョンなど他の若年層に人気のある下着メーカーとの比較や、知人女性からアンケートを取るなどデータとして意見を出しました。そこからブランド作りに最初から関わらせていただけることになりました。その後、イトーヨーカドーのみではなく勝手にアルタなどにお店を開けようとしたり、社長に承諾をもらって、お店を作ったりしました。すると、「好き勝手やっているけど、お前のやっていることは直営店だ」と、直営店に吸収されることになりました。マーケティングの予算もあまりつかず、宣伝部が販促をすると予算が高すぎる為、「全部自分でやる」と勝手にマーケティング室を作ったのです。また、カタログの立ち上げも「マーケティングとしてそれを見てくれ」と言われ、システムを要件定義して社内にシステム部があるので、作りました。部署を新たに作ったことは認証されていて、最初の1年目からいろいろな経験をさせていただきました。「若い人が頑張っているね」と応援してくださる社長だったので、とても学ばせていただきました。現在も基礎的な方針は吉越社長の方針に近いです。

新谷哲:トリンプでの辛かった事や、楽しかった事はありますか?

飛鳥貴雄:弊社の経営理念にWin-Winの5つの約束というものがあるのですが、当時の経験に紐づいています。辛かった点としては、あまり組織観は良くなかったです。出る杭を打とうと、目の前に利益があっても協力を得られずうまくいかないという事もありました。その点、昇進はしやすいですが、人事制度は外資の割に日系寄りの制度でリターンが急に上がる訳ではありませんでした。良かった点としては、外資なので社長がNO残業DAYというのも流行らせる等、働くメリハリがついていたことです。クライアントさんも、エンドユーザー様も、組織の中でも、関わる皆さんがWin-Winの関係であるように嫌だったことは改善し、良かったものは引き継ぎ、現在の理念ができています。

新谷哲:独立をするきっかけはございましたか?

飛鳥貴雄:好きにやりたいなら自分でやった方がいいと感じたからです。周りの環境も後押しし、知人経営者の方達にご相談するなどし、助けられながら独立へと動きだしました。元トリンプの社員、先輩、先輩が連れてきた元エイベックスの社員、の4人でスタートしました。前職のトリンプに紙媒体でメディア化したものがあり、その広告出稿を頂き独立をしたので、開業当時は最低限の収入があるかないか、という状態でした。

新谷哲:トリンプの社長からは引き止められませんでしたか?

飛鳥貴雄:「お前はいずれ出ていくのだと思っていた」とよく言われており、応援していただいての独立となりました。外資なのでそこにずっと働き続けるという風習ではありません。ユニクロやリーバイスでもよく見られるのですが、成功すると異動するというパターンは非常に多いです。

新谷哲: 2018年に東証マザーズに上場されていますが、上場は初めから目指していましたか?

飛鳥貴雄:全く目指しておりませんでした。私からは、50万円の出資で、100万円で始まった会社です。上場できるモデルではなく開業後、半年間は給料もない状態でした。「いずれアパレルはやりたい」という気持ちはありましたが、在庫や店舗を抱える苦労は分かっていたので、目先の食う事の為、広告の企画をして収入を得る代理業をしていました。

新谷哲:いつ頃から上場を意識されましたか?

飛鳥貴雄:10年目くらいです。前職で、私が通販の立ち上げをした事もあり、競合だったセシールさんなどから通販事業のお取引のオファーをして頂くなど、2期目~3期目以外は順調に増収しておりました。通販では看板で選ぶのでなく、単純に実績が出れば評価してもらえるという点が、反骨精神の強い私に合っていました。通販業者をやっていくうちに段々お客様の課題が見えてくるようになりました。要望に応えていくうちに、テレビや新聞、雑誌、ネットシステムまで戦える位のコンサルができるようになりました。昔、広告業は30億の壁があり、当時は40数億円くらいになっていましたが、10年くらい経った頃には、「大手さんの方が良いから」と比較される規模感にまで成長しました。「ここからは強みを持たなければいけない、その為にも資金調達をして上場を目指そう」と考えるようになりました。

新谷哲:そこから上場準備をされたとすると、3~5年で上場されたのですか?

飛鳥貴雄:そうです。2012年に「せっかく上場するなら、面白いから香港にあげよう」とホールディングスを香港に移しました。香港のメインボードは、マルハン、イオン、その後に吉野家がやっと上場するという、レベルの高い場所なので、上場の条件も厳しかったです。その後、急に日本の市場が良くなったので会社を日本に移す事になり、大きな損害を出しました。その為、日本で正式に上場を目指したのは2014年になります。

新谷哲:そうすると、本当に4年くらいで上場ですね!

飛鳥貴雄:はい。私たちは、マーケティングの世界でもオートメーションが来ると考えていました。2015年に初めて資金調達をし、データベースのマーケティングオートメーションツール制作後、特許を取り、それを強みに上場を目指そうとしておりました。しかし、広告代理店の売り上げは伸びていましたが、システムの売り上げの伸びが良くなく「広告代理店にシステムがちょっとある」とバランスが悪い状態でした。また、上位10社中、2社は広告業の中でも大きい代理店変更があり、1社は大手化粧品会社の不良事故があり、広告が全て止まってしまいました。2015年ショックと私達の中では呼んでいるのですが、増収はしたのですが赤字に転落、直前期なのに債務超過に陥り、監査をすべて外すことになりました。2016年は金融機関から全部そっぽを向かれてしまい、自分の給料を8割カットしても追いつかず、家賃など一部支払いを待ってもらうほどキャッシュの苦しい状況でした。実はこの事業以外にも、夢であったアパレルの事業もやっておりました。2012年頃に立ち上げ、パルコやルミネでブランドを作り販売しておりましたが、こちらも売却をしました。そこから、自力で乗り越え、翌年には黒字まで持っていくことができました。2017年にはB Dash Venturesから資金調達を受け、上場へと再スタートを切りました。その際、ビューティ&ヘルス食品特化型の成功率が高かった為、確度の高いところに絞り、それ以外を全部やめるという事業計画の見直しを行い上場まで持っていく事に成功しました。

新谷哲:ありがとうございます。そうしましたら、株式会社ピアラさんの事業内容をお教えください。

飛鳥貴雄:元々は広告代理店プラス通販支援だったのですが、現在は、ビューティ&ヘルス食品業界に特化したマーケティング支援事業を運営しております。弊社の特徴といたしましては、システムは無料、オール成果報酬で結果にコミットするという点です。ツールやシステムでは他社の競合も多く、機能面での戦いを避けるため無料にしました。また、オール成果報酬というという契約イノベーションへのきっかけは、星野リゾートの星野さんが進めていた経営学の本です。「サービスの保証を付けましょう」という内容をみて、マーケティングはどうか?と考えました。シェアリングカーモデルや、欲しいものを欲しいときだけなど、効果があるものにしかお金を払わないという風潮が出てきているのに、マーケティングは結果にコミットするとは限りません。それを改善する為、オール成果報酬を取り入れ結果にコミットするモデルで、業界マップを作ると、ピアラの周りには敵がいなくなりました。周りからは「出来るわけがない」と言われ、最初の1年は、ほぼ人力でとても苦労をしました。新卒社員はデイトレーディングのように赤字30万など出していました。2週間に1回レポートを出すのに、目の前が大変で、「来週頑張ります」ではなく「ものすごいスピードで治すしかない」と社員に当事者意識が付き、新卒含め一気に運用力が上がっていきました。現在では、11年の通販ノウハウのタグ付け学習をして、機械に移しています。マーケティングを機械でプランディングし、最適化して成果報酬でやりきるというのが今のビジネススタイルです。

新谷哲:ありがとうございます。ここからは違う質問をいたします。事前に好きなもの好きな事をお聞きして「グルメ探索、映画、格闘技鑑賞、旅行、キックボクシング」とお答えいただきました。アイスホッケーを昔やっていたと伺いましたが、格闘技もやっていらっしゃるのですか?

飛鳥貴雄:格闘技は小さいころ空手をしていました。格闘技は見るのも、するのも、その場その場で違うというのが好きな点です。ただ走る長距離走はあまり好きではありません。最近ランニングが流行っているのでよく誘われるのですが、自分にはあっていないと思っています。仕事にも共通していますが、毎回同じ動きをするルーティン作業は苦手で、新しい事に取り組みたいタイプです。自分との闘いというよりは、新しい動きや、臨機応変に対応するスポーツが合っているので好きです。

新谷哲:キックボクシングはどれ位されていますか?

飛鳥貴雄:今はコロナが流行しているので控えています。あくまでもスポーツで、大会に出るというよりは「こういう風になりたいな」という気持ちで家にあるサンドバックをたたいています。

新谷哲:お答えいただき、ありがとうございます。次の質問に参ります。座右の銘もお聞きして、「勝つまでやれば勝つ」とお答えいただきました。こちらを選ばれた理由は何かございますか?

飛鳥貴雄:運動は才能が多少関係するかもしれませんが、ほとんどの物にやりきって出来ない事は無いと考えております。私も起業をして新しい事やってきて今があります。リーダー以上に組織は成長しないので、上ができないと思ったところで成長は止まってしまいます。その為、できると思った事しかやらない、できると思うので、やりきる。そうすることで、様々な新しい市場で勝っていけると信じています。そんな話を社内でもよくしています。

新谷哲:なるほど、ありがとうございます。次が、最後のご質問になります。全国の経営者、これから起業する方に向けて、経営者として成功の秘訣をお教えください。

飛鳥貴雄:3つあります。1つ目は、リーダー自身が2格3格上になるために学ぶ事です。先ほど上げた様に、リーダーより組織は大きくなりません。人は周りに影響を受けるので、私の場合、一部、二部上場企業の社長、もしくは1,000億以上売り上げている方や、グローバルの経営者を参考にしています。2つ目は、自ら情報を取りに行くと言う事です。現代では情報が全てです。自ら動かねば、有益な情報は得られません。3つ目は、「やりきる事を最後までやりきる」です。座右の銘でも上げましたが、やりきれると思わない人はやりきれません。社長であること、経営すると言う事はコミットすると言う事です。最後まで信念、志を持ち責任をもってやり遂げると言う事が経営をする上で必要だと感じております。

新谷哲:大変勉強になるお話をありがとうございます。飛鳥社長、本日はどうもありがとうございました。

飛鳥貴雄:ありがとうございました。

編集後記

今回は飛鳥貴雄社長でした。創業から16年で東証一部上場までされたのは素晴らしいです。変遷も自らお話し頂き、非常に素直でまっすぐな方という印象をうけました。やはり素直さ、真摯さなどは社長の必要な資質と私自身感じています。また、私も「情報が命」とよくお伝えさせていただいておりますが、更に上の段の情報を取りにいかなければならないと仰っていました。大変ご優秀で、尊敬に値します。インタビューをお読みの皆様もぜひ「勝つまでやれば勝つ」飛鳥社長の真似をして上場を目指されてみてはいかがでしょうか。

飛鳥貴雄氏
株式会社ピアラ 代表取締役

愛知県出身。1999年早稲田大学法学部卒業。大学時代から店舗運営、出版社などの業務経験を積む。大学卒業後、トリンプ・インターナショナルジャパンに入社し、就職最年少で通販カタログ出場権、直営店マーケティング室長となる。その後、株式会社ピアラを創業し代表取締役に就任。2018年12月東証マザーズに上場、2020年には市場変えをして東証一部上場を果たす。“マーケティングにイノベーション”を掲げ、顧客獲得から育成までの全成果型モデルへの移行を進めて行くことで、ビューティ&ヘルス及び食品領域のWEBマーケティングにおけるNo.1マーケティングコミットカンパニーへと躍進している。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、飛鳥貴雄氏(株式会社ピアラ 代表取締役)の経営者インタビューを取り上げました。

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