後継経営者がいない企業が事業承継する方法とは?

本コーナーでは、経営者、社長、後継経営者、起業予定者などから頂戴する会社経営に関するご相談に対して、WizBiz株式会社の代表であり、経営コンサルタントである新谷哲が独自の視点で経営上のアドバイスや解決方法をご提示いたします。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「3分コンサルティング」を編集して掲載しております。

相談内容:「後継経営者だった息子が会社を辞めました。事業承継をする良い方法をお教え下さい」

  • ご相談者:K様
  • 業種:和菓子製造業
  • 所在地:石川県

地元、石川で和菓子の製造販売業を経営するKと申します。

22年間、地方の菓子メーカーで務めた後に、独立して経営者となりました。妻と2人で始めた店も地元に愛され、経営を始めてから28年目。今いるパートさん方も10年~15年選手が多くアットホームな店です。

東京の大学を卒業後、地元に戻り、私たちの店を手伝ってくれている息子がおります。私も68歳という高齢の域に入ってきましたため、後継経営者として息子を指名し、事業承継したいと考えていました。しかし「大学時代の友人と会社を立ち上げ経営者になる」と私に告げ、店を辞め東京へ上京して行ってしまいました。それから何度か、「後継経営者になってほしい」と話し合いをしましたが、息子の意志は固いため、私は息子への事業承継を諦めました。

店の売上は立っており、おかげさまで黒字ではありますが、後継経営者といえる存在がおらず、このままでは廃業するしかありません。後継営経営者がいない企業は、いわゆるM&Aが事業承継の方法になると思います。しかしM&Aによる事業承継を行った場合、「私たちの店が全く違うものになるのではないか?」という思いから、M&Aによる事業承継を深く調べていません。

後継経営者がいない企業は、どのような方法で事業承継ができるでしょうか?新谷さんのご意見お聞かせください。

ご相談者へ回答(回答者:新谷 哲)

後継経営者がいない状況での事業承継となると、方法の1つはやはりM&Aになります。

M&Aで不安になる気持ちは分かりますが、事業承継の方法の1つとして勉強することは大切です。M&Aの詳細を知らずに選択をしないよりも、M&Aを理解してから事業承継の方法として選択肢しない方が正しいので、事業承継の方法を知るためにM&Aは勉強していただきたいと思います。

一方で、まだ68歳ということであれば、あと20年ぐらい経営者を頑張るのはいかがでしょうか?人生100年時代に入り、私の周りでも80歳以上の経営者で、「100歳まで生きて経営者を続ける」と言っている方がおります。70代後半の経営者には「最近つまらないから1社くらい新しく作って経営しよう」という方もおります。70歳以上、80歳以上でも元気な経営者は日本には存在しております。68歳で後継経営者のこと、事業承継のことを考えるのは正しいと思いますが、経営者を辞める選択肢は、早すぎるのではないでしょうか?

後継経営者や事業承継の問題も、あと20年ぐらい経営者を続ければ解決するかもしれません。悪い話をして大変申し訳ないですが、息子さんが経営する会社が失敗して戻ろうかという話になったり、色々あって故郷に戻ろうという話になるかもしれません。そうすると、息子さんを後継経営者に指名することができます。また、今から20年、経営者を続けると考えれば、社内から後継経営者を育てるという方法もございます。もちろんM&Aで事業承継する方法もございます。

あと20年、経営者を続ければ、3つもの事業承継の方法が出てきますので、頑張って経営者を続けることが事業承継の一番の方法です。是非、もうちょっと経営者として頑張っていただければと思います。

新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長

新谷 哲

1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。

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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の3分コンサルティング経営者の課題解決!「後継経営者がいない企業が、事業承継する方法とは?」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。

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