成功経営者インタビュー

経営者インタビュー 株式会社MJE 代表取締役社長 大知昌幸氏

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、大知昌幸氏(株式会社MJE 代表取締役社長)です。(2018年8月 1日 2018年8月 8日 配信)

今回は、「企業の成長をサポートするサービスカンパニー」としてオフィスソリューション事業・シェアスペース事業等を経営する株式会社MJE代表取締役CEOの大知昌幸社長にお越しいただきました。注目の西日本ベンチャー100にも選ばれる、話題の経営者です。目立ちたがり屋だった小中学校時代、サッカーに没頭した高校時代を経て、流通科学大学にご入学。卒業後は光通信にご入社、ヤフー子会社への出向を経験した後、独立されました。「起業成功のための機会を創出したい」という想いには、これから起業する方々への熱いメッセージが込められています。大知昌幸社長の経営者インタビューをぜひお聞き下さい!

新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社MJEの大知昌幸社長です。まずは経歴をご紹介させていただきます。流通科学大学卒業後、光通信にご就職。そのうち1年半はヤフー株式会社へ出向されていたそうです。2006年9月に株式会社MJEを創業。「注目の西日本ベンチャー100」掲載、「女性活躍リーディングカンパニー」認証等々、設立から丸11年が経過した現在も成長を掲げるベンチャー企業として事業展開中という経営者です。本日は大知昌幸社長、どうぞよろしくお願いいたします。

大知昌幸:よろしくお願いいたします。

新谷哲:では最初のご質問です。ご出身は奈良県とのことですが、小学校・中学校時代はどのようにお過ごしになりましたか?

大知昌幸:小学校・中学校は目立ちたがり屋でした。先生が何か質問をすると、分からなくても手を挙げてしまう、典型的なうるさい子です。

新谷哲:では、ガキ大将だったのですか?

大知昌幸:ガキ大将ではありませんが、一番目立っているタイプでした。他には、忘れ物が多く、整理整頓ができず、いつも廊下に立たされていました。

新谷哲:高校も奈良県の高校ですか?

大知昌幸:いえ、大阪の上宮高校です。

新谷哲:大阪の上宮高校を選ばれた理由はございますか?

大知昌幸:単純に、第1志望だった公立高校に落ち、やむを得ずに選びました。

新谷哲:高校時代はどのようにお過ごしになりましたか?

大知昌幸:基本的には、サッカー部1本でした。色気づき始めた時期だったので、近くの女子高の女の子と遊んだりもしました。

新谷哲:そうでいらっしゃいますか(笑)。大学は流通科学大学に進まれていますが、選ばれた理由はございますか?

大知昌幸:理由は2つあります。1つは試験がマークシートだったこと(笑)。もう1つは、流通科学大学の創始者が、ダイエーを創業した経営者、中内功社長だったことです。

新谷哲:なるほど。大学時代はどのようにお過ごしになりましたか?

大知昌幸:大学時代は、「アルバイト・麻雀・パチンコ・お酒・女の子」の5つに没頭しました(笑)。「単位をいかにして楽に取るか」を考えていた、馬鹿な大学生活を送っていました。

新谷哲:そうですか(笑)。大学卒業後、新卒で光通信に入社されますが、選ばれた理由はございますか?

大知昌幸:大学時代から、「自分の力を試したい、早く社会人になりたい」とずっと思っていました。就職活動で色々な会社を調べる中で、光通信に出会います。会社説明会で「完全実力主義、完全成果主義」と聞き、「自分の力を社会で試すならここしかない!」と思って入社しました

新谷哲:光通信は2年ほどいらっしゃったようですが、そのうち1年半が「Yahoo!」に出向ですか?

大知昌幸:いえ、光通信には4年半いました。ヤフー株式会社への出向は、最後の1年半です。

新谷哲:失礼しました。光通信では、最初はどの事業部に配属されたのですか?

大知昌幸:最初は、オフィスのITソリューション系の部署に配属されました、IP-PBXやIPのシステムを作ったり、複合機を販売したり部署です。この事業部での仕事が、現在経営する会社の土台になっています。

新谷哲:その部署には、どのくらい所属していたのですか?

大知昌幸:3年ぐらいです。

新谷哲:では、残りの期間はヤフー株式会社の子会社に出向したのですね。

大知昌幸:そうです。光通信の中で、トップクラスの成果を出していました。異動する機会があった時に「経営戦略企画室に異動したい」と希望し、叶います。そこでは「大きな会社同士の事業提携やM&Aのネタを拾う。ベンチャー企業を発掘し、インキュベーションをして上場に導く。ファンドを組成して投資家からお金をお預かりする」という仕事をする部署でした。その仕事の一環で、上場を目指している、ヤフー株式会社の連結子会社と出会います。繋がりが出来たので、「新規事業を立ち上げるプロジェクトリーダーとして、このプロジェクトを成功させた暁には出資させてください」と、半ば強引にヤフー株式会社に出向しました。

新谷哲:ではヤフーの子会社では新規事業のプロジェクトのリーダーをしていたのですか?

大知昌幸:そうです、1年半いました。

新谷哲:その後、光通信を退社され、起業して経営者となっていますが、辞めようと思われた理由はございますか?

大知昌幸:光通信の経営戦略企画室には、2004年の冬~2005年の秋頃まで所属していたのですが、ライブドアがフジテレビを買収しようとしたり、選挙に出たりと大暴れしている時だったので、騒がれている業界の人達と会話することが増えました。当時は業界の皆さん、アドレナリン出まくって、エネルギーに溢れています。それに刺激され「起業したい」と思ったことが理由の1つです。一方では、ヤフーの子会社に1年半いて、光通信とヤフー株式会社の企業文化の違いを知りました。当時のヤフー株式会社の企業文化は、クリエイティブ系なもので、光通信とは真逆の企業文化でした。自分の中の価値観がどんどん変わります。プロジェクトは1年半ほどでひと段落し、身の置き方を考えたとき「起業して経営者になるにはこのタイミングしかないのではないか?」と思い、経営者になりました。

新谷哲:20代で経営者になる決意をされた時、経営者になることへの怖さは感じましたか?

大知昌幸:言って良いのか分からないのですが、したたかに動きました。光通信時代の上司には全てお話をして辞めましたが、ヤフーの子会社での仕事がまだ残っていました。その段階で会社を起業したので、ヤフー株式会社からの業務委託契約という形で仕事をもらい、向こう1年の売上が見えている状態で、株式会社MJEの経営をスタートしました。

新谷哲:大知昌幸社長は頭が良く、したたかで、素晴らしいと思います。MJEは当初、どのような事業を経営していたのですか?

大知昌幸:当初の定款は、新規事業立ち上げ支援の経営コンサルティング会社でした

新谷哲:それはヤフー株式会社の子会社の新規事業立ち上げの支援をしているから、その定款になったのですよね。

大知昌幸:そうです。

新谷哲:現在は、どのような事業で会社経営をしているのですか?

大知昌幸:現在は、オフィス系のITソリューション事業の経営をしています。売上は、40億円くらい。社員数は240人ぐらいになりました。事業内容としては、サーバーの設置。サーバーの周りのネットワーク構築や、システム構築。それから、ネットワークの関連の機器の販売などです。

新谷哲:新規事業立ち上げの経営コンサルティングから、得意分野に事業の経営を移されたのですね。そちらに事業の経営を移した経営をお教えいただけますか?

大知昌幸:新規事業立ち上げ支援の経営コンサルティング事業は、ヤフー株式会社への業務委託契約に頼ったビジネスモデルでした。口では「起業して経営者になった」と大層なことを言っていますが、「自分を派遣して業務委託をしているが、何のために起業して経営者になったのだろうか?」と真剣に悩みました。そこで自分の強みを考えたて辿り着いたのが、光通信時代にやっていた、オフィス系のITソリューションでした。

新谷哲:なるほど、光通信時代に立ち返ったのですね。MJEはITソリューション事業の経営以外にも、コアワーキングスペース事業の経営をしていますが、今後のビジョンをお教えいただけますか?

大知昌幸:MJEという会社名は「Makes Japan Energetic!」の略で、日本語訳すると「サービスやコミュニケーションを通じて世の中を元気にする」。これが弊社の経営ビジョンになっています。それから、「企業の成長をサポートするサービスカンパニーである」という、会社としてのアイデンティティなどを設定します。「オフィス関連のことで、企業の成長をサポートをし、世の中を元気にしていく」ことを将来のビジョンとして考えながら、経営をしています。

新谷哲:ここからは違う質問をさせていただきます。事前に「好きなもの・好きなこと」をお聞きしましたら、「スマホ・ゴルフ・サッカー応援」とお答えいただきました。スマホがお好きなのは、光通信が関係していますか(笑)?

大知昌幸:光通信は関係ないです(笑)。もう24時間に近いぐらいスマホをずっと見ている、スマホ中毒ということです(笑)。

新谷哲:スマホ中毒ですか!光通信さんご出身でスマホと言われたので、そちらでの経験が関係していると思いました。お好きなことでもう1つ、「サッカー応援」ということですが、どのくらいお好きなのですか?

大知昌幸:今、奈良に住んでいるのですが、サッカー専用のスタジアムがないのです。サッカースタジアムは、めちゃくちゃ金かかりますので、行政などが関わらないとできません。でも、サッカースタジアムの建設が実現しそうにないので、「ポケットマネーでサッカースタジアムを作りたい!」と思うぐらい好きです。ポケットマネーはそんなにないですが(笑)。

新谷哲:自分でサッカースタジアムを作りたいくらいですから、相当なサッカー好きですね(笑)。次の質問に移ります。座右の銘も事前にお聞きしましたら、2つお答えいただきました。「神様は細部にこそ宿る」「しゃあないことは、しゃあないですませな、しゃあない」。さすが関西の経営者、と感じる面白い座右の銘ですが、選ばれた理由をお教えいただけますか?

大知昌幸:1つ目の、「神様は細部にこそ宿る」は、僕が最も尊敬する経営者が座右の銘にしています。その尊敬する経営者から起業する時に「何をやるにも、細かいところにこだわって注意を払わないと、良いサービスは生まれない、良い関係性は生まれない、良い経営ができない。何事も良くならない」と教えていただき、「本当にそうだ」と思ったので座右の銘にしました。2つ目の座右の銘は、メンタリティーの言葉にしました。「神様は細部にこそ宿る」と言っても、どこかで区切りをつけないと、経営は前に進めません。そこで、区切りをつける言葉として「しゃあないことは、しゃあないですませな、しゃあない」を選びました。

新谷哲:経営者様らしい座右の銘で、本当に尊敬しています。では最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向けて、経営者として成功する秘訣・方法をお教え下さい。

大知昌幸:弊社はシェアオフィス事業の経営をしていますが、これは「これから起業する人、起業したての人が成長していけるため」のサービスです。会社経営を始めてから10年が経過した時「これからの10年はどのように経営しようか?」と考え、社会課題に目を向けました。その時に目に付いたのが、「日本の起業の実態」という統計の数字です。その統計によると、「日本では年間10万社前後の新規設立法人があるが、85%の企業が5年以内に廃業する」とありました。廃業する85%の中には、日本を変えるようなイノベーターが含まれていると感じたので、「85%の廃業している人達のために何かできないか?」と考えました。

彼らが成功するために必要なものを考えたときに、10年以上、企業経営を続けている方の共通点を見つけようと思いました。インタビューなどで「あなたはなぜ、経営者として成功したのですか?」と質問すると、色々な答えがあるのですが、1つの共通点がありました。それは「出会いのこと」を言っているのです。偶発的な出会いを活かしている人が成功する経営者になっているので、「偶発的に起こる機会や出会いをどう生かすか?」を考えた答えが、「人・もの・金・情報の出会いや、交流や調達の機会創出」で、その手段としてのシェアオフィスです。これから起業する方は、ぜひ、偶発的に起こる出会いや機会を活かしていただければ、成功する経営者になると思います。

新谷哲:大変深いことをお話しいただきありがとうございます。大知昌幸社長、本日はありがとうございました。

大知昌幸:どうもありがとうございます。

編集後記

大知昌幸社長のお話は、自身の勉強になりました。大知昌幸社長は大変頭も良く、明るい経営者です。そして、深く深く考えて、経営をされています。振り返ってみますと経営者インタビューでお話を聞いた経営者の皆様は、経営について深く考えて、真剣に取り組んでいると感じております。皆様方も、ぜひ、真剣に深く経営に携わっていただければと思っております。

大知昌幸氏
株式会社MJE 代表取締役社長

流通科学大学卒業後、光通信に就職。2006年9月株式会社MJE創業。「注目の西日本ベンチャー100」掲載、「女性活躍リーディングカンパニー」認証等々、設立から丸11年が経過した現在も成長を掲げるベンチャー企業として事業展開中。

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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、大知昌幸氏(株式会社MJE 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

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