本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。
相談内容:「資金調達を成功させる方法として、コンサルタントに依頼をするべきかお教え下さい」
- ご相談者:T様
脱サラをして、飲食店を経営しようと考えております。
いまは創業資金の資金調達について悩んでいるのですが、相談した友人から「資金調達の支援をする経営コンサルタントに頼むといいよ」とアドバイスをいただきました。
やはり個人で資金調達をするよりも、経営コンサルタントに頼む方法を選んだ方が資金調達の成功率は高いのでしょか?
また、経営コンサルタントに頼むとしたら、どのような基準・方法でコンサルタントを選べばいいのでしょうか?お答えいただければ幸いです。
ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)
私も経営コンサルタントの端くれなので、他人の批判をするのは考えますが、「経営コンサルタントの9割方が偽物である。本物の経営コンサルタントはほとんどいない」とお思い下さい。
私も資金調達の相談に乗ることはございますが、「決算書を読めないのに資金調達の相談に乗っている経営コンサルタントが多い」です。決算書が読めないある経営コンサルタントは、「金融機関を紹介してその費用を抜く」という方法で利益を得ており、「これは経営コンサルタントではなくて、ブローカーだ」と感じました。また資金調達の方法としては、直接金融と間接金融と2種類があります。現在は、クラウドファンディングという直接金融と間接金融の合いの子もございますが、この2種類の方法の区別がつかず、理解できていない経営コンサルタントも非常に多いです。そのため、資金調達を成功させる方法として、経営コンサルタントに依頼することはおススメできません。
また決算書の話をいたしますが、最近は、税理士や銀行員でも、決算書が読めない方は増えております。ある税理士の先生は、「税理士としての仲間だけど、決算書が読めない税理士はバカにされても仕方ない。この前も資金調達する方法がないから倒産するしかない、と言われた経営者が相談に来て、資金調達を成功させた。その経営者は今も経営を続けている。資金調達できないと経営者に言ったのは、決算書が読めない税理士だった」とお話をしていました。そのため、税理士に頼むという方法も、難しいでしょう。
資金調達をするために、コンサルタントを雇う必要はありません。資金調達を成功させる方法としては、まずはご自身で事業計画書を作り、一生懸命、金融機関に説明をすることが重要です。もし、「事業計画がどうしても作れない」といのであれば、数万円で事業計画を作っていただける中小企業診断士に相談する方法を選ぶのが良いでしょう。しかし、事業計画書が作れない人間が経営者になることは、言語道断だと私は思っております。コンサルタントに相談することを考えるよりも前に、ご自身が経営者として成長する方法を考え、実力を上げることから始めるべきです。決算書が読めるようになれば、資金調達にも経営にも役に立ちますので、ぜひ勉強してください。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「資金調達を成功させる方法として、コンサルタントに依頼すべきか?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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