広告予算を立てる目安とは?

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容:「D2C販売を成功させる広告予算の立て方はありますか?」

  • 相談者:K様
  • 業 種:サプリメントの製造販売業

こんにちは。健康食品サプリメントのD2C※(DtoC)販売をしようと、現在製品開発をしています。大方のコンセプト、商品イメージも出来上がり、現在試作品の製造段階です。今の悩みは、今後商品を売り出していくにあたり広告宣伝費としてどこまで資金をつぎ込むかということです。あるサイトでは、化粧品・健食ECの広告費の予算の立て方として「売上×一定の比率・割合(15~20%)=広告宣伝費(販売促進費)」と記載していました。美容商品の売り上げは広告費に大きく比例しますし、店舗も持たず自社ECのみで販売を考えているので、なおのこと広告費に比重を置く必要があります。しかし、実際どれほどの売り上げが見込めるか不透明なので、予算を決めきれずにいます。このような事業形態での広告予算を立てる目安などありましたら、教えていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。

※D2Cとは?

Direct to Consumerの略称。メーカーが中間流通を介さず自社のECサイトなどを通じ、商品を直接消費者に販売するビジネスのこと。

ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)

既にEC業界では、「ある一定の広告費をかけると、一定の売り上げを上げることができる」という法則が存在するようです。実店舗を持たずECのみで商品を販売していく場合、スタートアップ時には100%~200%の広告宣伝費を掛ける必要があるかもしれません。上記の公式のように、一定の比率・割合が、15%~20%で計算をした広告宣伝費で利益を出せるのは、ある程度の売り上げがある企業の話です。

広告宣伝費を100%かければ、利益から家賃や人件費を捻出することはできず、とうぜん赤字となり、資金調達が必要になってきます。実は、楽天やAmazonも上場当初は赤字で大きな資金調達を行っています。そうして、全てを広告宣伝費やシステム開発費につぎ込んだ結果、黒字化をすることに成功しました。ネットゲーム業界も同様です。このようにWEBを活用したビジネスは、経費と期間を掛けて、利益を出していくことが前提となります。そこまでしても、その商品(サービス)が売れないということはよくあり、賭け事に近い商売でもあると言えます。

こんなことを言ってしまうと「賭けに失敗したら、会社が潰れてしまうのでは?」と心配されると思います。しかし、挽回する方法はあるのでご安心ください。パーソナルトレーニングジムで有名となった、RIZAPグループ株式会社をご存じの方は多いと思います。こちらの企業様は、元は健康コーポレーション株式会社という化粧品や健康食品の販売を行っていました。当初は赤字で、大変な経営状態だったそうです。しかし、ライザップというパーソナルトレーニング業態を取り入れ、サプリメントをセット販売することで利益を上げ、札幌証券取引所アンビシャスに上場を果たされたのです。主力商品である健康食品の販売で利益が出なくとも、他の業態、サービスとかけ合わせた派生事業(商品)で安定した利益を出していける可能性があります。

D2C販売を成功させるには、スタートダッシュがたいへん重要です。まずは、3年~5年をかけて利益を出していけるよう、資金調達、広告宣伝費の計画を立てて行かれてはいかがでしょうか?そして、もしも見込みがないと感じた場合は、見切りをつけ新たな商品へ切り替えていきましょう。ご希望がございましたらご相談に乗らせていただきますので、ぜひお声がけください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

※新谷哲に経営相談をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。初回のみ無料で承ります。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「広告予算を立てる目安とは?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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