外食産業における離職の防ぎ方！安定した店舗運営を実現する方法とは？

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容：「コロナ禍で厳しい経営状況の中、スタッフをどう動機付ければいいか悩んでいます」

• 相談者：S様
• 業　種：飲食店経営

飲食店を4店舗運営しています。3店舗は居酒屋、1店舗はバル業態です。ご多分に漏れず、コロナの影響が厳しい状態です。緊急事態宣言も解除になればお客様が戻ってくるかと思ったのですが、想定を下回っています。そんな折、年末になって2人の店長から「辞めたい」との申し出がありました。1人は引き留めたのですが、もう1人は退職となりました。オミクロンの拡大でまた緊急事態宣言に至るのではないかと危惧しています。このような状況下にあって、スタッフのみんなをどう動機付けすればいいか悩んでいます。

ご相談者へ回答（回答者：新谷 哲）

皆さん、この問題にはご苦労されていますね。残念ですが、コロナ禍により加速した第四次産業革命の流れは、止まることはないでしょう。私は2年前から「今後の外食産業では店舗数が半分に減り、アルバイト・スタッフを含めた従業員数は3分の1になる」と予想をしています。そのような状況下でスタッフを動機付けしていくには、「それに耐えたとき、どのような未来があるか？」を具体的に説明し、その展望を示していく必要があります。

実は、外食産業が縮小傾向にあるのは悪いことばかりではありません。飲食業界全体で見れば、現在は中食分野（総菜・コンビニ弁当などの調理済み食品）が伸びています。 Uber Eatsの台頭もその一つですね。この現象も後押しし、競争力の低い外食店舗はさらに減少していくでしょう。すると「需要と供給のバランス」が取れ、生き残った良い店舗から順に業績を伸ばすことができるようになります。

実際に、弊社の近辺にある飲食店では、コロナ前から一番人気だった店は今でもお客様が並んでいます。そして、一時は苦しい思いをされたでしょうが、2番目、3番目と人気のあった店は、順に客足が戻り始めています。一方で、もともと人気の無かった店はいっそう閑散としています。きっと、緊急事態宣言時にお酒を出していた時が過去最高の売上で、今ではいつ店を畳むかを考えられていることでしょう。

この「需要と供給のバランス」が整うタイミングまで耐え抜くことができれば、儲かるビジネスへと転換することができます。例を挙げると、現在は畳屋さんが儲かっていると聞きます。なぜかというと、中古住宅に畳張り替えのニーズがあるのですが、畳職人の数は減っているからです。そのため、残った畳屋さんに依頼が殺到しているらしいのです。

話を戻しますと、外食産業の苦しい時期は今後2年～3年の間でしょう。「需要と供給のバランスが整ったら客足は戻ってくる。今を耐え抜けば、給料を上げられる可能性もある！」と従業員に展望を示して、引き留めをしていかれるとよいのではないでしょうか。ご希望がございましたら、無料でオンライン相談に乗らせていただきますので、ぜひお声がけください。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く！in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決！　「コロナ禍での飲食店、辞める店長を引き留めるには！」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。