個人で製作したアイデア商品を商品化する方法とは？

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容：「個人で製作したアイデア商品を、どう商品化すればよいですか？」

• 相談者：M様（60代：男性）
• 所在地：神奈川県

昨年定年退職をし、趣味のDIYに没頭しております。結婚はしておらず高齢の母と2人暮らしをしています。最近の母は、コロナ感染に怯え長期に渡り巣ごもり状態に陥ってしまいました。

そんな母のために、趣味の延長で座りながらできるストレッチ器具を考案し、今年の夏に試作品を完成させました。身内ビイキでしょうが「どんな健康器具よりもいい！」「友達に勧めたい！」と毎日のように口にします。私もそんな言葉に乗せられ、身内に高齢者がいる友人何名かに使用感を試してもらったところ、全員から高評価を頂けました。

そこで、私が開発したこのストレッチ器具を、商品化できないかと考えております。今後も私１人で製作していく予定です。しかし、個人が製作するアイデア商品を、どう商品化すればよいか見当がつきません。販売するまでに、どのような選択肢や手続きがあるのかご助言を頂きたいです。よろしくお願いいたします。

ご相談者へ回答（回答者：新谷 哲）

私も現在、母の介護をしています。先日、知人の経営者から頂いた健康器具を母に渡したところ「これ良いわね！」と喜んでいるので、M様のお気持ちが良く分かります。

実は、古い洗濯機のゴミ取りは主婦のアイデアから生まれています。そして、特許申請をしたことで億単位の収入を得ることが出来たそうです。このように、個人のアイデアを商品化し成功するケースは良くあります。

では、商品化をするにはどのようにすればよいでしょうか？まず、試作品を用意し、関連メーカーを調べて電話をしてみると良いと思います。そこで、大量生産の方法や、コスト感など相談に乗って頂けます。それが分かれば次に、どれくらいの値段を付けて販売をするかを決めていきます。そして、コストダウンの方法や、より良い商品にするための試作を繰り返して商品化していくという流れです。また、メーカーに全部託しアイデア料を頂いたり、OEMで商品化をしたりする方法もあります。

そして、商品化と販売の方法はセットで考えていく必要があります。完成した商品を自社で販売するのか、もしくは代理店を通すかなどの選択肢があります。M様の場合、介護商品なので、介護施設や、リハビリ施設、ケアマネージャーさんに売れないかなど、販売経路を考えていきます。それらも含め、まずメーカーに当たっていくと良いと思います。

20代の女性が一人で経営している電気メーカーがあります。その方は自ら商品設計を行い、設計書を中国メーカーに持ち込み、試作品をビックカメラやヤマダ電機に提案しています。そして「行ける！」と思えば中国のメーカーに大量生産を依頼し販売をしています。では、そのお金はどうしているかというと、ビックカメラやヤマダ電機に先に支払いをしてもらい、中国メーカーに支払っているようです。このようにキャッシュを上手く繋ぎ商品化することで大きな儲けを出している方もいらっしゃいます。

M様もぜひ頑張って頂ければと思います！

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決！「個人で製作したアイデア商品を商品化する方法とは？」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。