成功経営者インタビュー

株式会社サインド 代表取締役社長 奥脇 隆司氏 インタビュー

本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、奥脇 隆司氏(株式会社サインド 代表取締役社長)です。(2022年2月 9日 2022年2月16日 配信)

今回は、株式会社サインドの奥脇隆司社長にお越し頂きました。
理美容業界の予約管理プラットフォームのパイオニア、理美容店舗向け予約管理システム『Beauty Merit』を提供する、マザーズ(現・グロース)上場企業の経営者です。
23歳と言う若さで同社を創業し、高収益企業へと成長をさせた奥脇氏。そこにたどり着くまでの、愚直で行動力溢れるエピソードから経営のヒントが得られます。ぜひインタビューをお読みください。

新谷哲:今回の経営者インタビューは、株式会社サインドの奥脇隆司社長です。まずは経歴のご紹介です。2011年帝京大学経済学部を卒業後、比較.com株式会社(現・手間いらず株式会社)にご入社されます。同年の2011年には株式会社サインドを創業し、2021年12月に東証マザーズ(現・グロース)へと上場をされました。本日はよろしくお願いします。

奥脇隆司:よろしくお願いします。

新谷哲:最初の質問です。ご出身はどちらですか?

奥脇隆司:山梨県出身です。富士山の麓にある田舎で育ちました。

新谷哲:小学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

奥脇隆司:小学校からサッカーを始めました。絵にかいたようなスポーツ少年で、正月になると天皇杯の決勝を見るために、親に国立競技場まで連れて行ってもらうのが毎年恒例の行事でした。そんなこともあり、将来は「プロサッカー選手になりたい」と考えていました。

新谷哲:私も浦和レッズファンで、天皇杯を見に行ったりします!中学校時代はどのようにお過ごしでしたか?

奥脇隆司:引き続き、サッカー漬けの生活をしていました。県大会で準優勝したことをきっかけに、強豪校である帝京第三高等学校に進学をすることを決めました。

新谷哲:山梨県は、中田英寿選手の出身校である韮崎高等学校や、高校サッカーで優勝し話題となった山梨学院高等学校など、サッカーの強豪校が多いですね。その中でも帝京第三高等学校を選ばれた理由などはございますか?

奥脇隆司:当時の山梨学院高等学校は現在ほどの話題性はなく、山梨県のサッカー強豪校と言えば韮崎高等学校と帝京第三高等学校の二択でした。たまたま帝京第三高等学校のセレクションを受ける機会があり、合格をしたので入学しました。

新谷哲:高校時代はどのようにお過ごしでしたか?

奥脇隆司:帝京第三高等学校は国内でも強豪と言われていて、全国各地からサッカーの上手い選手が集められていました。そこで「天才」というのを目の当たりにし、はじめての挫折を経験しました。結果「プロは厳しい……」と感じ、高校でサッカーを終えました。

新谷哲:その後、帝京大学経済学部へと進学をされました。当時の思い出はございますか?

奥脇隆司:大学生らしい生活を謳歌していました。友人との交流やバイトなど、とても充実していましたね。

新谷哲:その後、比較.com株式会社(現・手間いらず株式会社)へ入社されました。こちらを選ばれた理由はございますか?

奥脇隆司:大学時代から「将来は会社を興したい」と思うようになりました。そのため、様々な業界の価格比較サイトを運営する同社の事業は、会社を設立する上で参考になると感じ入社を決めました。

新谷哲:当時の思い出はございますか?

奥脇隆司:業界の事を知る、よいきっかけを与えていただいたと感じています。実は、比較.com株式会社にはインターンを含め、10か月ほどという短い期間の在籍で、4月に入社をし、8月に辞職し、10月には株式会社サインドを設立していました。なぜ、こんなにも早い独立を決断したかと言うと、サービスECが今後伸びていくだろうと確信をしたからです。当時、「手間いらず」という旅行業界のオンライン予約サービスを展開していたのですが、その成長は目を見張るものがありました。EC業界は今後、モノ(商品)だけではなくサービス販売の市場が開けていくだろうと考え、「チャンスを掴もう!」と思い立ち、すぐに行動へ出ました。前職には、感謝しかありません。

新谷哲:上司からの引き止めはございませんでしたか?

奥脇隆司:特に引き止めはありませんでした。新卒の使い物にならない社員なので(笑)。

新谷哲:また、ご謙遜を!株式会社サインドでは、どのような事業戦略を立てスタートしましたか?

奥脇隆司:複数の集客サイトを管理するのは非常に手間がかかります。そのため、サービスECの在庫を自動で一括管理する仕組みを開発し、主力事業としてスタートしました。最初の3年間は、絵にかいたようなベンチャーの生活で、会社の給与だけでは家賃も払えず、コンビニアルバイトや事務所に寝泊まりをするなどして、なんとか生活をしていました。

新谷哲:親御さんから、ご心配はされませんでしたか?

奥脇隆司:若かったので許してくれたのだと感じます。

新谷哲:なるほど。当初より上場をお考えでしたか?

奥脇隆司:はい。比較.com株式会社がマザーズ上場をしていたということもあり「前職を越えよう!」と、創業メンバーと約束をしていました。当初は上場を目指せる状況ではありませんでしたが、お客様の声を愚直に機能へ反映していった結果、3年目から徐々に売上が増加していきました。そうして、2018年頃から準備を開始し、3年後の2021年に上場をすることができました。

新谷哲:上場までのご苦労はございましたか?

奥脇隆司:初めてのことばかりで、本当に苦労をしました。中間審査では大量の質問に答えていく必要があります。業務のリスク対応など以外にも、創業の背景から、私たち運営メンバーの背景にまで質問があったことは意外でした。

新谷哲:参考になります。実際に、売上面などで上場効果はございましたか?

奥脇隆司:はい。お客様からのお問い合わせが増えました。

新谷哲:もしよろしければ、株式会社サインドの事業内容を教えていただけますか?

奥脇隆司:弊社は、理美容業界に特化した予約管理システム『Beauty Merit』をご提供させていただいております。理美容店舗様が売上を伸ばすためには、新規顧客・リピーター顧客の双方へ異なるアプローチが重要となります。そのため、当サービスでは顧客層を2つに分類したサポート機能を備えていることが特徴です。1つ目は、新規顧客獲得の効率化を図る、一元管理機能です。多くの理美容店舗様では、複数の集客・予約サイトで広告運用をしています。その在庫管理に非常に手間がかかるので、自動で一元管理し予約枠の最大化・管理業務の効率化を可能にしました。2つ目は、リピーター顧客獲得に向けた、サロン公式のオリジナル予約アプリのご提供です。アプリから予約できるだけでなく、プッシュ通知・トーク・マイページ・ポイントなどお客様とサロンのつながりを強化し、顧客の満足度向上を図ることが出来ます。その他にも、クーポン設定・スタッフ管理・シフト管理など、理美容店舗の管理運営に必須な管理業務をパッケージでご提供し、理美容店舗様のDX化を後押ししています。

新谷哲:ありがとうございます。ここからは違う質問をさせていただきます。好きなもの、好きなことをお聞きして、「サッカー、ペット(犬)と過ごすこと」とお答えいただきました。犬を飼っていらっしゃるのですか?

奥脇隆司:はい。私にとって犬と散歩をすることは、考えることから解放される貴重な時間です。普段は仕事で数字を見ることが多いので、とてもリフレッシュすることができます。

新谷哲:座右の銘もお聞きして「繋がり」とお答えいただきました。こちらを選ばれた理由はございますか?

奥脇隆司:「繋がり」を大切にすることで、新たな価値を生み出していけると考えるからです。弊社のミッションである「インターネットを通じて、心のつながりを提供する」を掲げたのは、小学生の時に開催された友人の誕生日会がきっかけでした。当時の私は「どんなものならば喜んでもらえるだろう?」と一生懸命に友人のことを考えプレゼントを選びました。しかし、当日に皆で持ち寄ったプレゼントを渡したところ、なんと、私だけ周りよりも値段が安く、非常に恥ずかしい思いをしたということがありました。ところが友人は「君のプレゼントが一番嬉しかったよ!」と言ってくれたのです。このことから、相手に感動を提供するには、金額などではなく、いかにその人の心に寄り添えるかが大切だと、身をもって体験しました。今後も関わる方一人ひとりの繋がりを大切にし、しっかりサポートをしていくことで、最大の価値をご提供していきたいです。そして、インターネットを通して新たな「繋がり」の創造を実現していきたいと考えています。

新谷哲:素晴らしいお話しありがとうございます。次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。

奥脇隆司:「仲間を大事にする」と「諦めない」です。創業時、若く経験の乏しい私の元であっても、非常に優秀で能力の高いメンバーが集まってくれました。そんな仲間たちと、諦めずやり続けた結果、会社を上場まで持っていくことができました。今後もこの気持ちを大切にしていきたいです。

新谷哲:参考になります!奥脇隆司社長、本日はありがとうございました。

奥脇隆司:ありがとうございました。

編集後記

今回は奥脇隆司社長でした。2021年12月22日に新規上場をされたばかりの企業様です。新卒1年目で会社を辞めて起業されるとは、素晴らしいですね!私は、39歳で会社を興すまでサラリーマンだったので、その勇気には感服いたします。また、たいへん謙虚な姿勢ですし、事業も面白いので、今後の活躍に期待し株価に注目されてみてもいいかもしれませんね。ぜひ皆様も参考に、共に成功社長を目指していきましょう!

奥脇 隆司氏
株式会社サインド 代表取締役社長

山梨県出身。2011年帝京大学経済学部を卒業後、比較.com株式会社(現・手間いらず株式会社)へ入社。サービスECの市場拡大へいち早く着目し、同年、株式会社サインドを同社副社長と設立し代表取締役社長へとご就任をされます。理美容業界の予約管理プラットフォームのパイオニアとして、理美容店舗向け予約管理システム『Beauty Merit』の提供を開始。顧客体験価値向上・生産性向上に向けサロンブランディングまでを一貫してサポートし、理美容業界のリーディングカンパニーへと導かれました。さらに、 2021年12月には、東証マザーズへと上場。「インターネットを通じて、心のつながりを提供する」ことであらゆる価値の「最大化」へと邁進されています。

※本インタビューへの出演をご希望の方はこちらよりご応募ください。

本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、奥脇 隆司氏(株式会社サインド 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。

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