息子と経営幹部どちらを後継経営者に選ぶべきか?

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容:「息子と経営幹部、どちらを経営幹部として選ぶべきかお教え下さい」

  • ご相談者:C社様
  • 業種:製造業

私は首都圏で製造業を経営しております。

現在、後継経営者について悩んでおります。私には30歳になる息子がいるのですが、この息子が事業を継いで経営者になりたいと言ってきました。これ自体は良い話なのですが、実は息子が20代のころに「会社を継いで経営者になる気はない」と言っていたため、社内で後継経営者を育てておりました。

後継経営者として目をかけていた者が育ち「そろそろ後継経営者として指名しよう」と思った矢先に、息子から会社を継いで経営者になりたいと言われました。社内では、私が目をかけていた者が会社を継いで経営者になるだろうという空気があり、ここで息子を後継経営者として入れてしまえば、反発を招くかもしれません。

息子と経営幹部、どちらに会社を継がせて経営者とするべきか?また、どのような方法で後継経営者を決めるべきか?新谷さんはどのようにお考えか、お聞かせいただけないでしょうか?

ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)

後継経営者は大変難しく、判断しづらい問題です。ですので、私のご説明する方法は参考として考え、最終的な判断は経営者様ご自身で行っていただきたく思います。

そのうえで、もし私がC社様の経営者という立場であれば、一旦は息子さんを入社させます。しかしながら、息子さんにはっきりと「お前が会社を継がないと言ったから、ある経営幹部を後継経営者として育ててしまった」、「その経営幹部よりも優秀な経営者になりそうなら、お前を後継経営者として指名する。しかし、経営幹部と同等の能力であれば、その経営幹部を後継経営者に指名する。それでも良いなら入社させる。嫌ならもう二度と戻ってくるな」と言うべきです。

昔、巨人軍の原監督が高校の野球部に入部したとき、監督であった父親から「誰よりも努力をし、誰よりも練習をしろ。もしお前と同じレベルのやつがいたら、お父さんは監督だからその他人の息子さんを優先しなければいけない。だからお前は圧倒的に上手くならねばならない」と言われたそうです。そうしたら、野球史に名前を残すプロ野球選手、監督になりました。すでに後継経営者がいるのであれば、原監督と同じくらいの努力を息子さんがしなければ、社員は息子さんを後継経営者として認めないでしょう。

私自身、自分の息子に大学生が2人いますが、会社を継がせて経営者にするつもりはありません。もし息子が「会社を継いで経営者になりたい」言ってきたら、社員達と同様に厳しくしますし、もしかすると息子への方が厳しくなるでしょう。後継経営者として息子さんを鍛えるという意味でも、経営幹部と競争させる方法を取るべきです。

後継経営者問題は、経営者であれば誰もが悩む可能性がありますので、是非、後継経営者を選ぶ方法についてお考えください。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

※新谷哲に経営相談をご希望の方はこちらよりお問い合わせください。初回のみ無料で承ります。

本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「息子と経営幹部、どちらを後継経営者に選ぶべきか?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

『社長の孤独力』抜粋版(PDF29ページ)
無料プレゼント中!

『社長の孤独力』(新谷哲/著) の【抜粋版】を無料プレゼントしております!

71の課題の中から「資金・人材・売上・採用・後継者」の5つを抜粋いたしました。銀行からお金が借りれない社員がすぐに辞めてしまう売上を伸ばしたい、など、具体的なお悩みの解決策が掴めます。ぜひご覧ください。

無料プレゼントの詳細はこちら

関連記事