本コーナーでは、2019年6月に日本経済新聞出版社から出版された、新谷哲の著書「社長の孤独力」の内容を解説します。経営者へのアンケートで集めた1000個の悩みをジャンル分類した本書から、毎回1テーマを取り上げます。なお、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の「社長の孤独力 番外編」を編集して掲載しております。
本日は、『社長の孤独力』1章9項「毎年増え続ける人件費を抑えたい」を解説いたします。
前回の残業代もそうですが、人件費を抑えたいという悩みを持つ経営者は多いと思います。弊社WizBizの人件費は、能力給・業績給・賞与・事業化給という4つの給与制度を持っています。
能力給は半年に1回、その人物の能力を自己評価し、上司2人が評価することで、計3人の評価で上がったり下がったりする制度です。業績給は四半期が黒字だった場合に原資を決め、それを皆の達成率等で取り合う制度です。賞与も業績給と同じように、半年に1回、業績が黒字であった場合に原資が決まり、達成率やマネジメント力などで分配していくという制度になっております。最後の事業化給は、新たな事業を創出し利益が出たら、売上総利益の1%を翌年に支払う制度です。例えば、1億円の売上総利益を出したら、100万円年間で受け取ることが出来ます。
これらの制度は全て、社員達のモチベーションを上げつつ、コストを抑制する内容となっています。黒字が前提になりますので、業績が赤字になると賞与も業績給も出ません。これはわざと、このような内容にしています。黒字になれば賞与や業績給を出すので社員は業績を上げるために動き、赤字になればこの部分の人件費を抑制することができます。一方で事業化給は「新しい事業を創出して収益を生んだら、その部分をとことん評価しよう」と考えて作っております。
毎年増え続ける人件費を抑えるためには、やはり業績と連動する給与制度を整えることが良い方法です。利益が少ない時や赤字の時には抑制でき、大きな利益があれば給与も上がるので、社員のモチベーションもアップできます。今後は働き方改革で副業などを推奨する流れになってまいりますので、この辺りを上手く絡めて、自社に合った人事制度を考えてみることが良いと思います。
新谷 哲 WizBiz株式会社 代表取締役社長
1971年 東京生まれ。大学卒業後、東証一部上場のコンサルティング会社に入社。銀行、信用金庫の融資開拓コンサルタントを皮切りに、仙台支店長、東日本事業部長、執行役員を歴任。その後、常務執行役に就任し、経営コンサルティング部門や営業部門、サービス提供部門を統括。
2010年に独立し、WizBiz株式会社を設立。現在、経営者向けネットメディア「WizBiz」を運営。日本国内では、経営者の会員登録数でNo.1のメディアとなっている。また、経営者向けサービス提供としては、ネットだけでなく、リアルの場も力をいれており、年間300回以上のセミナーを開催し、年間4000名を越す経営者が参加。その集客力は、各方面からも注目を集めている。
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本コーナーで掲載する経営相談は、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の社長の孤独力番外編!「毎年増え続ける人件費を抑えたい」を編集したものです。文中に登場する社会環境や企業情報、数字情報、その他の各種事象は、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
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