従業員を巻き込む会社経営。組織力を高める方法とは?

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容:「中堅社員に管理職の魅力を気づかせる方法はありますか?」

  • ご相談者:K社様
  • 業種:IT系

当社の30代半ばの中堅社員は、専門性の高い業務をこなしますが「担当以外は自分に関係ない」という態度で、後輩が困っていてもフォローすることはほぼありません。面談のときに出世を促すも、給与設定が高く定期昇給する制度があるためか、誰からも出世意欲は感じられません。そのため、中堅社員が管理職としてのやりがいや魅力に気づき、後輩にノウハウを伝授していけるような社風へと一新するため、新たに中途採用を行いました。しかし、管理職候補として採用した社員も、すぐに既存社員の考えに染まってしまいます。新入社員は、そんな先輩陣に不満を抱いているようで、いつ退職したいと言い出すか不安を抱えています。社員が一丸となれる強い組織となるためには、何から始めればよいのでしょうか?

ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)

私は前職の東証一部上場企業で常務まで務めたのですが、初めて出世のタイミングが訪れたのは29歳のときでした。その時は、K社様の中堅社員達と同じように管理職になることに抵抗があり、上司からの提案を断ろうとしました。結果的に引き受けることとなったのですが、今となっては管理職になることで新たな視点を持つことができ、自身の成長へと大きく繋がったと実感しており、説得をして下さった上司には感謝をしています。そこで、私の事例を元に、中堅社員に管理職の魅力を気づいて頂くポイントについて解説いたします。

1つ目のポイントは「人事評価制度」です。昇進するごとに給料が上がる制度でなければ、やはり出世意欲は湧きにくいでしょう。K社様では、給与設定が高く定期昇給する制度を取り入れていらっしゃるとの事ですので、まずは人事評価制度を見直していく必要があります。

2つ目のポイントは「出世の成功事例を作る」です。私が29歳で管理職となった時は、マネジメントの一環として若手をどんどん出世させていました。若手が出世できる企業では、どの社員も同年代に負けないよう活躍の場を求めますし、出世ができれば経済的にも豊かになり、仕事以外の幸せへと目を向ける余裕が生まれます。このような成功事例を作ることができれば「あの人の様な人生を送りたい」と、出世を目指すムードが若手社員の中で広まっていきます。それにより、前社では業績を大きく向上させることに成功しています。

3つ目のポイントは「経営理念」です。求める組織風土を築くには経営理念の浸透を図ることが一番効果的です。弊社では、経営理念を社員が読み上げ感想を述べたものに対し、私がコメントを返すということを毎日行っています。経営理念の中には上昇志向を促すような内容が含められているので、現在ほとんどの社員が出世もしくは独立を志すような社風へと一新しました。残念ながら、会社が目指すべき方向性を納得できない社員は徐々に去っていきますが、入社してくる社員は経営理念に沿った社風に染まっていき、今では若手で管理職となった社員も実在しています。

社風を変えるとなると、3年~5年は掛かりますが、社員が一丸となれる強い組織を目指し取り組んで頂ければと存じます。ご希望がございましたら無料でオンライン経営相談も行っていますので、ぜひお声がけください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

※新谷哲に経営相談をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。初回のみ無料で承ります。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「社員が一丸となれる組織風土を築くには?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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